文化元年1804年
十月 塩谷隼人は奥の倹約を呼びかけるため、奥女中たちに睨まれていた。
奥女中・美崎は奥の家老とも言うべき御老女・早瀬60才と隼人を一緒に亡き者にしようと考えていた。毒をもるが二人とも飲まない。二人を水茶屋で会わし、眠薬を仕込み、品川で心中に見せかけ殺すつもりだった。茜の機転と条太郎、大次郎等に依って、助けられる。
加賀百万石の名家の跡継ぎ江戸に住んで二年、中條流で、白河藩十一万石の藩主・松平越中守定信が催した御前試合で決勝まで進むほどの手練れ、日比野左内は子ども相手の道場を開いていた。隼人はお家騒動の最中、左内に指南してもらった。左内は向柳原の道場を閉鎖し、深川元町に新しく構えた。
左内は茜の相手をする。左内は隼人に大次郎に対する他の者の嫉妬の嫌がらせが危ないと告げ、尼崎藩の道場で若手の稽古をつけ、みんなの前で俊作と祥平のうそと本音を吐き出させる。
十二月 尼崎藩邸御用達の畳職人の店の主一家、職人一家が襲われ、皆殺しになっていた。が表には現れていない。すべての顔ぶれが変わっていた。煤払いの日に、新しい主は本当の畳職人を雇い、藩邸の畳替えをさせている間に、盗賊に盗みをさせ、自分たちは藩主・忠告を殺す計画だった。主は尼崎城下で死罪になる寸前を酒井国家老に救われ子飼いになっていた盗賊だった。
隼人の家人の金子作左衛門が、変事に気付き、左内、条太郎も加わり阻止した。隼人は藩の若い者に人を殺す事をさせたくなかったが、若い者と共に戦おうと思った。
隼人の家に皆が集まっている時に 茜が忠告を伴ってくる。
塩谷隼人江戸常勤記4 老花 牧秀彦
文化2年1805年
七月 隼人は仇討ちの相手を四十年探している老人と出会い、相手を探す。相手は札差になり隠居していた。会いに行った時、孫が勾引かされていた。二人の爺さん工藤一馬と松崎真一郎は力を合わせて孫を救い出す。松崎は敵討ちを止め、二人揃って四国参りに出た。
茜20才は柳生藩邸での稽古の後、左内28才の道場へ行く。茜は左内に恋していた。忠告も認めている。
鏡大次郎21才は密かに傷心を抱えていた。そこにつけ入れられ傷心を癒してくれた女がいた。公儀目付が尼崎藩の秘事を探るため、弟の仕官をえさに利用した女だった。大次郎は脅され、書きつけを盗もうとする寸前、隼人に止められ、謹慎する。目付の所から姉弟を助け出し、逃がす。目付・新藤は隼人に捕らえられ自死する。
隼人は、病気の忠告に昔の奥女中・奈津に会いたいといわれ、探す。三男だった忠告が跡継ぎに決まり、結ばれず、藩邸を去った女中だった。吉原に身を売り、夜鷹の元締めをしていた。忠告に会う。忠告元気になる。
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