2017年4月12日水曜日

大江戸木戸番始末〈四〉

大江戸木戸番始末〈四〉 狂言潰し 喜安幸夫
天保八年 1837年 八月 杢之助江戸に戻って五ヶ月
 木戸番・杢之助は米沢町三丁目の肥前屋の主人が、矢場女・駒を妾にして囲ったことを知った。駒の後ろに、やくざな店頭・鎌五郎が付いていることをしる。危ない危ない、米沢町に町役人が入ってくる。入ってくる前に治めようと思ったが、主人を諌めていた番頭が掘割にはまって亡くなった。飲んで酔っぱらった挙げ句ということになった。杢之助の見立ては鎌五郎の子分による殺しだった。
 駒にお金をつぎ込み店にお金が無くなった肥前屋は駒五郎の手下を使って狂言泥棒をする。盗賊に八百両をとられたと嘯く。
 内儀・篠が出かける。実家に行くようだ。尾行する鎌五郎の子分たち三人。それを尾行する杢之助。杢之助は子分たちが何をする気か分からない。橋の上で子分は動いた。女中に悪さを仕掛けた隙に、一人が篠を突き落とす。杢之助は一人の首の骨を折り橋から突き落とす。帰り道で二人を殺す。篠は死体で見付かった。駒の所にいる主人を呼びに行く新番頭・佐市に、鎌五郎の子分におかみさんが殺されたと言わす。
 鎌五郎はいなくなった女将の代わりに駒を肥前屋に入れ、主人も殺し、鎌五郎が肥前屋に入るつもりだった。鎌五郎の子分と言われた駒は鎌五郎の元に走る。手下が帰らないので何も分からない駒五郎は肥前屋に行く、途中、杢之助に殺され川に流される。
 鎌五郎一家はいなくなり、駒を姿を消した。肥前屋は息子が修業から帰り後を継ぎ、旦那は隠居した。
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿