貸し物屋お庸1 江戸娘、店主となる 平谷美樹
庸は15才、父親は大工の棟梁だった。男言葉で話すお庸の前に湊屋清五郎が現れ、始めて体験する感情が心を乱している。
お庸!と呼ぶ少女の声で目が覚めた時、逃げろ!と父親の声がした。父と母は押し込みに殺され、お庸は背中を斬られたが命は助かった。
お庸は仇討ちのために力を借りたいと湊屋に行く。鉄火の又蔵の居所を突き止めてもらう。乗り込んで行くが殺さなかった。同心・熊野が来て捕まえて行く。お庸は湊屋の新しい出店の主になった。
中間が雛人形を借りに来た。腹黒い者が持つと雛人形の顔が代わるという面白い雛人形を本店から借りてきて渡す。後を付け見張っていると、大身旗本の姫が輿入れするのに腰元の数が足りないので娘を集めている。示度金を用意するように言われた者が集まってきていた。雛人形は仕掛けの小道具だった。詐欺だった。お庸は清五郎に言われ、皆の前へ出て行き、雛人形や裃が貸し者屋から貸された物だといい放つ。そこへ同心・熊野が現れ、詐欺集団を捕まえる。
古い笊を借りに来た。母親を昔を彷彿させる家に住まわせるが、笊だけは納得させられないという。お庸は清五郎から新しい物に古色を施す職人・六兵衛を紹介してもらう。清五郎は純金の煙管を真鍮に見せるようにしてもらっていた。笊に細工をし、母親に見せる。母親は蕎麦を打ち、息子・善吉の名を呼ぶ。
女の子のお化けが出ると弟・幸太郎12才が言いに来る。お庸を起こした少女だ。神棚や仏壇の物を落としたり、部屋を荒らしたりする。お庸が行っても治まらない。清五郎に物の怪退治の坊さんを紹介してもらう。少女は産まれて来なかった庸の姉・りょうだった。りょうは家神になろうとしていた。庸が使っていた部屋に膳を供え、花を供え、人形や玩具を置くことになった。
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