2018年2月14日水曜日

拵屋銀次郎半畳記〈三〉 俠客

拵屋銀次郎半畳記〈三〉 俠客 門田泰明
 銀次郎は床滑七四郎の下、老中、若年寄が集まり大坂に親幕府創設が秘かに準備されていることを、銀次郎の道場仲間・松平辰三郎を救い出すという密命と共に、松平報徳会の越前福井藩の密使によって知らされる。
 松平辰三郎の母親は越前松平四代当主・光通の娘だった。
 松平辰三郎を救い出した銀次郎は床滑率いる論理正風会が反対勢力に対して粛正に動くことを懸念する。事件の発端になった京野屋の男衆が皆殺しにされ火を付けられ地下金蔵から四万三千両が盗まれた。御用船で大坂に運ばれたようだ。
 三人の大目付の総意で、将軍の血を受け継いできた床滑は御手打流宗家という脇役だったが、天下の頂点に立つ者という意識を持った七四郎を、神君家康の永久不滅感状を持つ桜伊銀次郎に討ち果たして欲しいと頼んできた。
 銀次郎は妖刀村雨の雄花を持つ床滑七四郎を討ちに、和泉家に伝わる正伝村雨を持って行く。床滑邸では銀次郎の暗殺の命を拒んだため、暗殺団の元締め・近江屋の女主季代が殺されていた。銀次郎は床滑七四郎を討つ。銀次郎も倒れ込んだ。
⓸巻へつづく

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