蘇る鬼平犯科帳 池波正太郎と七人の作家
せせりの辨介 逢坂剛
骨董品を盗む泥棒・徳三が古物商をしていることを掴んだ火盗改は徳三を探る。徳三に辨介から繋ぎがあったと思った平蔵は、徳三を火盗改に引き込む。徳三が火盗改につなぎを取ったために殺され布団に包まれて海に投げ込まれたと思われた。そのために盗みに入らないと思われた店に辨介は盗みに入る。平蔵は押し入らないと思って見張りをしないだろうと思われた店を張り込み、押し入った辨介を捕まえる寸前自殺された。辨介は殺されたと思われた徳三だった。
最後の女 諸田玲子
葵小僧を処刑され三年後、葵小僧が出た。葵小僧に入られ離縁された利緒は平蔵と関係を持、最後の女と言われたことで生きていた。利緒に縁談が起こった。見直に近付いてきた男・宗十郎がいた。葵小僧の仲間だと思った。葵小僧の被害にあった女が殺されていた。利緒を囮にして平蔵を呼び出し殺そうとしていた。利緒は平蔵に宗十郎が隠れていることを知らせるために宗十郎の前に飛び出し殺される。利緒は平蔵が利緒と呼ぶ声を聞きながら亡くなった。
隠し味 土橋章宏
利吉は盗みはするが殺しはしない盗賊・籐兵衛一味の引き込みをしていた。萩屋の板前として入り二年半になった。籐兵衛が亡くなり頭が変わり、急ぎ働きもするという。五郎蔵に籐兵衛一味の変わりようを相談する。利吉が引き込みに入っているので食事をしながら平蔵は毎日張り込みしていた。押し込みの日、引き入れた者を刺し、火事だと叫ぶつもりが、侍が現れ、殺されそうになる。籐兵衛一味は侍に殺されていた。張り込んでいた火盗改に捕まる。萩屋の主人が利吉が店を救ったと喜ぶ。平蔵は、盗賊の利吉は死んだ。今日から萩屋の利吉だという。
前夜 上田秀人
長谷川平蔵の父親は先手弓頭から京都町奉行へ栄転した。平蔵も出世していく。火盗改の増加役を命じられる。半年で終わったが半年後火盗改役の本役を命じられる。火盗改で手柄を立ててもててなくても出世はなかった。夢は潰えた。ならば火付盗賊改め方の鬼と言われてくれる。出世を捨て職務に励む。
浅草・今土橋 門井慶喜
味噌屋くいな屋の手代・茂七は二年前、火盗改の捕物に巻き込まれ木村忠吾の顔面に味噌をかけてしまった。茂七は悪者に誑かされ忠吾を酒に酔わせ、捕まえ火盗改を呼び出しその間にくいな屋を襲う話しに乗ってしまう。平蔵の機転でくいな屋を襲った者は捕らえられくいな屋の主夫婦は茂七の命を助けてくれるように嘆願する。息子のような者正道に戻らせるのでという。茂七は三十日のところ払いでくいな屋夫婦へお預けになった。
狐桜耳袋秘帖外伝 風野真知雄
根岸肥前守 一度狐憑きにあったように思っている者をもう一度狐憑きの話しで思い込ませる。茶碗を盗もうとした。
石灯籠 梶よう子
森山源五郎孝盛77才。喜寿の祝い。長谷川平蔵と同じような道をたどった水と油のような性格の違ったふたり。どちらも認めていたのだろう。平蔵の息子が、鈴木越後の羊羹を持って祝いに来る。
瓶割り小僧 池波正太郎
平蔵が捕まえた泥棒の顔をみて、泥棒が少年だったころに会っていたことを思い出す。
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