2016年3月16日水曜日

栄次郎江戸暦15

栄次郎江戸暦15 涙雨の刻 小杉健治
 矢内栄次郎は与力・崎田孫兵衛から、若い女・おみつと暮らすと言って家をでたまま一ヶ月連絡が無い薬種問屋の隠居を探して欲しいと頼まれた。
 栄次郎の三味線の師匠・杵屋吉右衛門が、市村咲之丞と出る筈だった市村座の舞台を降ろされた。次の舞台も無く、大和屋の後援も無くなり、吉右衛門の師匠の娘・おひでから杵屋の名前も返上するよう言われる。吉右衛門は丁度慰めてくれるおはまに会い、何もかも無くしてもいいような気になる。そんな時、吉右衛門は大和屋の態度が変だと思った栄次郎に頼まれおひでを見張っていた新八と出会い、大和屋とおひでの密会の現場に乗り込む。おひでは吉右衛門が自分との結婚を断わったことが未だに許せず、復讐していたのだった。
 おみつを探す栄次郎は、おみつと隠居とで泥棒一味のおみつの亭主を殺していることを突き止める。古井戸を埋め死体を埋めていた。おみつの友達おはまの旦那に隠居から手に入れた砒素を飲ませ殺した事も分かった。おはまは吉右衛門が出会ったおはまと同一人物だった。おみつが隠居を殺すつもりだと聞き、おみつの所へ行くとおみつと隠居は心中していた。亭主を殺したことを悔いて二人で心中したことにした。が隠居がおみつを殺し隠居は自死したのだった。おはまは吉右衛門に全て話し別れようという。栄次郎はおはまに砒素のことは誰にも言わないと言ったがおはまは自首した。が証拠が無いことと解き放ちになるようだ。
 咲之丞がやはり吉右衛門に地方をお願いしたい、大和屋さんが良いといえば出てくれるかと言いに来た。贔屓筋も同じ意見だという。吉右衛門の立唄、吉寿の立三味線ですることになった。

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