栄次郎江戸暦21 赤い布の盗賊 小杉健治
矢内栄次郎は、鼻緒屋「山形屋」の細道から出てきた小間物屋の足首に赤い布が巻いてあるのを見た。三年前に赤間一味が押し込みをする時に赤い布を巻いていることが話題になった。その後押し込みは無かったが栄次郎は気になった。崎田孫兵衛を通して山形屋から相談を受ける。一人息子・善之助が酌婦をしていたゆきと一緒になりたいと言い出した。別れろと言う父親、別れないなら勘当だという。ゆきには素性の良くない兄・政吉がいる。善之助は家を出て行った。ゆきの素性を調べて欲しいと言う。
栄次郎の兄・栄之進の再婚話が進んでいる。書院番大城清十郎の娘・美津。話は決まりそうだ。
山形屋は、再婚だ。男の子・正太がいる。民は善之助が勘当されれば、民が後妻に入る前から付き合いのあった沢五郎が赤間一味に成りすまし、主・善右衛門を殺すと言う計画を立てていた。善右衛門の気が変わり、善之助とゆきが山形屋で話し合い一泊する事になった。民は中から手引きする。政吉は沢五郎の計画を知り、仲間に入り、土壇場で阻止しようとする。栄次郎も押込みに見せかけることが判り、善右衛門に断り見張りする。
押し入った沢五郎等は栄次郎と政吉に阻止される。政吉は善右衛門を助けるため盾になり刺される。政吉は自分が死ぬ事で、ゆきの障害を取り除くつもりだった。政吉は助かった。
政吉兄妹は、蝋燭問屋「近江屋」の倅と娘だった。十年前、赤間一味に押し入られ潰れた。政吉は復讐のため赤間を探した。家を再興させたかったが難しかった事などを話した。ゆきとの結婚は認められた。
赤間繁藏は思いやりのある金貸しになっていた。政吉とゆきを護っていた。
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