2016年3月17日木曜日

明治・金色キタン

明治・金色キタン 畠中恵
明治二十一年 
滝 原田 銀座四丁目の交番勤務の巡査
布藤 東坂 多報新聞の記者
阿住 喜多 内務省・社寺局の役人
 赤手と菜の花 滝と原田は阿住と喜多の護衛をして、排仏毀釈で廃寺になった甫峠寺の別院の跡地に行った。甫峠村の特産は菜種油だった。寺の跡地に菜の花が咲いていた。赤手は仏塔の中で何かを探したがったが阿住はすぐに倒すつもりだ。強風が吹き、仏塔は倒れる。滝と原田は阿住と喜多を助けた。赤手が見付からなかった。甫峠村は五寺五仏を壊していた。阿住は跡地で片腕のない赤い仏様を拾ってきた。赤手が帰って来た。
 花乃と玻璃 花乃はかのう会に入っていた。会員たちが手を貸し会員の願いをかなえ合う会だという。花乃脱退する時、五之倉が滝に小さな珠を預けて行った。滝がかのう会を解散させたことでいろんなことに巻き込まれる。五之倉も甫峠に関係があった。小さな珠は仏像の額の白毫だった。排仏毀釈の時いなくなった僧は五之倉の兄だったという。
 モダン美人くらべ 女学校の生徒の写真が出回り美人くらべが行なわれようとした。滝は写真が出回ったり、順位が他に漏れたり、不思議だった。美人比べ一位だった春子の婚約者が婚約を破棄したいために、外に漏らしていた。婚約者・仁科氏爵が派手な経歴を好まないという理由で婚約を破棄にした。
 闇の小路 甫峠村から六林みつと肇が東京の喜多の部下・分家の六林広一の所に来た。肇は阿住の子だと言う。が阿住は覚えが無いという。みつも自分が知っている阿住ではないという。肇が生まれた頃、阿住は甫峠村にはいなかった。阿住の名を騙ったのが誰だか判らない。肇が殺された。殺したのは分家の六林広一だった。預かっている本家のお金を使い込んでいた。肇が調べ、帳尻が合わないことを指摘されたから、殺していた。広一は小路を逃げ惑い、川に飛び込み亡くなった。
 上野の競馬 競馬場で仁科子爵と馬が銃で撃たれて亡くなった。犯人の疑いがあると滝と喜多と商人の吉田と下働きの子供・九郎が捕まった。子爵が殺された理由が解った。という噂を流した途端四人は釈放された。滝は犯人が銃を撃ったと思われる所に行き、吉田の話を聞き、犯人が軍だということ、狙われたのは馬だったという事が分かった。軍馬の種馬に雑種の馬を買おうとするものと雑種は駄目と言う者がいたということだ。四人を狙う狙撃者の居場所を特定するために滝が囮になり、発砲場所を摑んで原田が撃ち捕まえた。
 祟り、きたる  
崩れる、崩れる仏の塔が崩れる。人はご加護を失い祟られる この世から消える者がある
叶う、叶う、全てが叶う。幸運を邪魔した者が祟られる。素晴らしい幸運を失う。
写す、写す、奇麗な娘を写す。止めた者が祟られる。死ぬものが出る。
いけない、いけない、上野で走ってはいけない。祟られる。上野にいけばうたれる。
走るな、走るな、暗い小路を走るな。祟りで水の流れに呑み込まれる。
苦しい、苦しい、五つの話に関わった者が、祟られる。目の前が真っ赤に染まる。
阿住の屋敷が火事になる。滝は取り残された阿住を助けに行く。二人は百木屋でお高の薬を塗られた。阿住の居所を隠して多報新聞で阿住の連載を始めた。阿住が呼び出され勾引かされた。全員が仏塔跡へ呼び出された。犯人は大月・司法省をまとめる役人だった。大月は川に飛び込み亡くなった。仏塔跡から仏像一体と五僧の骨、幕末の志士たち六人の骨が見付かった。大月も甫峠にいた志士だと分かった。甫峠村の村民が遺体を船で運んで行ったのを見たことがあった。

阿住・布藤・五之倉・赤手は五仏を守っていた僧を探すために五仏の変じた姿だった。
滝は鬼神・仏を守護するもの、お高はさとり

0 件のコメント:

コメントを投稿