2017年4月3日月曜日

ビブリア古書堂の事件手帳〈4〉

ビブリア古書堂の事件手帳〈4〉 栞子さんと二つの顔 三上延
 東北地震が起こりビブリア古書堂は耐震補強工事をした。
 五浦大輔23が店番をしている時、栞子25の母親・篠川智恵子から電話かかってきた。北鎌倉駅のフォームからだった。日本に帰ってきた。
 来城慶子から金庫を開けて欲しいと依頼される。金庫は鍵とダイヤルと暗証文字で開くようになっていた。家の持ち主・鹿山明からビブリア古書店に相談すればいいと聞いていた。鹿山は亡くなった。慶子は妾だった。大病をして術後のため慶子は車いすを使っていた。言葉も不自由だった。妹が東北から来ていた。通訳のようなことをした。鹿山明は学校を持っている教育者だった。慶子がいる鎌倉の家には、江戸川乱歩の大人向け小説が集められていた。
 ひとり書房の井上は、鹿山家の娘・直美の幼友達であり、現在、直美はひとり書房でアルバイトをしていた。井上は直美の父親に対する誤解を解いて欲しいという。
栞子は鹿山の自宅に行き、子供向けの江戸川乱歩の「少年探偵団」を入れておく隠しソファの書棚を見付け、直美が楽しくスリルを持って読めるように明が直美のために作った物だと説明する。明の書斎の扉の隠し棚を見付ける。戸棚から明が作らせた偽「二銭銅貨」を見付け暗号文を見付ける。
 金庫の中は明が若い時に書いた小説だった。と思ったが、栞子の前に現れた智恵子は江戸川乱歩の未発表の「押絵と旅する男」だと言う。慶子だと名乗った車いすの女は慶子の妹で、妹だと名乗った女は、金庫の中の原稿を持って旅に出ていた。智恵子は慶子を追いかける。栞子に一緒に行こうと誘う。栞子も行きそうになるが大輔の「栞子さん」の呼びかけた。栞子は次の日の大輔とのデートを選んだ。
 鹿山家の鎌倉にあった江戸川乱歩の蔵書はビブリア古書堂が買い取った。
 篠川智恵子は栞子の妹・文香にも本を残していた。安野光雅『旅の絵本』だった。
 智恵子は夫・栞子の父親・前店主とも連絡を取り合っていた。自分の病気のことは知らせていなかった。三年前から『落ち穂拾い・聖アンデルセン』で知り合った志田が連絡していたことが判った。志田に落ち穂拾いの本を渡し、どん底から助けてくれたのが智恵子だったという。
 大輔は栞子に付き合って欲しいと申し込む。

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