2019年2月9日土曜日

隠密船頭

隠密船頭 稲葉稔
 剣客船頭の後継シリーズ
 船頭で生計をたてていた沢村伝次郎は、南町奉行・筒井和泉守政憲の要請に応える。正規の同心になれないので隠密となり、家も与えられる。
 小間物問屋吉村屋で八人が殺され、三百両が盗まれ、二人が行へ不明になった。かよがいれた生姜湯を飲んだものは眠っていて助かった。かよと用心棒の鴨井十右衛門がいなくなっていた。伝次郎は二人を探す事から始める。
 長屋の紹介者、保証人探っていくと、関係者は越後新発田藩出身者ばかりだった。新発田藩の下屋敷、中屋敷、上屋敷それぞれを見張っている者がいる事も分った。伝次郎は新発田藩溝口家の家臣・秋吉圭一郎に誰かが見張り、誰かの命を狙っているようだと警告に行く。新発田藩の家老・佐治平兵衛が一派に江戸家老・酒井主馬の刺殺命令を出していた。秋吉には酒井主馬の不正の証拠を掴むよう言われていた。頼まれた刺殺者は酒井だけでなく、影響を受けた若殿の刺殺も考えるようになっていた。それを知った佐治は若殿の刺殺を止めるよう秋吉に言ってきたが秋吉には手だてがなかった。伝次郎に打ち明ける。
 鴨井十右衛門は刺客の一人だった。刺客たちはは二人を殺して死ぬつもりだった。かよは十右衛門と逃げたかった。酒井と若殿が出かけた。かよが道端で倒れ行列を止め、刺客が襲う。伝次郎は止めに入る。酒井は殺され若殿は引き返す。刺客は死ぬが鴨井とかよは逃げた。伝次郎は鴨井を探す。隠れ家で殺されたかよを見付け、鴨井は伝次郎に殺された。鴨井を活かして捕らえると新発田藩の話になる。伝次郎は吉村屋の殺しで鴨井を殺した。鴨井は金を持っていた。吉村屋は返ってきお金を殺された奉公人の家族に配った。
 

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