藍染袴お匙帖⑪ あま酒 藤原緋紗子
あま酒 千鶴は若者・佐之助に殴られている掃除人・平蔵を助けた。平蔵は大店の主だったが美人局に引っ掛かり店を手放した過去を持つ、今は手相見ながら相談事に応じていた。佐之助が殺される。店の番頭は知らないという。平蔵は佐之助の話を聞いていたので調べ始める。平蔵も殺される。千鶴は佐之助の勤め先・丸子屋を調べ、主人の後添えが主を石見銀山で殺そうとしていることを知る。後添えと医者、番頭と浪人が捕まった。浪人は平蔵の持っていた蒔絵の薬籠を持っていたことが証しになった。
一本松 千鶴は小伝馬町の牢内で伝兵衛から文を託された。伝兵衛の病は重かった。店を持ちお金に困っていない伝兵衛が何故、盗賊の見張りをしたのか不思議だった。伝兵衛は昔、武士だった。敵持ちだった。敵として狙われてはいなかったが、盗賊の親分は伝兵衛の昔を知っていた。言われ宅内から見張りをしたが、火盗改に密告していた。そして捕まっていた。養女・吉に店を託してた。
吉は五年ぶりに帰ってくる錺職の許嫁・才次郎を待っていた。才次郎は江尻で人を殺し手配されていた。こっそり会った吉は自首を勧める。才次郎は一緒に逃げようと誘う。殺された宿の女中が江戸まで来て、宿の女将を殺したのは養子の婿だと証言した。
千鶴の思い人求馬に縁談がある。
大阪から圭之助が帰ってきた。
2017年4月29日土曜日
新・問答無用④
新・問答無用④ 騙り商売 稲葉稔
薬を人に売るために仕入れる。売る人を増やせばお金が貰える。薬を買ってるために騙したことにはならない。でも騙されたと言う人がどんどん増える。一人一人は一両から四両と金額は大きくないが、町年寄への訴えは何十人、何百人と増えていく。喜多村彦右衛門に頼まれ柏木宗十郎は調べることになった。
元締めは松太郎こと筧祥雲という医者だった。町医者が小普請医師になりたいため、寄合医師・今宮道庵にお金を持って行っていた。松太郎の友・持田九兵衛は訴えられていることを知った道庵に、殺すことを頼まれる。薬を売った者が殺されている。九兵衛は人を騙して身をたてようとした松太郎も許せず殺した。九兵衛はお金を貢がせるだけの道庵も許せず命を狙うが宗十郎に捕まる。真相は明らかになった。
後日、道庵は風のごとく現れ立ち去った者に斬られて死んだ。
薬を人に売るために仕入れる。売る人を増やせばお金が貰える。薬を買ってるために騙したことにはならない。でも騙されたと言う人がどんどん増える。一人一人は一両から四両と金額は大きくないが、町年寄への訴えは何十人、何百人と増えていく。喜多村彦右衛門に頼まれ柏木宗十郎は調べることになった。
元締めは松太郎こと筧祥雲という医者だった。町医者が小普請医師になりたいため、寄合医師・今宮道庵にお金を持って行っていた。松太郎の友・持田九兵衛は訴えられていることを知った道庵に、殺すことを頼まれる。薬を売った者が殺されている。九兵衛は人を騙して身をたてようとした松太郎も許せず殺した。九兵衛はお金を貢がせるだけの道庵も許せず命を狙うが宗十郎に捕まる。真相は明らかになった。
後日、道庵は風のごとく現れ立ち去った者に斬られて死んだ。
2017年4月28日金曜日
希望荘
希望荘 宮部みゆき
聖域 杉村三郎38才 東京都北区尾上町に杉村探偵事務所を開設。近所の主婦から、亡くなったと聞いていた三雲勝枝さんとそっくりな人を見た。調べて欲しいということだった。勝枝さんは貯めていたお金を娘に取られ、娘から逃げていたが、宝くじが当たり娘と二人で暮らしていた。宝くじに当たったことを人に言いたくなくて、亡くなったことにして姿を消していた。
希望荘 老人ホームで亡くなった武藤寛二の息子・相沢幸司が、父親が亡くなる前に人を殺したというような事を言っていたので調べて欲しいと依頼してきた。告白を聞いたのはホーム主事・柿沼と担当介護士・見山、ちょうど掃除をしていたクリーニングスタッフ・羽崎だった。テレビで最近起こった婦女暴行目的の殺人事件を放送している時だった。武藤が言う殺人事件は昭和五十年の若い娘の殺人事件だった。犯人は知人に連れられ自首している。付き添っていたのが武藤だった。希望荘で六人の独身男性が住んでいた。殺人を犯し様子のおかしい同居人を見ていた。今回起こった殺人事件の犯人は羽崎だった。殺人を犯して様子が変なのがわかったから、羽崎に自首を勧めるつもりでしゃべっていたのだった。杉村は殺人現場にスポーツタオルがきれいに三つ折りにされて残っていたことで気がついた。ホームの
クリーニングスタッフはタオルを三つ折りにして膝置きに使う。相沢氏への報告書に全てを書いた。相沢氏は知り合いの警察関係者に報告書を見せた。羽崎は捕まった。
武藤は四十年前、離婚して消息不明だった。十年前、息子がレストランをオープンしたことを知り近所をうろついていて会った。
砂男 杉村が離婚して実家に帰り、父親を看取ってから探偵事務所を始めたきっかけ。
杉村がアルバイトしていた〈なつめ市場〉のお得意さんの店の主人・巻田広樹が不倫相手の女性と駆け落ちをした。不倫相手と思われる女性の母親が、納得できないから探して欲しいと蛎殻調査事務所に依頼した。所長の蛎殻昴と行動を共にした。
巻田広樹・香川広樹は12才の時、自宅に火を付け母親と妹・10才を殺した疑いがあった。妹への虐待があったようだ。広樹の妻・典子に子供が出来たことを知り、人を殺した自分が子供の父親になれないと言い、自分が悪者になるよう駆け落ちを騙り家を出ていた。不倫相手と思われた子・典子の友達は広樹のアドバイスで医療事務の勉強をしていた。彼は広樹ではなかった。病気の母親の入院費が欲しいため自分の戸籍を広樹に売っていた。広樹が妹に近づいたため広樹を殺していたのでろう。それは突き放した広樹の父親が知っていた。
蛎殻昴に誘われて探偵事務所を開いた。蛎殻調査事務所の調査をしながら。
二重身(ドッペルゲンガー) 2011年東日本大震災が発生、杉浦の事務所は傾き取り壊すことになり、大家・竹中家の西端に間借りすることになった。
相沢氏の次男・幹生の友達・伊知明日菜が母親の交際相手が東北へ行ったまま消息不明なので探してほしいと依頼してくる。
カジュアルアンティークショップのオーナー・昭見豊はアルバイト店員・松永に殺されていた。松永が、昭見が明日菜の母親に贈るつもりで買ったピアズリのダイヤの指輪を持っていることで明らかになった。殺してしまった次の日におきた地震を利用していた。
聖域 杉村三郎38才 東京都北区尾上町に杉村探偵事務所を開設。近所の主婦から、亡くなったと聞いていた三雲勝枝さんとそっくりな人を見た。調べて欲しいということだった。勝枝さんは貯めていたお金を娘に取られ、娘から逃げていたが、宝くじが当たり娘と二人で暮らしていた。宝くじに当たったことを人に言いたくなくて、亡くなったことにして姿を消していた。
希望荘 老人ホームで亡くなった武藤寛二の息子・相沢幸司が、父親が亡くなる前に人を殺したというような事を言っていたので調べて欲しいと依頼してきた。告白を聞いたのはホーム主事・柿沼と担当介護士・見山、ちょうど掃除をしていたクリーニングスタッフ・羽崎だった。テレビで最近起こった婦女暴行目的の殺人事件を放送している時だった。武藤が言う殺人事件は昭和五十年の若い娘の殺人事件だった。犯人は知人に連れられ自首している。付き添っていたのが武藤だった。希望荘で六人の独身男性が住んでいた。殺人を犯し様子のおかしい同居人を見ていた。今回起こった殺人事件の犯人は羽崎だった。殺人を犯して様子が変なのがわかったから、羽崎に自首を勧めるつもりでしゃべっていたのだった。杉村は殺人現場にスポーツタオルがきれいに三つ折りにされて残っていたことで気がついた。ホームの
クリーニングスタッフはタオルを三つ折りにして膝置きに使う。相沢氏への報告書に全てを書いた。相沢氏は知り合いの警察関係者に報告書を見せた。羽崎は捕まった。
武藤は四十年前、離婚して消息不明だった。十年前、息子がレストランをオープンしたことを知り近所をうろついていて会った。
砂男 杉村が離婚して実家に帰り、父親を看取ってから探偵事務所を始めたきっかけ。
杉村がアルバイトしていた〈なつめ市場〉のお得意さんの店の主人・巻田広樹が不倫相手の女性と駆け落ちをした。不倫相手と思われる女性の母親が、納得できないから探して欲しいと蛎殻調査事務所に依頼した。所長の蛎殻昴と行動を共にした。
巻田広樹・香川広樹は12才の時、自宅に火を付け母親と妹・10才を殺した疑いがあった。妹への虐待があったようだ。広樹の妻・典子に子供が出来たことを知り、人を殺した自分が子供の父親になれないと言い、自分が悪者になるよう駆け落ちを騙り家を出ていた。不倫相手と思われた子・典子の友達は広樹のアドバイスで医療事務の勉強をしていた。彼は広樹ではなかった。病気の母親の入院費が欲しいため自分の戸籍を広樹に売っていた。広樹が妹に近づいたため広樹を殺していたのでろう。それは突き放した広樹の父親が知っていた。
蛎殻昴に誘われて探偵事務所を開いた。蛎殻調査事務所の調査をしながら。
二重身(ドッペルゲンガー) 2011年東日本大震災が発生、杉浦の事務所は傾き取り壊すことになり、大家・竹中家の西端に間借りすることになった。
相沢氏の次男・幹生の友達・伊知明日菜が母親の交際相手が東北へ行ったまま消息不明なので探してほしいと依頼してくる。
カジュアルアンティークショップのオーナー・昭見豊はアルバイト店員・松永に殺されていた。松永が、昭見が明日菜の母親に贈るつもりで買ったピアズリのダイヤの指輪を持っていることで明らかになった。殺してしまった次の日におきた地震を利用していた。
2017年4月25日火曜日
三島屋変調百物語 四之続
三島屋変調百物語 四之続 三鬼 宮部みゆき
迷いの旅籠 鶴見川の北、小森村のつぎという13才の子供が三島屋の黒白の間の語り手としてやってきた。
領主の子供が亡くなったため立春の前日に行う行灯祭りが禁止された。行灯祭りは冬の間眠っている田圃の神様・あかり様に目を覚まして頂くためのお祭りで、あかり様が目を覚まさなければ凶作になるという。
名主の客・絵師・岩井石丈(与之助)の発案で小森神社の脇の名主の父親の隠居屋を大きな行灯に見立てようということになった。壁を壊し、障子をはり、絵を描く。大行灯に火が灯った。息子の親不孝を詰る名主の父親が現れる。つぎの兄・一平の許嫁・なつが現れる。死んだ人が現れる。代わりに関係者が一人意識不明になる。あの世からの道が開いた。大行灯を燃やそうという。絵師は通行手形を書き、現れた亡霊に渡す。みんなが去った後、生まれるはずだった子供と女房を亡くした寛太郎は向こう側に入り戸を閉めた。そして隠居屋は燃やされた。
名主たちは、領主・旗本・堀越の所へ行ってこの話をつぎにさせるつもりだ。ちかは私が代わりに行く。主・伊兵衛は碁相手だからと言い、つぎが行かなくて良いようにする。
食客ひだる神 だるま屋さんの仕出し料理屋のお弁当は人気がある。桜の時期が終わると、秋の紅葉狩の頃まで店を閉める。だるま屋の主・房五郎が黒白の間に来た。ちかが夏場に店を閉める理由が知りたくて招いた。
15才で江戸に出てきて五年、辛抱した仕出屋を飛び出し親切にしてくれた蒲焼き屋に世話になり煮売りやをしていた孫娘と一緒になった。25才の時、実家の母親が病気と聞いて搗根(とうがね)藩に帰った。江戸への帰り道で、ひだる神に会い、憑いて来てしまった。ひだる神は何をするわけでもないがよく食べる。煮売りやから弁当屋になった時も、裏店から表だなに変わった時も、客を連れてきたのはひだる神だった。家が傾く、隙間ができる。理由はひだる神が太り過ぎて重すぎ家が傾いていたのだった。ひだる神のために休むようになった。47才、父親が病みついたという事で実家に帰る。父親の葬儀を出し、帰る途中。ひだる神に話しかけてもいなくなっていた。
房五郎は江戸の店を弟子に任せ、ひだる神の近くに店をだすかも
三鬼 改易された栗山藩の江戸家老をしていた・村井清左衛門が黒白の間の語り手として来る。清左衛門の若い頃の話。
清左衛門は小納戸役六十石だった。妹が藩の上層部、役方の次男、三男の三人に非道なことをされた。清左衛門は許せず、果たし合いの形で一人を斬り、二人は逃げた。切腹を師範に止められ、罰として洞ケ森村の山番士を三年勤めることになった。三年勤めれば、村井家は再興、お納戸役として戻れるという。須加利三郎といっしょになった。利三郎は砲術隊の隊員だった。
洞ケ森村は、山は険しく、気候も厳しい、夏は旱、冬は大雪、生きるに厳しい、労力の無駄な所だった。清左衛門は上の村で過ごし、大雨の時、気安くなった兄弟の兄が泥水に流され生きてはいたが、怪我がひどく、医者を呼びに村に降りようと思った時、何者か判らない者が現れ、けが人を殺したとわからないように殺したと感じた。清左衛門は何者か分からない者を見た。この世の者ではないほど早い走りで逃げた。利三郎は下の村で暮らし、姉妹の妹と夫婦のように暮らし、子供が出来た。産後の肥立ちが悪く、母親は寝たきり、子供も弱い。やはり、何者か判らない者が現れ二人を殺したようだ。間引きだ。二十六年前から村長が自分がやるつもりで行くともう誰かが終わらせていた、という。二人は村長に頼み鬼を呼び寄せる。鉄砲で撃つ。誰もいなかった。着物と編み笠だけが残った。雪崩が起こる。二人は助け出される。三年経ってないが、二人は山の実情を訴えに行く。筆頭家老が殿と共に話を聞き、山の村の者を呼び戻した。清左衛門は小納戸役となった。江戸家老に呼ばれ江戸に出府。藩を離れた利三郎は清左衛門の妹と一緒になって江戸で砲術指南所をしている。
清左衛門は切腹した。介錯は利三郎だったようだ。
おくらさま おくらさまの話をしに来た梅婆様がいた。香具屋の美仙堂にはおくらさまがいた。蔵座敷で常香盤のお香を絶やさずたき続ける。姉妹で順に替える。おくらさまが店を守ってくれる。火事で廻りが焼けたが美仙堂は守られた。その代わりに三姉妹のうち一人が蔵に閉じこもらなければならない。次のおくらさまになる。菊が選ばれ蔵に閉じこもる。
藤が跡取りとなった。話が終わると梅が消えた。
三島屋の次男・富次郎21才が奉公先の木綿問屋「恵比寿屋」で奉公人の喧嘩仲裁をして頭を打ち意識不明になった。気がついても起られず、やっと動けるようになって、三島屋に帰ってきた。
貸本屋・《ひょうたんこ・どう》の若旦那・勘一と富次郎とに助けられ、美仙堂を探し、梅を見付ける。美仙堂は三十年前に燃えていた。梅以外の家族は死んでいた。梅ももう眠っていた。ちかが話の礼を言う。梅の魂が三島屋に来ていたようだ。梅はちかに家に閉じこもっているとおくらさまになるよ。と言い残して亡くなる。
深考塾の青野利一郎が国許に帰ることになった。国許で用達下役をしている朋友・木下源吾が病に侵された。母親、妻、子供が四人いる。一番下の男の子が三才。源吾は利一朗の許嫁の従兄弟だった。利一郎は木下家に養子に入ることになった。
己の人生の道筋を変えようとしています。それが正しいと思うから。あなたにも訪れるその時には躊躇わず、黒白の間から踏み出して下さい。という言葉を残して旅立った。
迷いの旅籠 鶴見川の北、小森村のつぎという13才の子供が三島屋の黒白の間の語り手としてやってきた。
領主の子供が亡くなったため立春の前日に行う行灯祭りが禁止された。行灯祭りは冬の間眠っている田圃の神様・あかり様に目を覚まして頂くためのお祭りで、あかり様が目を覚まさなければ凶作になるという。
名主の客・絵師・岩井石丈(与之助)の発案で小森神社の脇の名主の父親の隠居屋を大きな行灯に見立てようということになった。壁を壊し、障子をはり、絵を描く。大行灯に火が灯った。息子の親不孝を詰る名主の父親が現れる。つぎの兄・一平の許嫁・なつが現れる。死んだ人が現れる。代わりに関係者が一人意識不明になる。あの世からの道が開いた。大行灯を燃やそうという。絵師は通行手形を書き、現れた亡霊に渡す。みんなが去った後、生まれるはずだった子供と女房を亡くした寛太郎は向こう側に入り戸を閉めた。そして隠居屋は燃やされた。
名主たちは、領主・旗本・堀越の所へ行ってこの話をつぎにさせるつもりだ。ちかは私が代わりに行く。主・伊兵衛は碁相手だからと言い、つぎが行かなくて良いようにする。
食客ひだる神 だるま屋さんの仕出し料理屋のお弁当は人気がある。桜の時期が終わると、秋の紅葉狩の頃まで店を閉める。だるま屋の主・房五郎が黒白の間に来た。ちかが夏場に店を閉める理由が知りたくて招いた。
15才で江戸に出てきて五年、辛抱した仕出屋を飛び出し親切にしてくれた蒲焼き屋に世話になり煮売りやをしていた孫娘と一緒になった。25才の時、実家の母親が病気と聞いて搗根(とうがね)藩に帰った。江戸への帰り道で、ひだる神に会い、憑いて来てしまった。ひだる神は何をするわけでもないがよく食べる。煮売りやから弁当屋になった時も、裏店から表だなに変わった時も、客を連れてきたのはひだる神だった。家が傾く、隙間ができる。理由はひだる神が太り過ぎて重すぎ家が傾いていたのだった。ひだる神のために休むようになった。47才、父親が病みついたという事で実家に帰る。父親の葬儀を出し、帰る途中。ひだる神に話しかけてもいなくなっていた。
房五郎は江戸の店を弟子に任せ、ひだる神の近くに店をだすかも
三鬼 改易された栗山藩の江戸家老をしていた・村井清左衛門が黒白の間の語り手として来る。清左衛門の若い頃の話。
清左衛門は小納戸役六十石だった。妹が藩の上層部、役方の次男、三男の三人に非道なことをされた。清左衛門は許せず、果たし合いの形で一人を斬り、二人は逃げた。切腹を師範に止められ、罰として洞ケ森村の山番士を三年勤めることになった。三年勤めれば、村井家は再興、お納戸役として戻れるという。須加利三郎といっしょになった。利三郎は砲術隊の隊員だった。
洞ケ森村は、山は険しく、気候も厳しい、夏は旱、冬は大雪、生きるに厳しい、労力の無駄な所だった。清左衛門は上の村で過ごし、大雨の時、気安くなった兄弟の兄が泥水に流され生きてはいたが、怪我がひどく、医者を呼びに村に降りようと思った時、何者か判らない者が現れ、けが人を殺したとわからないように殺したと感じた。清左衛門は何者か分からない者を見た。この世の者ではないほど早い走りで逃げた。利三郎は下の村で暮らし、姉妹の妹と夫婦のように暮らし、子供が出来た。産後の肥立ちが悪く、母親は寝たきり、子供も弱い。やはり、何者か判らない者が現れ二人を殺したようだ。間引きだ。二十六年前から村長が自分がやるつもりで行くともう誰かが終わらせていた、という。二人は村長に頼み鬼を呼び寄せる。鉄砲で撃つ。誰もいなかった。着物と編み笠だけが残った。雪崩が起こる。二人は助け出される。三年経ってないが、二人は山の実情を訴えに行く。筆頭家老が殿と共に話を聞き、山の村の者を呼び戻した。清左衛門は小納戸役となった。江戸家老に呼ばれ江戸に出府。藩を離れた利三郎は清左衛門の妹と一緒になって江戸で砲術指南所をしている。
清左衛門は切腹した。介錯は利三郎だったようだ。
おくらさま おくらさまの話をしに来た梅婆様がいた。香具屋の美仙堂にはおくらさまがいた。蔵座敷で常香盤のお香を絶やさずたき続ける。姉妹で順に替える。おくらさまが店を守ってくれる。火事で廻りが焼けたが美仙堂は守られた。その代わりに三姉妹のうち一人が蔵に閉じこもらなければならない。次のおくらさまになる。菊が選ばれ蔵に閉じこもる。
藤が跡取りとなった。話が終わると梅が消えた。
三島屋の次男・富次郎21才が奉公先の木綿問屋「恵比寿屋」で奉公人の喧嘩仲裁をして頭を打ち意識不明になった。気がついても起られず、やっと動けるようになって、三島屋に帰ってきた。
貸本屋・《ひょうたんこ・どう》の若旦那・勘一と富次郎とに助けられ、美仙堂を探し、梅を見付ける。美仙堂は三十年前に燃えていた。梅以外の家族は死んでいた。梅ももう眠っていた。ちかが話の礼を言う。梅の魂が三島屋に来ていたようだ。梅はちかに家に閉じこもっているとおくらさまになるよ。と言い残して亡くなる。
深考塾の青野利一郎が国許に帰ることになった。国許で用達下役をしている朋友・木下源吾が病に侵された。母親、妻、子供が四人いる。一番下の男の子が三才。源吾は利一朗の許嫁の従兄弟だった。利一郎は木下家に養子に入ることになった。
己の人生の道筋を変えようとしています。それが正しいと思うから。あなたにも訪れるその時には躊躇わず、黒白の間から踏み出して下さい。という言葉を残して旅立った。
2017年4月23日日曜日
親鸞 完結編上下
親鸞 完結編上下 五木寛之
親鸞は京に帰ってきた。葛山犬麻呂から西洞院の住居を提供して貰って住んでいる。犬麻呂は亡くなり申丸が後を継いでいた。
親鸞は末娘・覚信と弟子・唯円と暮らし、「顕浄土真実教行証文類」略して「教行信証」に手を入れている。
申丸は覚蓮坊と繋がっていた。覚蓮坊は良禅と名乗り親鸞と同時期に比叡山にいた。慈円を尊び親鸞を目の敵にした。親鸞の息子・善鸞を使い、「教行信証」を持ち出させる。覚蓮坊は親鸞を罪に問うための証拠にするつもりだった。印地党の責めにあい覚蓮坊の船岡山の屋敷が燃える。覚蓮坊は文章を火の中に投げ込む。善鸞は火傷を負いながら親鸞の文章を守った。
宋から来たという竜夫人が寺を建てる。竜夫人は鹿野だった。斬首された安楽房遵西を偲ぶために遵念寺を建てた。鹿野から出生を聞いた申丸は覚蓮坊から離れた。店も財産を手放した。申丸の父親は飛礫の弥七だった。
親鸞は83才で火事にあい、親鸞の弟・尋有の里坊・善法院に移る。
善鸞は妻・涼と息子・如信と三人で東国に行った。聞こえて来るのは親鸞の意に沿わぬ事ばかりで念仏者の勢力争いに利用されていた。唯円が東国へ行く。84才の時、親鸞は善鸞を義絶した。その後、妙禅房とは手を切り常陸の北の方を廻った。如信が助けていた。
竜夫人が宋に帰る。長次と申麻呂も同行する。常吉は遵念寺を守るために残った。嵯峨野の遵念寺が覚蓮坊の付け火のため焼けた。常吉と覚蓮坊が亡くなった。
88才、親鸞の所に如信と唯円が東国から来る。
90才、十一月二十八日息絶えた。
親鸞は京に帰ってきた。葛山犬麻呂から西洞院の住居を提供して貰って住んでいる。犬麻呂は亡くなり申丸が後を継いでいた。
親鸞は末娘・覚信と弟子・唯円と暮らし、「顕浄土真実教行証文類」略して「教行信証」に手を入れている。
申丸は覚蓮坊と繋がっていた。覚蓮坊は良禅と名乗り親鸞と同時期に比叡山にいた。慈円を尊び親鸞を目の敵にした。親鸞の息子・善鸞を使い、「教行信証」を持ち出させる。覚蓮坊は親鸞を罪に問うための証拠にするつもりだった。印地党の責めにあい覚蓮坊の船岡山の屋敷が燃える。覚蓮坊は文章を火の中に投げ込む。善鸞は火傷を負いながら親鸞の文章を守った。
宋から来たという竜夫人が寺を建てる。竜夫人は鹿野だった。斬首された安楽房遵西を偲ぶために遵念寺を建てた。鹿野から出生を聞いた申丸は覚蓮坊から離れた。店も財産を手放した。申丸の父親は飛礫の弥七だった。
親鸞は83才で火事にあい、親鸞の弟・尋有の里坊・善法院に移る。
善鸞は妻・涼と息子・如信と三人で東国に行った。聞こえて来るのは親鸞の意に沿わぬ事ばかりで念仏者の勢力争いに利用されていた。唯円が東国へ行く。84才の時、親鸞は善鸞を義絶した。その後、妙禅房とは手を切り常陸の北の方を廻った。如信が助けていた。
竜夫人が宋に帰る。長次と申麻呂も同行する。常吉は遵念寺を守るために残った。嵯峨野の遵念寺が覚蓮坊の付け火のため焼けた。常吉と覚蓮坊が亡くなった。
88才、親鸞の所に如信と唯円が東国から来る。
90才、十一月二十八日息絶えた。
2017年4月19日水曜日
芦田川
芦田川 今井絵美子
千歳40才、17年前に結婚し念願の川向こうの高台にマイホームを建てた。
千歳15才の時に生まれた妹、千歳が母親のように世話をした妹・ユキが一緒に住むようになった。
母・登勢が、胃がんで亡くなった父を看取った競馬の騎手・井上大一と結婚する。
ユキが妊娠する。相手は千歳の夫・信幸だが、誰にも言わない。
今まで子供が出来なかった千歳も妊娠する。千歳の妊娠にユキはショックを受ける。ユキは千歳の家を出て一人暮らしを始める。
ユキが自殺する。
千歳は産後、身体を壊し五ヶ月入院する。信幸は子供に幸と名付け片時も離さない。千歳に懐かない。
登勢が乳がんで亡くなる。
信幸は千歳と目を合わせようとしない。仏壇にユキの写真をこっそり飾り毎日拝んでいる。千歳は、幸を抱いて寝ている信幸の腕が幸の口を塞いでいるのを見て、自分の中の夜叉を意識した。
この二人はこれからどうなるのだろう。
千歳40才、17年前に結婚し念願の川向こうの高台にマイホームを建てた。
千歳15才の時に生まれた妹、千歳が母親のように世話をした妹・ユキが一緒に住むようになった。
母・登勢が、胃がんで亡くなった父を看取った競馬の騎手・井上大一と結婚する。
ユキが妊娠する。相手は千歳の夫・信幸だが、誰にも言わない。
今まで子供が出来なかった千歳も妊娠する。千歳の妊娠にユキはショックを受ける。ユキは千歳の家を出て一人暮らしを始める。
ユキが自殺する。
千歳は産後、身体を壊し五ヶ月入院する。信幸は子供に幸と名付け片時も離さない。千歳に懐かない。
登勢が乳がんで亡くなる。
信幸は千歳と目を合わせようとしない。仏壇にユキの写真をこっそり飾り毎日拝んでいる。千歳は、幸を抱いて寝ている信幸の腕が幸の口を塞いでいるのを見て、自分の中の夜叉を意識した。
この二人はこれからどうなるのだろう。
2017年4月18日火曜日
八丁堀吟味役「鬼彦組」⑪
八丁堀吟味役「鬼彦組」⑪ 顔なし勘兵衛 完 鳥羽亮
自ら捜査にあたる与力・彦坂新十郎。彼のもとに同心が集い、協力して事件を解決する。彦坂組、またの名を「鬼彦組」という。
辻斬りに見せかけた廻船問屋「黒田屋」の殺しを調べて行くうち、誰も顔を見たことがない勘兵衛を頭とする殺し屋が存在することが判った。定町廻り同心・倉田佐乃助、根津彦兵衛、利根崎新八等も命を狙われる。新十郎を付ける者がいるのを見た倉田の妹・きくは新十郎に知らせるために付いて行き新十郎に駆け寄り斬られる。新十郎はきくと一緒になることを決意する。新十郎も手傷を負うが応援があったため敵は逃げた。
勘兵衛の隠れ家をつき止め捕縛する。勘兵衛に殺しを頼んだ者、勘兵衛たちが殺した事を知っていた者も捕まった。
新十郎は倉田にきくを嫁に迎えたいという。倉田も異存ないと答えた。
自ら捜査にあたる与力・彦坂新十郎。彼のもとに同心が集い、協力して事件を解決する。彦坂組、またの名を「鬼彦組」という。
辻斬りに見せかけた廻船問屋「黒田屋」の殺しを調べて行くうち、誰も顔を見たことがない勘兵衛を頭とする殺し屋が存在することが判った。定町廻り同心・倉田佐乃助、根津彦兵衛、利根崎新八等も命を狙われる。新十郎を付ける者がいるのを見た倉田の妹・きくは新十郎に知らせるために付いて行き新十郎に駆け寄り斬られる。新十郎はきくと一緒になることを決意する。新十郎も手傷を負うが応援があったため敵は逃げた。
勘兵衛の隠れ家をつき止め捕縛する。勘兵衛に殺しを頼んだ者、勘兵衛たちが殺した事を知っていた者も捕まった。
新十郎は倉田にきくを嫁に迎えたいという。倉田も異存ないと答えた。
2017年4月17日月曜日
結城半蔵事件始末〈一〉
結城半蔵事件始末〈一〉 不忠者 藤井邦夫
南町奉行所吟味方与力・結城半蔵 二百石旗本 妻・花絵二年前に死亡 息子・一之進15才 娘・佐奈子13才 下男・卯之吉
切れ者 定町廻り同心・横山総一郎と物書同心・工藤敬之助が殺された。二人が会っていた芸者・小柴も殺されて見付かった。南町奉行・池田能登守は目付時に働き目覚ましく異例の出世をした。氷室精一郎の父の代は千五百石書院番組頭だったが、妻の役者遊び、嫡男の放蕩を暴かれ、妻と嫡男を成敗し、切腹した。精一郎は二百石の家督を継いだ。精一郎は能登守を恨み、南町奉行所の門に火を着けたり、小柴を使い同心から奉行の情報を得ていた。老中・松平和泉守邸から帰る途中浪人を集めた氷室に襲われる。能登守を殺すことには失敗したが、能登守に責めは及ぶと聞き切腹した。能登守も切腹した。
不忠者 半蔵は若侍四人に襲われている老武士を助けた。上関藩江戸留守居役・遠藤頼母だった。身体の弱い嫡男と国表にいる次男との世継ぎ争いが起こっていた。若侍は殿の命で嫡男派の遠藤を殺しに来ていた。江戸家老は若侍を成敗した。藩主は隠居し、嫡子が家督を譲られた。責めを負い江戸家老は切腹した。誰が忠で誰が不忠なのか。
密告者 定町廻り同心・高村源吾は「夜烏の仁兵衛が今夜日本橋呉服屋越乃屋に押込む」という結び文を貰った。盗賊を捕らえたが、頭の仁兵衛はいなく、小頭の百足の軍事だった。また同じ越乃屋に押込むという結び文を貰う。半蔵は、昔、犯さず殺さず気付かれづに忍び込みお金を盗む土蜘蛛の五郎蔵を捕まえた時、女房子供を世間から隠し逃がしてやったことがあった。その子供が清吉、現在仁兵衛の船頭をしていた。清吉は盗賊仲間から抜けたかった。半蔵を頼り密告者となった。半蔵は仁兵衛を捕まえる寸前、刃引きの刀で清吉を斬り、川に突き落とす。卯之吉が川から引き上げそのまま品川まで行き、女と合流した清吉を逃がした。清吉は死んだことになった。盗賊はみんな捕まった。
南町奉行所吟味方与力・結城半蔵 二百石旗本 妻・花絵二年前に死亡 息子・一之進15才 娘・佐奈子13才 下男・卯之吉
切れ者 定町廻り同心・横山総一郎と物書同心・工藤敬之助が殺された。二人が会っていた芸者・小柴も殺されて見付かった。南町奉行・池田能登守は目付時に働き目覚ましく異例の出世をした。氷室精一郎の父の代は千五百石書院番組頭だったが、妻の役者遊び、嫡男の放蕩を暴かれ、妻と嫡男を成敗し、切腹した。精一郎は二百石の家督を継いだ。精一郎は能登守を恨み、南町奉行所の門に火を着けたり、小柴を使い同心から奉行の情報を得ていた。老中・松平和泉守邸から帰る途中浪人を集めた氷室に襲われる。能登守を殺すことには失敗したが、能登守に責めは及ぶと聞き切腹した。能登守も切腹した。
不忠者 半蔵は若侍四人に襲われている老武士を助けた。上関藩江戸留守居役・遠藤頼母だった。身体の弱い嫡男と国表にいる次男との世継ぎ争いが起こっていた。若侍は殿の命で嫡男派の遠藤を殺しに来ていた。江戸家老は若侍を成敗した。藩主は隠居し、嫡子が家督を譲られた。責めを負い江戸家老は切腹した。誰が忠で誰が不忠なのか。
密告者 定町廻り同心・高村源吾は「夜烏の仁兵衛が今夜日本橋呉服屋越乃屋に押込む」という結び文を貰った。盗賊を捕らえたが、頭の仁兵衛はいなく、小頭の百足の軍事だった。また同じ越乃屋に押込むという結び文を貰う。半蔵は、昔、犯さず殺さず気付かれづに忍び込みお金を盗む土蜘蛛の五郎蔵を捕まえた時、女房子供を世間から隠し逃がしてやったことがあった。その子供が清吉、現在仁兵衛の船頭をしていた。清吉は盗賊仲間から抜けたかった。半蔵を頼り密告者となった。半蔵は仁兵衛を捕まえる寸前、刃引きの刀で清吉を斬り、川に突き落とす。卯之吉が川から引き上げそのまま品川まで行き、女と合流した清吉を逃がした。清吉は死んだことになった。盗賊はみんな捕まった。
2017年4月16日日曜日
風烈廻り与力・青柳剣一郎㉟㊱
風烈廻り与力・青柳剣一郎㉟㊱ 破暁の道〈上・下〉 小杉健治
青柳剣一郎は悪質な金貸し妹尾別当を探る。妹尾との関係を家訓が語「甲州屋」を不思議に思う。
甲州屋の次男・周次郎は家訓が気に入らず店を出て暮らしている。女房・きみが失踪した。きみを探すため甲州へ向かう。途中命を狙われる。
小普請組非役の高岡弥之助22才は、小普請支配・及川辰右衛門の息子・辰之進と青柳剣一郎の娘・るいの縁組みを邪魔したことで気持ちを逆なでしたようになり、甲府勤番を命じられる。剣一郎は弥之助に文七28才を付けた。二人は甲府に行く途中、命を狙われている周次郎を助け弥之助の奉公人という形で弥之助の屋敷で暮らす。及川家とのことは甲府にも届いていたが、弥之助はもと甲府勤番御支配・旗本勝山家について調べるという密命を受ける。そのための甲府勤番だった。
十年前、武田家の隠し金を守っている組織が有ることを知ったのが、旗本・勝山と甲州屋の先代と甲府勤番・小瀬直次郎だった。金を資本に勝山家は裕福で不信をもたれ調べられることになった。小瀬直次郎はちょうど行き合わせた松の市を殺し、松の市になった。今は妹尾別当になっていた。
きみは武田家の隠し金を守る組織の仲間だった。きみを探し、先代の遺言のような言葉を頼りに探して行くうちに古い掘られなくなった金の坑道のある村に辿り着く。爆破させ隠し金は取り出されなくなった。
剣一郎が、妹尾別当の目が見えるのではないかと考え始めた。文七からの便りで弥之助の道場の師範代が小瀬直次郎の友人だと知らされ妹尾別当の正体が明らかになる。
弥之助が帰ってきた。
青柳剣一郎は悪質な金貸し妹尾別当を探る。妹尾との関係を家訓が語「甲州屋」を不思議に思う。
甲州屋の次男・周次郎は家訓が気に入らず店を出て暮らしている。女房・きみが失踪した。きみを探すため甲州へ向かう。途中命を狙われる。
小普請組非役の高岡弥之助22才は、小普請支配・及川辰右衛門の息子・辰之進と青柳剣一郎の娘・るいの縁組みを邪魔したことで気持ちを逆なでしたようになり、甲府勤番を命じられる。剣一郎は弥之助に文七28才を付けた。二人は甲府に行く途中、命を狙われている周次郎を助け弥之助の奉公人という形で弥之助の屋敷で暮らす。及川家とのことは甲府にも届いていたが、弥之助はもと甲府勤番御支配・旗本勝山家について調べるという密命を受ける。そのための甲府勤番だった。
十年前、武田家の隠し金を守っている組織が有ることを知ったのが、旗本・勝山と甲州屋の先代と甲府勤番・小瀬直次郎だった。金を資本に勝山家は裕福で不信をもたれ調べられることになった。小瀬直次郎はちょうど行き合わせた松の市を殺し、松の市になった。今は妹尾別当になっていた。
きみは武田家の隠し金を守る組織の仲間だった。きみを探し、先代の遺言のような言葉を頼りに探して行くうちに古い掘られなくなった金の坑道のある村に辿り着く。爆破させ隠し金は取り出されなくなった。
剣一郎が、妹尾別当の目が見えるのではないかと考え始めた。文七からの便りで弥之助の道場の師範代が小瀬直次郎の友人だと知らされ妹尾別当の正体が明らかになる。
弥之助が帰ってきた。
2017年4月15日土曜日
新・御宿かわせみ⑦ 青い服の女
新・御宿かわせみ⑦ 青い服の女 平岩弓枝
霧笛 かわせみに不信な夫婦が泊まった。河田貿易の社長夫妻と矢吹甲次郎と島田松代の四人だった。甲次郎は毎晩、自分の部屋ではない所で碁盤に向かっていた。
後日、入り婿だった社長・敏之助は妻・光子に薬を飲ませぐっすり寝て居る間に松代の部屋に通っていた。敏之助は松代と駆け落ちしようと言っていたが土壇場で拒否したため、松代はピストルで敏之助を撃ち、松代も自死したことが新聞に載った。
玄猪祭さわぎ 高木建設の娘・加津子が舟屋の息子・辰弥に嫁ぐ時に、高木家が五百両の持参金を持ってくるように言ったため縁談は壊れた。加津子が辰弥を見初めたはなしだったのに。加津子は源太郎の所に相談にきている。
麻太郎の縁談は進んでいるようだ。両親が一条家に正式んい決めてきたようだ。
去年今年 昔捨て子で角兵衛獅子だった男の子と女の子がかわせみで出会えた。男の子は角兵衛獅子の親方にも捨てられ、紬屋に拾われて今自分の店をもっている。
青い服の女 バーンズ先生の所に来ていた青い服の女は詐欺師だった。昔、堀留小町と言われた女を探して欲しいと源太郎に近づいたのは詐欺師夫婦の旦那だった。
二人女房 泊まっていた夫婦の所に本当の妻が来た。子供がいなくなったと思ったら妾さんが子供と遊んでいた。自分に懐いている子供だったが母親が現れると振り向きもせず走って行ってしまった。
安見家の三姉妹 大富豪の安見家の三姉妹が 麻太郎におかぼれしているという新聞記事がでた。
一条結子はまた留学したので、縁談は白紙にしてある。
かわせみの春が身ごもった。相手は新番頭。正吉にようだ。正吉は春を六浦まで送り、正吉は方月館で働くつもりで出て行った。もう帰らないのだろうか。
季節の花もたべものもたくさん出てきた。
霧笛 かわせみに不信な夫婦が泊まった。河田貿易の社長夫妻と矢吹甲次郎と島田松代の四人だった。甲次郎は毎晩、自分の部屋ではない所で碁盤に向かっていた。
後日、入り婿だった社長・敏之助は妻・光子に薬を飲ませぐっすり寝て居る間に松代の部屋に通っていた。敏之助は松代と駆け落ちしようと言っていたが土壇場で拒否したため、松代はピストルで敏之助を撃ち、松代も自死したことが新聞に載った。
玄猪祭さわぎ 高木建設の娘・加津子が舟屋の息子・辰弥に嫁ぐ時に、高木家が五百両の持参金を持ってくるように言ったため縁談は壊れた。加津子が辰弥を見初めたはなしだったのに。加津子は源太郎の所に相談にきている。
麻太郎の縁談は進んでいるようだ。両親が一条家に正式んい決めてきたようだ。
去年今年 昔捨て子で角兵衛獅子だった男の子と女の子がかわせみで出会えた。男の子は角兵衛獅子の親方にも捨てられ、紬屋に拾われて今自分の店をもっている。
青い服の女 バーンズ先生の所に来ていた青い服の女は詐欺師だった。昔、堀留小町と言われた女を探して欲しいと源太郎に近づいたのは詐欺師夫婦の旦那だった。
二人女房 泊まっていた夫婦の所に本当の妻が来た。子供がいなくなったと思ったら妾さんが子供と遊んでいた。自分に懐いている子供だったが母親が現れると振り向きもせず走って行ってしまった。
安見家の三姉妹 大富豪の安見家の三姉妹が 麻太郎におかぼれしているという新聞記事がでた。
一条結子はまた留学したので、縁談は白紙にしてある。
かわせみの春が身ごもった。相手は新番頭。正吉にようだ。正吉は春を六浦まで送り、正吉は方月館で働くつもりで出て行った。もう帰らないのだろうか。
季節の花もたべものもたくさん出てきた。
2017年4月14日金曜日
百万石の留守居役〈八〉 参勤
百万石の留守居役〈八〉 参勤 上田秀人
参勤留守居役に選ばれた瀬能数馬はもと留守居で隠居している篠田角有無斎に教えを請い、旅の仕度をしていた。もと加賀藩留守居役から老中堀田家の留守居役になっている小沢が、佐奈の顔に傷つけることを頼んだ殺し屋に狙われていた。小沢から離れ、数馬、家士・石動庫之介、佐奈に傷つけられた仕返ししか考えていなかった。新武田二十四将と呼んだ。
老中堀田備中守と前だ綱紀が溜で密会した。寛永寺の家綱の墓所のお手伝い普請と、綱紀の子供と継室の話し。堀田家は小沢を放逐する。
加賀藩の参勤行列が江戸を出発する。高藤鳥居家が姫を加賀に嫁がせたく思い、会わせようと姫を綱紀の泊まる予定の追分の本陣へ先に行かせた。昼の段階で本陣に鳥居の姫がいることを知った数馬は、綱紀と相談し、追分の本陣の泊まる予定の看板を下ろさせ、軽井沢でゆっくり休み、人数を減らし、夜旅をかける。鳥居家が気付いた時には追分を通り過ぎていた。
参勤留守居役に選ばれた瀬能数馬はもと留守居で隠居している篠田角有無斎に教えを請い、旅の仕度をしていた。もと加賀藩留守居役から老中堀田家の留守居役になっている小沢が、佐奈の顔に傷つけることを頼んだ殺し屋に狙われていた。小沢から離れ、数馬、家士・石動庫之介、佐奈に傷つけられた仕返ししか考えていなかった。新武田二十四将と呼んだ。
老中堀田備中守と前だ綱紀が溜で密会した。寛永寺の家綱の墓所のお手伝い普請と、綱紀の子供と継室の話し。堀田家は小沢を放逐する。
加賀藩の参勤行列が江戸を出発する。高藤鳥居家が姫を加賀に嫁がせたく思い、会わせようと姫を綱紀の泊まる予定の追分の本陣へ先に行かせた。昼の段階で本陣に鳥居の姫がいることを知った数馬は、綱紀と相談し、追分の本陣の泊まる予定の看板を下ろさせ、軽井沢でゆっくり休み、人数を減らし、夜旅をかける。鳥居家が気付いた時には追分を通り過ぎていた。
2017年4月13日木曜日
2017年4月12日水曜日
大江戸木戸番始末〈四〉
大江戸木戸番始末〈四〉 狂言潰し 喜安幸夫
天保八年 1837年 八月 杢之助江戸に戻って五ヶ月
木戸番・杢之助は米沢町三丁目の肥前屋の主人が、矢場女・駒を妾にして囲ったことを知った。駒の後ろに、やくざな店頭・鎌五郎が付いていることをしる。危ない危ない、米沢町に町役人が入ってくる。入ってくる前に治めようと思ったが、主人を諌めていた番頭が掘割にはまって亡くなった。飲んで酔っぱらった挙げ句ということになった。杢之助の見立ては鎌五郎の子分による殺しだった。
駒にお金をつぎ込み店にお金が無くなった肥前屋は駒五郎の手下を使って狂言泥棒をする。盗賊に八百両をとられたと嘯く。
内儀・篠が出かける。実家に行くようだ。尾行する鎌五郎の子分たち三人。それを尾行する杢之助。杢之助は子分たちが何をする気か分からない。橋の上で子分は動いた。女中に悪さを仕掛けた隙に、一人が篠を突き落とす。杢之助は一人の首の骨を折り橋から突き落とす。帰り道で二人を殺す。篠は死体で見付かった。駒の所にいる主人を呼びに行く新番頭・佐市に、鎌五郎の子分におかみさんが殺されたと言わす。
鎌五郎はいなくなった女将の代わりに駒を肥前屋に入れ、主人も殺し、鎌五郎が肥前屋に入るつもりだった。鎌五郎の子分と言われた駒は鎌五郎の元に走る。手下が帰らないので何も分からない駒五郎は肥前屋に行く、途中、杢之助に殺され川に流される。
鎌五郎一家はいなくなり、駒を姿を消した。肥前屋は息子が修業から帰り後を継ぎ、旦那は隠居した。
天保八年 1837年 八月 杢之助江戸に戻って五ヶ月
木戸番・杢之助は米沢町三丁目の肥前屋の主人が、矢場女・駒を妾にして囲ったことを知った。駒の後ろに、やくざな店頭・鎌五郎が付いていることをしる。危ない危ない、米沢町に町役人が入ってくる。入ってくる前に治めようと思ったが、主人を諌めていた番頭が掘割にはまって亡くなった。飲んで酔っぱらった挙げ句ということになった。杢之助の見立ては鎌五郎の子分による殺しだった。
駒にお金をつぎ込み店にお金が無くなった肥前屋は駒五郎の手下を使って狂言泥棒をする。盗賊に八百両をとられたと嘯く。
内儀・篠が出かける。実家に行くようだ。尾行する鎌五郎の子分たち三人。それを尾行する杢之助。杢之助は子分たちが何をする気か分からない。橋の上で子分は動いた。女中に悪さを仕掛けた隙に、一人が篠を突き落とす。杢之助は一人の首の骨を折り橋から突き落とす。帰り道で二人を殺す。篠は死体で見付かった。駒の所にいる主人を呼びに行く新番頭・佐市に、鎌五郎の子分におかみさんが殺されたと言わす。
鎌五郎はいなくなった女将の代わりに駒を肥前屋に入れ、主人も殺し、鎌五郎が肥前屋に入るつもりだった。鎌五郎の子分と言われた駒は鎌五郎の元に走る。手下が帰らないので何も分からない駒五郎は肥前屋に行く、途中、杢之助に殺され川に流される。
鎌五郎一家はいなくなり、駒を姿を消した。肥前屋は息子が修業から帰り後を継ぎ、旦那は隠居した。
2017年4月11日火曜日
京の縁結び 縁見屋の娘
京の縁結び 縁見屋の娘 三好昌子
「縁見屋の娘は祟付き。男を産まず二十六歳で死ぬ。」と噂される。母も祖母も二十六歳で突然亡くなっている。縁見屋の娘・輪は行く末を案じていた。修行者・帰燕が現れる。「火伏堂」の堂守になった。輪には幼友達・徳次がいた。徳次が堂の修理をしていて、天狗の秘図と千賀女の遺髪を見付ける。
五代前、縁見屋は材木商「岩倉屋」だった。当主・庄右衛門が愛宕山で道に迷ったとき、天狗に貰った秘図のおかげで家に辿り着いた。お礼に息子・長松を要求され、一緒に住んでいた千賀の子を天狗の所に連れていった。千賀は子供を失った悲しみで、何も食べられなくなり亡くなった。二十六才だった。長松も直ぐに亡くなり、娘も二十六才で死ぬ。この後、岩倉屋は店を閉め、火伏堂を建て、口入れ屋「縁見屋」をはじめた。輪の祖父・孫平が口伝えを覚書に残していた。千賀の呪縛か祟か。縁見屋には男も子が産まれず、娘は二十六才で亡くなっていた。
火伏堂の地下には岩倉屋の財産が隠してあった。地下道は愛宕社の古井戸に繋がっていることを輪は知る。天狗は人の身体を借りないと現れられない。死の近い長松ならという天狗の思いがあった。帰燕は千賀の息子・清太郎だった。が、旅の途中で会ったこのままでは死ねないという男の身体に移った。男は葛原騏一郎だった。騏一郎は刺客を待っていた。公金不正流用の罪に問われた騏一郎は逃げ、追っ手は妻の弟・島村冬吾だった。島村冬吾は縁見屋の客だった。帰燕は冬吾に仕事が終われば必ず相手をすると言い、その前に、葛原は逃げようとしていなかった。何かを調べていた。一本明かりの祠に何かを隠しているようです。それを調べて下さいという。
輪は帰燕から来年正月大火事がおこることを聞く。輪も夢を見る。火事は堀川を超えていた。火事のエネルギーで千賀に清太郎を返し、千賀の呪縛も解く事が出来る。という。
輪は徳次と祝言を挙げ、徳次に秘密の通路の話をする。火事になれば助けて貰わねばならない。家の体切な物を暮れの大掃除に見せかけ火伏堂に移す。正月半ば島村が来る。三人で出来るだけ多くの人を逃す相談。いつ起こるか判らない。火付けと言われても困る。
火伏堂が真っ赤になった日、知り合い近所の者に火事が起ると帰燕が言っていると触れ回り、どこへ逃げよと指示する。帰燕を知っている者は家財道具を持って逃げる。
正月三十日の朝から、二月二日まで燃え続けた。輪は帰燕に助けられたが、気がついた時帰燕では無く葛原になっていた。島村は一本明かりの祠からとり出した帳簿で先代・直好公の側近・用人頭・北畠玄尚の蔵米流用が発覚し切腹、葛原の名誉は回復し、家督も安泰した。と話した。
縁見屋は岩倉屋の隠し財産を、縁見屋んの再建と町内のために使った。輪は覚えて待っていれば、どのような姿になっても、必ず戻ると言った帰燕の言葉を信じている。次の夏の終わり、燕が庭に来た。翌朝、死んでいる燕を見付けた。翌朝、輪は男の子を産んだ。
「縁見屋の娘は祟付き。男を産まず二十六歳で死ぬ。」と噂される。母も祖母も二十六歳で突然亡くなっている。縁見屋の娘・輪は行く末を案じていた。修行者・帰燕が現れる。「火伏堂」の堂守になった。輪には幼友達・徳次がいた。徳次が堂の修理をしていて、天狗の秘図と千賀女の遺髪を見付ける。
五代前、縁見屋は材木商「岩倉屋」だった。当主・庄右衛門が愛宕山で道に迷ったとき、天狗に貰った秘図のおかげで家に辿り着いた。お礼に息子・長松を要求され、一緒に住んでいた千賀の子を天狗の所に連れていった。千賀は子供を失った悲しみで、何も食べられなくなり亡くなった。二十六才だった。長松も直ぐに亡くなり、娘も二十六才で死ぬ。この後、岩倉屋は店を閉め、火伏堂を建て、口入れ屋「縁見屋」をはじめた。輪の祖父・孫平が口伝えを覚書に残していた。千賀の呪縛か祟か。縁見屋には男も子が産まれず、娘は二十六才で亡くなっていた。
火伏堂の地下には岩倉屋の財産が隠してあった。地下道は愛宕社の古井戸に繋がっていることを輪は知る。天狗は人の身体を借りないと現れられない。死の近い長松ならという天狗の思いがあった。帰燕は千賀の息子・清太郎だった。が、旅の途中で会ったこのままでは死ねないという男の身体に移った。男は葛原騏一郎だった。騏一郎は刺客を待っていた。公金不正流用の罪に問われた騏一郎は逃げ、追っ手は妻の弟・島村冬吾だった。島村冬吾は縁見屋の客だった。帰燕は冬吾に仕事が終われば必ず相手をすると言い、その前に、葛原は逃げようとしていなかった。何かを調べていた。一本明かりの祠に何かを隠しているようです。それを調べて下さいという。
輪は帰燕から来年正月大火事がおこることを聞く。輪も夢を見る。火事は堀川を超えていた。火事のエネルギーで千賀に清太郎を返し、千賀の呪縛も解く事が出来る。という。
輪は徳次と祝言を挙げ、徳次に秘密の通路の話をする。火事になれば助けて貰わねばならない。家の体切な物を暮れの大掃除に見せかけ火伏堂に移す。正月半ば島村が来る。三人で出来るだけ多くの人を逃す相談。いつ起こるか判らない。火付けと言われても困る。
火伏堂が真っ赤になった日、知り合い近所の者に火事が起ると帰燕が言っていると触れ回り、どこへ逃げよと指示する。帰燕を知っている者は家財道具を持って逃げる。
正月三十日の朝から、二月二日まで燃え続けた。輪は帰燕に助けられたが、気がついた時帰燕では無く葛原になっていた。島村は一本明かりの祠からとり出した帳簿で先代・直好公の側近・用人頭・北畠玄尚の蔵米流用が発覚し切腹、葛原の名誉は回復し、家督も安泰した。と話した。
縁見屋は岩倉屋の隠し財産を、縁見屋んの再建と町内のために使った。輪は覚えて待っていれば、どのような姿になっても、必ず戻ると言った帰燕の言葉を信じている。次の夏の終わり、燕が庭に来た。翌朝、死んでいる燕を見付けた。翌朝、輪は男の子を産んだ。
2017年4月10日月曜日
町奉行日記〈下〉
町奉行日記〈下〉 山本周五郎
修業奇譚 河津小弥太が伊勢と婚約したのは五年前だが、伊勢の父親から婚約解消を言われた。小弥太は納得しない。小弥太は不愉快だと即座に暴力に及ぶ。感情の抑制が効かないようだ。小弥太は出会った剣術の神といわれる一無斎のところに修業に行くことにした。大峰山系の中で薪割り、炭焼き、炊事、洗濯、里への買い出し、肩もみ、炭俵を編み、縄、蓆、草鞋を作る。一月経った。急流に魚をつかみに行き死にかけた。落とし穴に嵌まった。丸太が倒れてきた。火薬が爆発した。上から石が転げてきた。五寸釘を踏み抜いた。毒木の実を食べさせられた。小弥太は家に帰った。乱暴をしなくなった。伊勢と祝言を挙げた。山の六助が炭の注文を取りに来た。一無斎だった。
法師川八景 つぢは久野豊四郎の子供を身ごもった。法師峡で忍んで会っていた。豊四郎は母に話すと言った。つぢには佐藤又兵衛という許嫁がいた。豊四郎の友達だった。豊四郎は落馬して亡くなった。つぢは久野家に行き子供の事を話すが、聞いていないし、信用出来ないと言われる。つぢは父母に身ごもったことを伝えたが、相手の名前は言わなかった。法師川の見える笈川村の父の乳母の里に隠れ住んだ。又兵衛が来た。時々来ると言って帰る。月に一回ほど訪れる。子供に吉松と名付けた。久野がつぢを迎えに来た。つぢがどんな人か試していたと言う。又兵衛が報告していた。久野の娘として一年もいてくれればいい。という。
町奉行日記 江戸から新任の奉行が来る。望月小平太26才。今年になって四人目の奉行だった。小弥太は和泉守信真から直に濠外の掃除を命令されていた。濠外は悪の巣窟になっていた抜荷、その売買、博打場、宿は遊廓、盗賊、喧嘩、殺傷、外部から手を出せないようになっていた。濠外の力が城中にも及んでいた。毒は広範囲に広がり、骨深く染みとおり毒されている当人も毒されていることに気付かない所まで来ている。
小弥太は根元の親方三人に、町人姿で接し、懐に入り込み三人の立ち退きを了承させた。家財を処理して立ち退いた。町人と城中の間を取り持ち私腹を肥やしていた者もあぶり出し、切腹に追い込んだ。四ヶ月の町奉行職がとかれた。一度も町奉行として出仕せずと奉行日記に記される。
霜柱 次永喜兵衛は廃屋になった次永家を再興し中老の娘・すみを娶る約束で、郡代支配という役についた。繁野兵庫の控屋敷に住んでいる。申し分無しの境遇だった。ただ、繁野兵庫が些細な誤りも見逃さない。助役や下役の思い違いや誤りまで喜兵衛を叱る。従兄弟が言う。「物事は始めが肝心と思ってのことだろう。またおまえを好いているということだ。」
兵庫には義十郎という息子がいた。一人息子で可愛がり我儘いっぱいに育ち、道楽が始まったら手が付けられなくなった。博打場で喧嘩し、八年前に勘当していた。息子の育て方を後悔して必要以上に厳しくしたのだろう。
義十郎が現れた、この家も許嫁のも自分のものだった。横取りするなら五十両持ってこいという。口でも喧嘩でも喜兵衛が勝ったが、義十郎が藩中を家老繁野兵庫の息子だと伸し歩くという言葉を聞いて、五十両を了承する。捨ててもいい刀を用意する。翌朝、八幡社で怪我をし、済ませてきた。自分の手でやりたかったと言う家老・繁野に会った。
修業奇譚 河津小弥太が伊勢と婚約したのは五年前だが、伊勢の父親から婚約解消を言われた。小弥太は納得しない。小弥太は不愉快だと即座に暴力に及ぶ。感情の抑制が効かないようだ。小弥太は出会った剣術の神といわれる一無斎のところに修業に行くことにした。大峰山系の中で薪割り、炭焼き、炊事、洗濯、里への買い出し、肩もみ、炭俵を編み、縄、蓆、草鞋を作る。一月経った。急流に魚をつかみに行き死にかけた。落とし穴に嵌まった。丸太が倒れてきた。火薬が爆発した。上から石が転げてきた。五寸釘を踏み抜いた。毒木の実を食べさせられた。小弥太は家に帰った。乱暴をしなくなった。伊勢と祝言を挙げた。山の六助が炭の注文を取りに来た。一無斎だった。
法師川八景 つぢは久野豊四郎の子供を身ごもった。法師峡で忍んで会っていた。豊四郎は母に話すと言った。つぢには佐藤又兵衛という許嫁がいた。豊四郎の友達だった。豊四郎は落馬して亡くなった。つぢは久野家に行き子供の事を話すが、聞いていないし、信用出来ないと言われる。つぢは父母に身ごもったことを伝えたが、相手の名前は言わなかった。法師川の見える笈川村の父の乳母の里に隠れ住んだ。又兵衛が来た。時々来ると言って帰る。月に一回ほど訪れる。子供に吉松と名付けた。久野がつぢを迎えに来た。つぢがどんな人か試していたと言う。又兵衛が報告していた。久野の娘として一年もいてくれればいい。という。
町奉行日記 江戸から新任の奉行が来る。望月小平太26才。今年になって四人目の奉行だった。小弥太は和泉守信真から直に濠外の掃除を命令されていた。濠外は悪の巣窟になっていた抜荷、その売買、博打場、宿は遊廓、盗賊、喧嘩、殺傷、外部から手を出せないようになっていた。濠外の力が城中にも及んでいた。毒は広範囲に広がり、骨深く染みとおり毒されている当人も毒されていることに気付かない所まで来ている。
小弥太は根元の親方三人に、町人姿で接し、懐に入り込み三人の立ち退きを了承させた。家財を処理して立ち退いた。町人と城中の間を取り持ち私腹を肥やしていた者もあぶり出し、切腹に追い込んだ。四ヶ月の町奉行職がとかれた。一度も町奉行として出仕せずと奉行日記に記される。
霜柱 次永喜兵衛は廃屋になった次永家を再興し中老の娘・すみを娶る約束で、郡代支配という役についた。繁野兵庫の控屋敷に住んでいる。申し分無しの境遇だった。ただ、繁野兵庫が些細な誤りも見逃さない。助役や下役の思い違いや誤りまで喜兵衛を叱る。従兄弟が言う。「物事は始めが肝心と思ってのことだろう。またおまえを好いているということだ。」
兵庫には義十郎という息子がいた。一人息子で可愛がり我儘いっぱいに育ち、道楽が始まったら手が付けられなくなった。博打場で喧嘩し、八年前に勘当していた。息子の育て方を後悔して必要以上に厳しくしたのだろう。
義十郎が現れた、この家も許嫁のも自分のものだった。横取りするなら五十両持ってこいという。口でも喧嘩でも喜兵衛が勝ったが、義十郎が藩中を家老繁野兵庫の息子だと伸し歩くという言葉を聞いて、五十両を了承する。捨ててもいい刀を用意する。翌朝、八幡社で怪我をし、済ませてきた。自分の手でやりたかったと言う家老・繁野に会った。
2017年4月9日日曜日
町奉行日記〈上〉
町奉行日記〈上〉 山本周五郎
土佐の国柱 土佐守山内一豊が亡くなる時、まだ土佐を治めきれていなかった。寵臣・高閑斧兵衛は追い腹を許されるが、三年後にすること。土産を持ってくることと言われる。土佐一国、山内家に帰服するよう心がけるがもうすぐ三年になるという時、斧兵衛は山内家を不満に思う分子を集め蜂起する。娘を使い蜂起することが池藤小弥太に伝わるようにする。反逆者は一掃され、一豊への土産とされた。
晩秋 岡崎藩用人・進藤主計は二十年近く藩制の実権を握っていた。圧迫と年貢の重課とで怨嗟の的になっていた。秕政を指摘すると仮借なく役を追い罪んい落とした。都留の父親も切腹した。進藤主計が政治向きに私心があったということでお預けになっている。都留は世話係になった。独身で質素な生活だった。彼は自分の裁きの書類を作っていた。岡崎藩の基礎確立のためにしなければならなかったが確率すれば、苛斂誅求は最悪なるもの進藤主計の罪は死に当たると言いきる。都留は懐剣を仕舞った。
金五十両 真面目にお店者として働いていた宗吉、お金をためていると思っていたが叔父が持って行っていた。太物問屋の番頭の悪巧みの尻拭いにされた。手伝いをしていた先輩は店のお嬢さんと夫婦になり出店をしてもらっていた。宗吉は旅に出た。食い逃げして縛り首でも島流しでもと考えている時に滝と会った。お金そ渡され払って行きな。と言われる。旅の途中、侍に五十両渡され、届けて欲しいと頼まれる。宗吉は滝の所に行く。滝はお金を渡してこいという。五十両届けると手紙とお礼に五十両わたされた。滝の所に帰る。
落ち梅記 沢渡金之助には、一緒になるだろうと思っていた由利江という人がいた。由利江は身をを持ち崩しそうな幼友達・公郷半三郎と一緒になった。父・助左衛門は次席家老・側用人を務めていた。大阪に商家を持ち藩の公金を商家を通して私腹している藩の重役・老臣の証拠を集めている最中に卒中で亡くなった。金之助は知らされる。殿様から政治の粛正のためその方父子には目を瞑ってもらわなければならないといわれる。金之助は父の集めた証拠を出し、目付けに半三郎を推薦する。金之助はお預けになった。半三郎は次席家老になった。
寒橋 孝は婿を取った。婿が女中に手を付け子供が出来た。孝の父親が亡くなる寸前、婿に済まない、自分の子供を婿に押し付けてと言ってなくなる。それを聞いていた孝は子供を引き取ろうと思う。婿は義父に決して孝を不幸にしないと思う。
わたしです物語 頼りない忠平考之助は婚約しているが五年、結婚の許しが出ない。そんな時、婚約者・伊久は身ごもったので家に帰れない、匿って欲しいと言ってくる。相手はわたしだということにして匿うという。それ以後、ギヤマンの壺を壊したのも、机の上のお金が無くなったのも私だ。という。甲冑を壊したのも、女に抱きついたのもわたしだと言う。考之助はお役目で江戸に行く時、美人局に遭い切腹を覚悟した。その時浪人に助けられ、お役目を全うしてきた。帰ってから自分に出来ることは、失敗した者を助けるぐらいだと思ったのだった。身ごもったというのが嘘だった伊久と結婚する。火鉢をひっくり返し火事を出しそうだった男の身代わりになり喘息になった家老・茂平に「辞職するおまえ家老になれ」と言われる。
土佐の国柱 土佐守山内一豊が亡くなる時、まだ土佐を治めきれていなかった。寵臣・高閑斧兵衛は追い腹を許されるが、三年後にすること。土産を持ってくることと言われる。土佐一国、山内家に帰服するよう心がけるがもうすぐ三年になるという時、斧兵衛は山内家を不満に思う分子を集め蜂起する。娘を使い蜂起することが池藤小弥太に伝わるようにする。反逆者は一掃され、一豊への土産とされた。
晩秋 岡崎藩用人・進藤主計は二十年近く藩制の実権を握っていた。圧迫と年貢の重課とで怨嗟の的になっていた。秕政を指摘すると仮借なく役を追い罪んい落とした。都留の父親も切腹した。進藤主計が政治向きに私心があったということでお預けになっている。都留は世話係になった。独身で質素な生活だった。彼は自分の裁きの書類を作っていた。岡崎藩の基礎確立のためにしなければならなかったが確率すれば、苛斂誅求は最悪なるもの進藤主計の罪は死に当たると言いきる。都留は懐剣を仕舞った。
金五十両 真面目にお店者として働いていた宗吉、お金をためていると思っていたが叔父が持って行っていた。太物問屋の番頭の悪巧みの尻拭いにされた。手伝いをしていた先輩は店のお嬢さんと夫婦になり出店をしてもらっていた。宗吉は旅に出た。食い逃げして縛り首でも島流しでもと考えている時に滝と会った。お金そ渡され払って行きな。と言われる。旅の途中、侍に五十両渡され、届けて欲しいと頼まれる。宗吉は滝の所に行く。滝はお金を渡してこいという。五十両届けると手紙とお礼に五十両わたされた。滝の所に帰る。
落ち梅記 沢渡金之助には、一緒になるだろうと思っていた由利江という人がいた。由利江は身をを持ち崩しそうな幼友達・公郷半三郎と一緒になった。父・助左衛門は次席家老・側用人を務めていた。大阪に商家を持ち藩の公金を商家を通して私腹している藩の重役・老臣の証拠を集めている最中に卒中で亡くなった。金之助は知らされる。殿様から政治の粛正のためその方父子には目を瞑ってもらわなければならないといわれる。金之助は父の集めた証拠を出し、目付けに半三郎を推薦する。金之助はお預けになった。半三郎は次席家老になった。
寒橋 孝は婿を取った。婿が女中に手を付け子供が出来た。孝の父親が亡くなる寸前、婿に済まない、自分の子供を婿に押し付けてと言ってなくなる。それを聞いていた孝は子供を引き取ろうと思う。婿は義父に決して孝を不幸にしないと思う。
わたしです物語 頼りない忠平考之助は婚約しているが五年、結婚の許しが出ない。そんな時、婚約者・伊久は身ごもったので家に帰れない、匿って欲しいと言ってくる。相手はわたしだということにして匿うという。それ以後、ギヤマンの壺を壊したのも、机の上のお金が無くなったのも私だ。という。甲冑を壊したのも、女に抱きついたのもわたしだと言う。考之助はお役目で江戸に行く時、美人局に遭い切腹を覚悟した。その時浪人に助けられ、お役目を全うしてきた。帰ってから自分に出来ることは、失敗した者を助けるぐらいだと思ったのだった。身ごもったというのが嘘だった伊久と結婚する。火鉢をひっくり返し火事を出しそうだった男の身代わりになり喘息になった家老・茂平に「辞職するおまえ家老になれ」と言われる。
2017年4月8日土曜日
QED⑪神器封殺
QED⑪神器封殺 高田崇史
熊野の残照の続きのような。禮子の他に桑原崇とよく似たタイプの御名形史紋・禮子の知り合い崇と同い年が現れる。奈々に興味を持つ。彼は毒草師と名乗る。
四人と神山禮子は和歌山滞在を伸ばした。遭遇したのは熱田記念病院の熱田光明の殺人事件だった。首と右手首を切り落とされていた。熱田光明を殺した犯人を知った事務長も殺された。犯人は薬剤師の浜崎羅馬だった。母親を侮辱したからだった。
禮子は東京で熱田光明の息子・鎮と付き合っていたが突然連絡が取れなくなっていた。事件の解決後鎮が誤り同じ母を持つ兄妹だと分かったことを伝える。熱田病院は光明が地主の那智の住民が大勢いる。禮子も東京に逃げていたが、故郷に帰るようだ。
後に大和朝廷を開く一族が奈良に行き着くために和歌山の海から上陸し、和歌山の統率者の中から味方になる者を見付け、裏切らせ侵略して行った。侵略が成功し、大和に入って味方につけた者を殺す。熊野の神社にはその時殺された者が祭られている。
淡路島の伊弉諾神社の伊弉諾尊は御霊となって祭られている。閉じこめられている。
熊野の残照の続きのような。禮子の他に桑原崇とよく似たタイプの御名形史紋・禮子の知り合い崇と同い年が現れる。奈々に興味を持つ。彼は毒草師と名乗る。
四人と神山禮子は和歌山滞在を伸ばした。遭遇したのは熱田記念病院の熱田光明の殺人事件だった。首と右手首を切り落とされていた。熱田光明を殺した犯人を知った事務長も殺された。犯人は薬剤師の浜崎羅馬だった。母親を侮辱したからだった。
禮子は東京で熱田光明の息子・鎮と付き合っていたが突然連絡が取れなくなっていた。事件の解決後鎮が誤り同じ母を持つ兄妹だと分かったことを伝える。熱田病院は光明が地主の那智の住民が大勢いる。禮子も東京に逃げていたが、故郷に帰るようだ。
後に大和朝廷を開く一族が奈良に行き着くために和歌山の海から上陸し、和歌山の統率者の中から味方になる者を見付け、裏切らせ侵略して行った。侵略が成功し、大和に入って味方につけた者を殺す。熊野の神社にはその時殺された者が祭られている。
淡路島の伊弉諾神社の伊弉諾尊は御霊となって祭られている。閉じこめられている。
2017年4月7日金曜日
風のかたみ
風のかたみ 葉室麟
九州豊後・安見藩の女医・桑山伊都子は目付け方・椎野吉左衛門から藩重臣・佐野家一族の女たちを生かすよう命じられる。佐野家当主と息子たちは藩主に叛旗を翻し上意打ちとなっていた。女達は白鷺屋敷に監禁になっていた。伊都子は懐妊していないかを調べるように言われる。
伊都子は女中のゆりが次男・千右衛門の子を身ごもっていることを知るが、子供の命を守ろうとするきぬを助ける。
千右衛門の嫁・初に命を助ける事を条件に木戸を開けるように言う吉左衛門の言う通り木戸を開ける初。きぬも殺される覚悟で茶を立てる。毒を入れた茶を飲み、その茶を吉左衛門に飲ませる。ゆりは斬られる覚悟で家臣に懐剣で向かう。
長男・小一郎の嫁・芳枝と娘・結は助かり実家に引き取られた。女中たちも実家に帰った。斬り殺されなかった初は自殺した。わざと仲が悪いように芝居をし、初が悪者になり、機会を伺っていたのだった。子供を助けるために。
後に初の手紙が伊都子に届く。
九州豊後・安見藩の女医・桑山伊都子は目付け方・椎野吉左衛門から藩重臣・佐野家一族の女たちを生かすよう命じられる。佐野家当主と息子たちは藩主に叛旗を翻し上意打ちとなっていた。女達は白鷺屋敷に監禁になっていた。伊都子は懐妊していないかを調べるように言われる。
伊都子は女中のゆりが次男・千右衛門の子を身ごもっていることを知るが、子供の命を守ろうとするきぬを助ける。
千右衛門の嫁・初に命を助ける事を条件に木戸を開けるように言う吉左衛門の言う通り木戸を開ける初。きぬも殺される覚悟で茶を立てる。毒を入れた茶を飲み、その茶を吉左衛門に飲ませる。ゆりは斬られる覚悟で家臣に懐剣で向かう。
長男・小一郎の嫁・芳枝と娘・結は助かり実家に引き取られた。女中たちも実家に帰った。斬り殺されなかった初は自殺した。わざと仲が悪いように芝居をし、初が悪者になり、機会を伺っていたのだった。子供を助けるために。
後に初の手紙が伊都子に届く。
2017年4月6日木曜日
茜の茶碗 裏用心棒譚
茜の茶碗 裏用心棒譚 上田秀人
小宮山一之臣は相馬中村藩六万石の家臣だったが、家光拝領の茜色の茶碗を盗まれ、茶碗を探すために浪人になり、盗人の用心棒をしていた。用心棒をする変わりに入った家に茶碗が無いか見てもらう。この前入った長崎屋でよく似た茶碗を見た。志野焼の茶碗だった。
相馬因幡守は相続したすぐに飢饉が起こり幕府から五千両借りた。田沼主殿家老から茶碗を見せて欲しいと言う申し入れがあった。因幡守は茶碗を預ければ五千両も返さなくても良いかもしれない。と考え茶碗を早く探せと下知する。江戸家老・浜主計が小宮山に後十日と日を切る。見付からないので長崎屋の偽物で良いということになる。長崎屋から盗み出し浜主計に渡す。
田沼は相馬因幡守の様子からおかしいと思い、探らす。相馬は偽物を持ってくるかもしれないと判っていた。偽物を持ってきた。。もう相馬藩は自分の言いなりだ。と思う。
浜主計は小宮山に田沼家から茶碗を盗み出せという。小宮山は後、口封じされるだけということもわかっている。
茶碗を見付けた。盗賊が協力して本物の茶碗を盗み出し、盗賊が商家の主人に化け茶碗を田沼家に持って行く。帰参しないと決めた小宮山だ。田沼は相馬を呼び本物を見せ偽物を返す。小宮山は藩からの上意打ちの相手を倒す。
小宮山一之臣は相馬中村藩六万石の家臣だったが、家光拝領の茜色の茶碗を盗まれ、茶碗を探すために浪人になり、盗人の用心棒をしていた。用心棒をする変わりに入った家に茶碗が無いか見てもらう。この前入った長崎屋でよく似た茶碗を見た。志野焼の茶碗だった。
相馬因幡守は相続したすぐに飢饉が起こり幕府から五千両借りた。田沼主殿家老から茶碗を見せて欲しいと言う申し入れがあった。因幡守は茶碗を預ければ五千両も返さなくても良いかもしれない。と考え茶碗を早く探せと下知する。江戸家老・浜主計が小宮山に後十日と日を切る。見付からないので長崎屋の偽物で良いということになる。長崎屋から盗み出し浜主計に渡す。
田沼は相馬因幡守の様子からおかしいと思い、探らす。相馬は偽物を持ってくるかもしれないと判っていた。偽物を持ってきた。。もう相馬藩は自分の言いなりだ。と思う。
浜主計は小宮山に田沼家から茶碗を盗み出せという。小宮山は後、口封じされるだけということもわかっている。
茶碗を見付けた。盗賊が協力して本物の茶碗を盗み出し、盗賊が商家の主人に化け茶碗を田沼家に持って行く。帰参しないと決めた小宮山だ。田沼は相馬を呼び本物を見せ偽物を返す。小宮山は藩からの上意打ちの相手を倒す。
2017年4月5日水曜日
ビブリア古書堂の事件帖〈6〉
ビブリア古書堂の事件帖〈6〉 栞子さんと巡るさだめ 三上延
篠川栞子から太宰治の『晩年』を手に入れようと石段から突き落とした田中敏雄が保釈された。笠井菊哉と言う偽名を使って店に出入りしていたのをおびき寄せ、目の前でレプリカを燃やして見せた。五浦大輔は田中が行く祖父の墓に一緒に参る。「晩年」も祖父の物だった。田中が祖父の持っていた「晩年」は栞子が燃やした物ではなく、さらに貴重な一冊だったらしい。その本を探して欲しいという。栞子はその本を探し、持ち主に注意するために探そうとする。
『晩年』がどういう物かを知っていそうな人は、田中敏雄の祖父・田中嘉雄、虚貝堂の杉尾、小谷次郎、大学教授・富沢博の名が上があがるが、田中嘉雄と杉尾は亡くなっている。小谷の話で三人が大輔の祖母の店・ごうら食道に集まっていたことが話される。富沢博とは四十七年前に出入り禁止になっていた。
富沢家に行くと四十七年前に蔵から持ち出された本を篠川聖司が探し出して戻してくれた経緯を調べて欲しいと言われる。その時聖司・栞子の祖父は詳しい話をしていなかった。田中嘉雄は蔵書からいろんなことを調べていた。富沢家と取引のあった古書店・久我山の尚大に脅迫され田中嘉雄は綴じ本を一枚、一枚持ち出した。聖司は見抜き元の形にして戻した。脅迫のネタは田中嘉雄とごうら食道の絹子・大輔の祖母の不倫だった。聖司は絹子の秘密を守ったのだろう。仲が戻った富沢博と小谷から田中嘉雄の持っていたのは大宰の直筆で「自殺用」と書いてあった「晩年」だった。久我山尚大の娘・鶴代にも聞かれていたので全て話した。田中嘉雄がお金のために蔵書を売ったのは久我山だった。鶴代は何も知らなかった。
田中敏雄が栞子と付き合っていることを知った大輔を襲った。大輔が「晩年」を持っているとおもったから。大輔から取った晩年を欲しい『晩年』と交換しようと話を付けていた。しかし、相手も田中も二冊とも自分の物にしようとした。大輔は自分が従兄弟だと名乗り、田中の家族への深い感情と他人を傷つけることへの恐怖を利用し、もう一人の相手の所に一緒に行くことになった。
もう一人は久我山鶴子の娘・寛子だった。栞子が落ちた石段で会った。寛子が大輔から本を奪おうとしたため大輔と寛子は宙を舞った。大輔は本の入ったインナーバックと寛子を胸の中心にしっかり抱きかかえ下まで落ちた。大輔は痛みを堪え久我山家に行き、最後まで見届けることにした。もう一冊を欲しがったのは寛子の祖母・真里だった。持っている本はアンカットのはずだった。田中が売る時に切ってしまったのだろう。真里はアンカットを切り開きながら読みたかったのだ。明日には警察が入る。大輔は鎖骨と肋骨を折り、手術を受けた。
智恵子に病室で全ての経緯を話した後、大輔は気がついた。久我山は後継者にする子供に蔵書を見せたことがあった。子供は久我山の愛人の子供・智恵子なのではないか。だから自家用の「晩年」がアンカットではないことをしっていた。
篠川栞子から太宰治の『晩年』を手に入れようと石段から突き落とした田中敏雄が保釈された。笠井菊哉と言う偽名を使って店に出入りしていたのをおびき寄せ、目の前でレプリカを燃やして見せた。五浦大輔は田中が行く祖父の墓に一緒に参る。「晩年」も祖父の物だった。田中が祖父の持っていた「晩年」は栞子が燃やした物ではなく、さらに貴重な一冊だったらしい。その本を探して欲しいという。栞子はその本を探し、持ち主に注意するために探そうとする。
『晩年』がどういう物かを知っていそうな人は、田中敏雄の祖父・田中嘉雄、虚貝堂の杉尾、小谷次郎、大学教授・富沢博の名が上があがるが、田中嘉雄と杉尾は亡くなっている。小谷の話で三人が大輔の祖母の店・ごうら食道に集まっていたことが話される。富沢博とは四十七年前に出入り禁止になっていた。
富沢家に行くと四十七年前に蔵から持ち出された本を篠川聖司が探し出して戻してくれた経緯を調べて欲しいと言われる。その時聖司・栞子の祖父は詳しい話をしていなかった。田中嘉雄は蔵書からいろんなことを調べていた。富沢家と取引のあった古書店・久我山の尚大に脅迫され田中嘉雄は綴じ本を一枚、一枚持ち出した。聖司は見抜き元の形にして戻した。脅迫のネタは田中嘉雄とごうら食道の絹子・大輔の祖母の不倫だった。聖司は絹子の秘密を守ったのだろう。仲が戻った富沢博と小谷から田中嘉雄の持っていたのは大宰の直筆で「自殺用」と書いてあった「晩年」だった。久我山尚大の娘・鶴代にも聞かれていたので全て話した。田中嘉雄がお金のために蔵書を売ったのは久我山だった。鶴代は何も知らなかった。
田中敏雄が栞子と付き合っていることを知った大輔を襲った。大輔が「晩年」を持っているとおもったから。大輔から取った晩年を欲しい『晩年』と交換しようと話を付けていた。しかし、相手も田中も二冊とも自分の物にしようとした。大輔は自分が従兄弟だと名乗り、田中の家族への深い感情と他人を傷つけることへの恐怖を利用し、もう一人の相手の所に一緒に行くことになった。
もう一人は久我山鶴子の娘・寛子だった。栞子が落ちた石段で会った。寛子が大輔から本を奪おうとしたため大輔と寛子は宙を舞った。大輔は本の入ったインナーバックと寛子を胸の中心にしっかり抱きかかえ下まで落ちた。大輔は痛みを堪え久我山家に行き、最後まで見届けることにした。もう一冊を欲しがったのは寛子の祖母・真里だった。持っている本はアンカットのはずだった。田中が売る時に切ってしまったのだろう。真里はアンカットを切り開きながら読みたかったのだ。明日には警察が入る。大輔は鎖骨と肋骨を折り、手術を受けた。
智恵子に病室で全ての経緯を話した後、大輔は気がついた。久我山は後継者にする子供に蔵書を見せたことがあった。子供は久我山の愛人の子供・智恵子なのではないか。だから自家用の「晩年」がアンカットではないことをしっていた。
2017年4月4日火曜日
ビブリア古書堂の事件帖〈5〉
ビブリア古書堂の事件帖〈5〉 栞子さんと繋がりの時 三上延
『彷書月刊』弘隆社・彷徨舎 彷書月刊のセットを売りに来た女・宮内多美子が何日化して買い戻しに来た。セットは買われていた。買ったのは志田が連れてきた老人だった。多美子は夫を探していた。夫の蔵書を売れば夫が反応するだろうと夫にしか判らない連絡先も書いていた。電話をしてという多美子の言葉を持って志田の所に行く。
小山清「落ち穂拾い・聖アンデルセン」 栞子は買ったのが志田だと気付いていた。志田は元妻の詐欺にあい、多美子の会社から五千万円を引き出していた。多美子の元から失踪し三年になる。会社は倒産していた。栞子は電話してという伝言を伝えた。志田に母に連絡を取って会いたいと伝えてという。が志田は五浦大輔に指摘されてから連絡を取っていないという。
大輔は栞子から返事は五月末までにするから待ってと言われた。栞子は大輔に返事をするまでに母に会わなければと思っている。
手塚治虫『ブラック・ジャック』滝野蓮杖の妹・栞子の友達・滝野りゅうの紹介で後輩の真壁菜名子の家の無くなったブラック・ジャックの四巻を三冊探すことになった。期限は父親が出張から帰る日まで。二十四巻が各二冊づつあり、二十五巻は一冊、四巻は五冊あったはずだった。持ち出したのは弟・慎也だった。栞子は慎也にこの本は父親と亡くなった母親が各々が買い、一緒になって二巻づつ揃ったのだろうという。母親の実家で結婚当時の話を聞き、各々がプレゼントしていた本だと判った。慎也は亡くなる寸前の母の所に行く時に、古本屋の本・ブラック・ジャックの四巻を買いに行き、死に際の間に合わなかったことを恨んでいた。ぼろぼろの四巻。二人の思い出の貸本屋のブラック・ジャック四巻だった。貸本屋の閉店で本が売りに出されていたのだった。二冊は滝野ブックスでぼろぼろの本は母親の実家で見付かった。慎也がゴミ箱に捨てていたのを祖母が持っていた。本が揃い、父母の過去と本への思いを聞いた。
栞子はもし一人だったらこういう依頼は受けないという。五月半ば
栞子は滝野りゅうに母親との連絡を頼む。会いたければ問題を用意するので解いてみなさいと言われる。どんな問題でも解くと連絡してもらう。
寺山修司『われに五月を』 一昨年、店への出入りを禁じた門野澄夫からの依頼だった。栞子が父親が亡くなり一人で店をやっている時、珍しい本を持って来てくれたのが、兄お蔵書や万引き品だった。警察が入って、盗品を返し、兄が謝罪金を払ったりしたことがあった。澄夫は兄が死ぬ前に『われに五月を』を譲ると言われて売る相手も決まっているので家族に話して欲しいということだった。
栞子が調べた結果、兄弟の仲が拗れた原因を作ったのが弟だと思っていたが、本当は兄の妻だったことを兄の方が知ったからだった。弟に長年冷たく当たったことの詫びだろう。寺山修司の直筆の紙の文字を消して絵を描いていた。消しゴムを使ったのは兄嫁だったのだ。
澄夫は本を持って帰り、知り合った寺山ファンの大学院生に千円で売った。
栞子は母に会い、父親とのことを聞く。プロポーズを受ける時、智恵子はもしかしたら、前触れもなく突然いなくなるかもしれない。それでもよければと言った。父・登は受け入れ、本当にいなくなった智恵子を待ったのだった。
大輔は栞子から大輔くんが好きですと言う返事を貰った。自分も母のようにあなたを置いて行ってしまうのではないかと怖かったと話す栞子に大輔は、俺も一緒に行けばいいじゃないか。と言う。
『彷書月刊』弘隆社・彷徨舎 彷書月刊のセットを売りに来た女・宮内多美子が何日化して買い戻しに来た。セットは買われていた。買ったのは志田が連れてきた老人だった。多美子は夫を探していた。夫の蔵書を売れば夫が反応するだろうと夫にしか判らない連絡先も書いていた。電話をしてという多美子の言葉を持って志田の所に行く。
小山清「落ち穂拾い・聖アンデルセン」 栞子は買ったのが志田だと気付いていた。志田は元妻の詐欺にあい、多美子の会社から五千万円を引き出していた。多美子の元から失踪し三年になる。会社は倒産していた。栞子は電話してという伝言を伝えた。志田に母に連絡を取って会いたいと伝えてという。が志田は五浦大輔に指摘されてから連絡を取っていないという。
大輔は栞子から返事は五月末までにするから待ってと言われた。栞子は大輔に返事をするまでに母に会わなければと思っている。
手塚治虫『ブラック・ジャック』滝野蓮杖の妹・栞子の友達・滝野りゅうの紹介で後輩の真壁菜名子の家の無くなったブラック・ジャックの四巻を三冊探すことになった。期限は父親が出張から帰る日まで。二十四巻が各二冊づつあり、二十五巻は一冊、四巻は五冊あったはずだった。持ち出したのは弟・慎也だった。栞子は慎也にこの本は父親と亡くなった母親が各々が買い、一緒になって二巻づつ揃ったのだろうという。母親の実家で結婚当時の話を聞き、各々がプレゼントしていた本だと判った。慎也は亡くなる寸前の母の所に行く時に、古本屋の本・ブラック・ジャックの四巻を買いに行き、死に際の間に合わなかったことを恨んでいた。ぼろぼろの四巻。二人の思い出の貸本屋のブラック・ジャック四巻だった。貸本屋の閉店で本が売りに出されていたのだった。二冊は滝野ブックスでぼろぼろの本は母親の実家で見付かった。慎也がゴミ箱に捨てていたのを祖母が持っていた。本が揃い、父母の過去と本への思いを聞いた。
栞子はもし一人だったらこういう依頼は受けないという。五月半ば
栞子は滝野りゅうに母親との連絡を頼む。会いたければ問題を用意するので解いてみなさいと言われる。どんな問題でも解くと連絡してもらう。
寺山修司『われに五月を』 一昨年、店への出入りを禁じた門野澄夫からの依頼だった。栞子が父親が亡くなり一人で店をやっている時、珍しい本を持って来てくれたのが、兄お蔵書や万引き品だった。警察が入って、盗品を返し、兄が謝罪金を払ったりしたことがあった。澄夫は兄が死ぬ前に『われに五月を』を譲ると言われて売る相手も決まっているので家族に話して欲しいということだった。
栞子が調べた結果、兄弟の仲が拗れた原因を作ったのが弟だと思っていたが、本当は兄の妻だったことを兄の方が知ったからだった。弟に長年冷たく当たったことの詫びだろう。寺山修司の直筆の紙の文字を消して絵を描いていた。消しゴムを使ったのは兄嫁だったのだ。
澄夫は本を持って帰り、知り合った寺山ファンの大学院生に千円で売った。
栞子は母に会い、父親とのことを聞く。プロポーズを受ける時、智恵子はもしかしたら、前触れもなく突然いなくなるかもしれない。それでもよければと言った。父・登は受け入れ、本当にいなくなった智恵子を待ったのだった。
大輔は栞子から大輔くんが好きですと言う返事を貰った。自分も母のようにあなたを置いて行ってしまうのではないかと怖かったと話す栞子に大輔は、俺も一緒に行けばいいじゃないか。と言う。
2017年4月3日月曜日
ビブリア古書堂の事件手帳〈4〉
ビブリア古書堂の事件手帳〈4〉 栞子さんと二つの顔 三上延
東北地震が起こりビブリア古書堂は耐震補強工事をした。
五浦大輔23才が店番をしている時、栞子25才の母親・篠川智恵子から電話かかってきた。北鎌倉駅のフォームからだった。日本に帰ってきた。
来城慶子から金庫を開けて欲しいと依頼される。金庫は鍵とダイヤルと暗証文字で開くようになっていた。家の持ち主・鹿山明からビブリア古書店に相談すればいいと聞いていた。鹿山は亡くなった。慶子は妾だった。大病をして術後のため慶子は車いすを使っていた。言葉も不自由だった。妹が東北から来ていた。通訳のようなことをした。鹿山明は学校を持っている教育者だった。慶子がいる鎌倉の家には、江戸川乱歩の大人向け小説が集められていた。
ひとり書房の井上は、鹿山家の娘・直美の幼友達であり、現在、直美はひとり書房でアルバイトをしていた。井上は直美の父親に対する誤解を解いて欲しいという。
栞子は鹿山の自宅に行き、子供向けの江戸川乱歩の「少年探偵団」を入れておく隠しソファの書棚を見付け、直美が楽しくスリルを持って読めるように明が直美のために作った物だと説明する。明の書斎の扉の隠し棚を見付ける。戸棚から明が作らせた偽「二銭銅貨」を見付け暗号文を見付ける。
金庫の中は明が若い時に書いた小説だった。と思ったが、栞子の前に現れた智恵子は江戸川乱歩の未発表の「押絵と旅する男」だと言う。慶子だと名乗った車いすの女は慶子の妹で、妹だと名乗った女は、金庫の中の原稿を持って旅に出ていた。智恵子は慶子を追いかける。栞子に一緒に行こうと誘う。栞子も行きそうになるが大輔の「栞子さん」の呼びかけた。栞子は次の日の大輔とのデートを選んだ。
鹿山家の鎌倉にあった江戸川乱歩の蔵書はビブリア古書堂が買い取った。
篠川智恵子は栞子の妹・文香にも本を残していた。安野光雅『旅の絵本』だった。
智恵子は夫・栞子の父親・前店主とも連絡を取り合っていた。自分の病気のことは知らせていなかった。三年前から『落ち穂拾い・聖アンデルセン』で知り合った志田が連絡していたことが判った。志田に落ち穂拾いの本を渡し、どん底から助けてくれたのが智恵子だったという。
大輔は栞子に付き合って欲しいと申し込む。
東北地震が起こりビブリア古書堂は耐震補強工事をした。
五浦大輔23才が店番をしている時、栞子25才の母親・篠川智恵子から電話かかってきた。北鎌倉駅のフォームからだった。日本に帰ってきた。
来城慶子から金庫を開けて欲しいと依頼される。金庫は鍵とダイヤルと暗証文字で開くようになっていた。家の持ち主・鹿山明からビブリア古書店に相談すればいいと聞いていた。鹿山は亡くなった。慶子は妾だった。大病をして術後のため慶子は車いすを使っていた。言葉も不自由だった。妹が東北から来ていた。通訳のようなことをした。鹿山明は学校を持っている教育者だった。慶子がいる鎌倉の家には、江戸川乱歩の大人向け小説が集められていた。
ひとり書房の井上は、鹿山家の娘・直美の幼友達であり、現在、直美はひとり書房でアルバイトをしていた。井上は直美の父親に対する誤解を解いて欲しいという。
栞子は鹿山の自宅に行き、子供向けの江戸川乱歩の「少年探偵団」を入れておく隠しソファの書棚を見付け、直美が楽しくスリルを持って読めるように明が直美のために作った物だと説明する。明の書斎の扉の隠し棚を見付ける。戸棚から明が作らせた偽「二銭銅貨」を見付け暗号文を見付ける。
金庫の中は明が若い時に書いた小説だった。と思ったが、栞子の前に現れた智恵子は江戸川乱歩の未発表の「押絵と旅する男」だと言う。慶子だと名乗った車いすの女は慶子の妹で、妹だと名乗った女は、金庫の中の原稿を持って旅に出ていた。智恵子は慶子を追いかける。栞子に一緒に行こうと誘う。栞子も行きそうになるが大輔の「栞子さん」の呼びかけた。栞子は次の日の大輔とのデートを選んだ。
鹿山家の鎌倉にあった江戸川乱歩の蔵書はビブリア古書堂が買い取った。
篠川智恵子は栞子の妹・文香にも本を残していた。安野光雅『旅の絵本』だった。
智恵子は夫・栞子の父親・前店主とも連絡を取り合っていた。自分の病気のことは知らせていなかった。三年前から『落ち穂拾い・聖アンデルセン』で知り合った志田が連絡していたことが判った。志田に落ち穂拾いの本を渡し、どん底から助けてくれたのが智恵子だったという。
大輔は栞子に付き合って欲しいと申し込む。
2017年4月2日日曜日
2017年4月1日土曜日
栄次郎江戸暦(17)
栄次郎江戸暦(17) 闇試合〈下〉 小杉健治
矢内栄次郎に四千石寄合旗本鳥飼家の娘・菊江との縁談が持ち込まれる。嫡男が急死し娘が婿を取ることになった。栄次郎は二百石の御家人矢内家の次男として育っているが実父は一橋治済だった。
栄次郎が赤木鬼造を倒し闇試合は終わったと思われたが栄次郎が狙われる。長吉は梶木の妻を身請けするために栄次郎への闇討ちを請け負う。正々堂々を旨とする立ち合いが闇討ちに変わる。栄次郎が赤木と試合をした意味は赤木を倒すことではなく、栄次郎が赤木に倒される事だったと気付く。栄次郎を推薦した書院番頭・岩淵平左衛門は三千石の旗本で次男を菊江の婿にするために栄次郎を殺そうとしたのだった。家督を息子に譲り隠居、家禄は減らされるだろう。
闇試合を調べている時、鎌を使った武家殺しが起こっていた。犯人は栄次郎の三味線の師匠・杵屋吉右衛門の元弟子・りくだった。三味線が上手いりくだったが、六年前、武士に斬られて右手が使えなくなっていた。故郷に帰り隻腕の鎖鎌使いの彦造に教えられ、鎖鎌を扱えるようになっていた。江戸に帰り六年前の犯人を捜しながらよく似た武家を殺していた。犯人が亡くなっていることを教えられたりくは、栄次郎に試合を申し込む。彦造を殺した赤木を殺したと言う名目で。栄次郎はりくを倒す。
矢内栄次郎に四千石寄合旗本鳥飼家の娘・菊江との縁談が持ち込まれる。嫡男が急死し娘が婿を取ることになった。栄次郎は二百石の御家人矢内家の次男として育っているが実父は一橋治済だった。
栄次郎が赤木鬼造を倒し闇試合は終わったと思われたが栄次郎が狙われる。長吉は梶木の妻を身請けするために栄次郎への闇討ちを請け負う。正々堂々を旨とする立ち合いが闇討ちに変わる。栄次郎が赤木と試合をした意味は赤木を倒すことではなく、栄次郎が赤木に倒される事だったと気付く。栄次郎を推薦した書院番頭・岩淵平左衛門は三千石の旗本で次男を菊江の婿にするために栄次郎を殺そうとしたのだった。家督を息子に譲り隠居、家禄は減らされるだろう。
闇試合を調べている時、鎌を使った武家殺しが起こっていた。犯人は栄次郎の三味線の師匠・杵屋吉右衛門の元弟子・りくだった。三味線が上手いりくだったが、六年前、武士に斬られて右手が使えなくなっていた。故郷に帰り隻腕の鎖鎌使いの彦造に教えられ、鎖鎌を扱えるようになっていた。江戸に帰り六年前の犯人を捜しながらよく似た武家を殺していた。犯人が亡くなっていることを教えられたりくは、栄次郎に試合を申し込む。彦造を殺した赤木を殺したと言う名目で。栄次郎はりくを倒す。
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