2019年2月28日木曜日

九頭竜覚山 浮世綴〈三〉

九頭竜覚山 浮世綴〈三〉 寺町哀感 荒崎一海
 花街の用心棒をしている九頭竜覚山。三人の刺客に襲われる。同じ夜、殺しが二件あった。辻斬りと料理屋の若旦那が強盗に殺された。その後も夜鷹や駕籠担きが殺される。
 覚山が狙われたのは、権蔵一家と三五郎一家の縄張りに為助一家が入り込もうとしているためだった。花街を護る覚山が邪魔だった。二回、三回と刺客に襲われるが、殺す事が嫌いな覚山だが斬る。
 強盗だと思われた若旦那殺しだったが、犯人は辻斬りと同一人物だった。千二百石の旗本に養子に入り、妻に虐げられた男だった。最後には覚山に果たし合いを挑み、覚山に殺される。
 料理屋の若旦那が殺されたために、若旦那の妹と、代々仲が悪かった料理屋の息子が、川に飛び込み相対死した。若旦那が二人の仲を取り持ち料理屋を仲良くさせて二人を一緒にさせようとしていた。若旦那が殺され、どちらも跡取りとなり、それぞれの結婚話が持ち上がり、二人の望が叶わないと思い死んでしまった。


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