2018年2月7日水曜日

料理人季蔵捕物控㉞ 南蛮菓子

料理人季蔵捕物控 南蛮菓子 和田はつ子
 今年の師走飯は鰯の照り焼き汁かけ飯になった。
 春菊尽くしと続く。
 豪助の兄貴分・尚吉が江戸に戻り鰯を安く仕入れることが出来、鰯尽くしができた。
 十年前、一番の網元だった孫右衛門が抜荷の罪で捕まり処刑されていた。尚吉は孫右衛門の言いつけで十年大阪で漁法の修行した。江戸に帰り、孫右衛門の濡れ衣をはらそうとしていた。今の網元・史郎右衛門の動向を探っていた。
 尚吉の許嫁だった理恵・孫右衛門の、娘が殺される。理恵の前にも二人が同じように切り傷だらけで殺されていた。き玖も狙われた。豪助の女房・しんが狙われた。
 寒鰆尽くし、尚吉が持ってきた密漁の寒鰆で。
 尚吉が、金の仏像の中に孫右衛門を陥れた抜荷の財宝を隠していることを掴み、暴き出す。史郎右衛門が捕まる。
 史郎右衛門の後ろで糸を引いていた者がいそうだが判らなかった。
 季蔵の許嫁だった瑠璃が連れ去られる。臘梅の木を頼りに鷲尾家の近所の臘梅の林に行く。平屋に瑠璃は捕まっていた。瑠璃の病気の元になった鷲尾影守の双子の妹・幸乃が犯人だった。京の公家の養女になった幸乃は江戸に帰り、江戸の影の元締め・虎翁に育てられていた。虎翁の変わりを務めていた。十年前の孫右衛門の事件も幸乃が黒幕だった。幸乃は飴屋をしていた。薬飴が評判だった。
 幸乃は少女の時に見た堀田季之助に心を奪われ、季之助の廻にいる女を殺していた。瑠璃を助け出す。幸乃は家に火を付け焼け死ぬ。

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