開花鐡道探偵② 第102列車の謎 山本巧次
明治十八年 六年前の滋賀のトンネル事件を解決した草壁賢吾は、再び井上勝鐡道局長に呼び出された。貨車が開業間もない大宮駅で何者かに脱線させられた。積み荷から千両箱が発見された事件の調査を依頼される。
警察は脱線させられたことより、千両箱を小栗上野介の隠し金とみてそちらに重点を置く。
草壁は小野寺乙松技手と高崎に向かう。高崎に親戚が多い小野寺の新婚の妻・綾子がやってくる。綾子のお陰で聞き込みがやりやすい。
解散した自由党党員秩父事件に関わり離散した者たちと、日本鉄道を敵視する不平士族、たちだろうという声がある。
特別列車を仕立てて生糸を横浜まで運ぶことになった。小栗の隠し金を預かっていると思われている新波市左衛門の倉庫に押し入られる。罠をしかけたようように警察に捕まる。養蚕農家のためと言いながら生糸の入った倉庫に火を付けた。自由党員を名乗る者たちだった。別仕立ての貨車が運ばれる。
草壁は襲われる場所を特定し、臨時の車両を走らせてもらい警察に追いかけてもらう。奪った物を船で運ぼうとする輩の妨害し、捕まる。士族の不平分子と言われる者だった。千両箱の中身は使えない質を落として作られた価値のない小判だった。小栗の隠し金といわれるのは、価値のない小判を置いておくと駄目だと言う事で高崎まで運んだと思われた。
分岐器を動かし脱線させたのは、高崎の貨物掛かり・萩原だった。千両箱が見付かり隠し金を狙ってくる者を罠に嵌めて一気にかたずけようと市左衛門が考えたことだった。
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