2016年3月26日土曜日

炎天の雪(上下)

炎天の雪(上下) 諸田玲子
 宝暦七年 1757
 加賀の大槻伝蔵事件の十五年後と大盗賊で有名な白金屋与左衛門の話
七年前多美と与左衛門は、多美の家が武家であったため駆け落ちをしていた。多美の家を知られないように暮らしていた。与左衛門は腕の良い、細工師だった。十五年前に大槻事件があり、十年で四代の代替わりしたり、加賀は不景気で不平不満だらけで細工物の注文などなかった。
二人は大槻伝蔵の縁者を助けようとしている佐七と親しくなり巻き込まれる。佐七は仇討ちを考えていたが、小笠原文次郎や高桑政右衛門等により、子等今から牢送りになる人々を助けようという動きに変わった。が、与左衛門は悪い動きに飲み込まれる。博打、遊女、盗賊との付き合い、お金のために盗賊に手を貸す。最後には盗賊の盗みを全て与左衛門がやった仕事として1764年生吊胴打ち首になる。博打をしている武士がいもずる式に捕まり、連座制で粛正された。
五代綱紀の側室・六代藩主の生母・預玄院の命を受けて動いている小笠原文次郎は、現藩主の母親の力を借り大槻の子15才や側室たみ等は許され寺を経て江戸へ行った。
1766年与左衛門の妻多美は自由になり佐七のもとに行く。息子当吉は打ち首になったことになっているが、江戸で中左衛門を名乗り、能狂言のつづみ師になっている。兄は俳諧師になった。

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