2016年3月24日木曜日

風烈廻り与力・青柳剣一郎12

風烈廻り与力・青柳剣一郎12 子隠し舟 小杉健治
 刃物でひと突きの旅人のような死体が見付かる。
年が明けて屋敷奉公の女中の様な女が去年の旅人と同じような殺され方で見付かった。が左手の肘から先が切り取られていた。
正月十二日、剣一郎の屋敷に三河万歳・沢市が来た。剣一郎は去年の旅人の死体を思い出した。沢市の相方の磯七だった。磯七の代わりにきて辞めて行った頓兵衛の似顔絵を作った。頓兵衛は女中を追い駆け腕を見ていた。
心臓をひと突きで殺された旗本の中間部屋に隠れていた江戸所払いになった男が見付かった。男は右手を切り落とされていた。男と女中は下総古河の久米蔵の所から逃げてきていた。久米蔵に頼まれ頓兵衛・義平は二人を殺しに来た。殺した証拠に腕を切り落とし久米蔵の許に送っていた。義平は角兵衛の所にいた。
子供の勾引かしが六軒あった。勾引かしは角兵衛がお金を出し、三人の男にやらせていた。三人の顔が知れ、青柳剣一郎が似顔絵を持って探している。危なくなり角兵衛は止めるつもりが、三人は角兵衛をつけ脅そうとする。一人を殺すが、後二人の殺しを義平に頼む。一人残った多吉は昔仕えた旗本の奥様・お久が岡場所に売られているのを助けようとしていた。文七は多吉を義平から助け、勾引かしの話しを聞き、二人で子供を助け出そうとする。子供たちは旗本屋敷にいるため手を出せなかった。義平が現れるのを見張り捕まえる。子供たちを連れて行くため屋敷から出る時に助けた。
角兵衛は相模屋の番頭だった。旗本の知行地で開墾し新田を作る事になった。数年前に疫病が蔓延し子供たちが大勢亡くなった。そのために養子が欲しかった。送り込むために勾引かしをした。孤児を勾引かし里親になる。子供も幸せだろうと思った。旗本の用人はそう言う。用人は切腹した。
多吉とお久の客だった沢市のお金を合わせてお久を身請けした。多吉は島送りになるがそんなに長くないということだった。
相模屋惣兵衛も島送りだが時期をみて帰ってくるらしい。
剣之助は志乃と酒田に行ってまだ、帰っていない。

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