2017年4月4日火曜日

ビブリア古書堂の事件帖〈5〉

ビブリア古書堂の事件帖〈5〉 栞子さんと繋がりの時 三上延
 『彷書月刊』弘隆社・彷徨舎 彷書月刊のセットを売りに来た女・宮内多美子が何日化して買い戻しに来た。セットは買われていた。買ったのは志田が連れてきた老人だった。多美子は夫を探していた。夫の蔵書を売れば夫が反応するだろうと夫にしか判らない連絡先も書いていた。電話をしてという多美子の言葉を持って志田の所に行く。
 小山清「落ち穂拾い・聖アンデルセン」 栞子は買ったのが志田だと気付いていた。志田は元妻の詐欺にあい、多美子の会社から五千万円を引き出していた。多美子の元から失踪し三年になる。会社は倒産していた。栞子は電話してという伝言を伝えた。志田に母に連絡を取って会いたいと伝えてという。が志田は五浦大輔に指摘されてから連絡を取っていないという。
 大輔は栞子から返事は五月末までにするから待ってと言われた。栞子は大輔に返事をするまでに母に会わなければと思っている。
 手塚治虫『ブラック・ジャック』滝野蓮杖の妹・栞子の友達・滝野りゅうの紹介で後輩の真壁菜名子の家の無くなったブラック・ジャックの四巻を三冊探すことになった。期限は父親が出張から帰る日まで。二十四巻が各二冊づつあり、二十五巻は一冊、四巻は五冊あったはずだった。持ち出したのは弟・慎也だった。栞子は慎也にこの本は父親と亡くなった母親が各々が買い、一緒になって二巻づつ揃ったのだろうという。母親の実家で結婚当時の話を聞き、各々がプレゼントしていた本だと判った。慎也は亡くなる寸前の母の所に行く時に、古本屋の本・ブラック・ジャックの四巻を買いに行き、死に際の間に合わなかったことを恨んでいた。ぼろぼろの四巻。二人の思い出の貸本屋のブラック・ジャック四巻だった。貸本屋の閉店で本が売りに出されていたのだった。二冊は滝野ブックスでぼろぼろの本は母親の実家で見付かった。慎也がゴミ箱に捨てていたのを祖母が持っていた。本が揃い、父母の過去と本への思いを聞いた。
 栞子はもし一人だったらこういう依頼は受けないという。五月半ば
 栞子は滝野りゅうに母親との連絡を頼む。会いたければ問題を用意するので解いてみなさいと言われる。どんな問題でも解くと連絡してもらう。
 寺山修司『われに五月を』 一昨年、店への出入りを禁じた門野澄夫からの依頼だった。栞子が父親が亡くなり一人で店をやっている時、珍しい本を持って来てくれたのが、兄お蔵書や万引き品だった。警察が入って、盗品を返し、兄が謝罪金を払ったりしたことがあった。澄夫は兄が死ぬ前に『われに五月を』を譲ると言われて売る相手も決まっているので家族に話して欲しいということだった。
 栞子が調べた結果、兄弟の仲が拗れた原因を作ったのが弟だと思っていたが、本当は兄の妻だったことを兄の方が知ったからだった。弟に長年冷たく当たったことの詫びだろう。寺山修司の直筆の紙の文字を消して絵を描いていた。消しゴムを使ったのは兄嫁だったのだ。
澄夫は本を持って帰り、知り合った寺山ファンの大学院生に千円で売った。
 栞子は母に会い、父親とのことを聞く。プロポーズを受ける時、智恵子はもしかしたら、前触れもなく突然いなくなるかもしれない。それでもよければと言った。父・登は受け入れ、本当にいなくなった智恵子を待ったのだった。
 大輔は栞子から大輔くんが好きですと言う返事を貰った。自分も母のようにあなたを置いて行ってしまうのではないかと怖かったと話す栞子に大輔は、俺も一緒に行けばいいじゃないか。と言う。

 

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