2016年6月24日金曜日

あくじゃれ瓢六

あくじゃれ瓢六 破落戸 諸田玲子 
 織姫 北町奉行所定町廻り同心・篠崎弥左衛門は一月前から立て続けにおこっている盗賊騒ぎに忙しい。瓢六は奈緒から西洋医術の心得のある江庵先生を妖怪一派から守り、江庵の側に居る者が妖怪に繋がりがないか調べるように言われる。死んだ杵蔵の子分だった平吉が江庵の伝言を浪人や船頭に届けていた。瓢六は押し込む店を定め見張るが江庵の横には妖怪の手先がいる。南の奉行所が盗賊のことを知らない筈は無い。南町が来る前に平吉を連れ出そうとしたが、平吉は刺される。平吉を抱え掘り割りに待っている阿部家の船に逃げる。平吉は死んだ。江庵は盗むが人を殺したことが無かった。人を殺したのは妖怪と手を組んだ忠吉だった。
 奈緒18の夫はさる人の身代わりに罪をかぶり切腹した。産まれたばかりの子は元服すれば遠島となっていたが、遠島を免れ出家した。
 ちょぼくれ 南町奉行所同心・塚田五郎兵衛の息子・彦三郎と北町奉行所同心・篠崎弥左衛門の息子・弥太郎は狸穴の男谷道場で習っている。塚田五郎兵衛がちょぼくれに化けて居るところを見た。
勝麟太郎は蘭書を手に入れ父親の鴬谷庵に隠している。麟太郎は水野越前守の崇拝者・青山組に襲われる。ちょぼくれに化けている塚田が鴬谷庵に出入りしていた。塚田が言う。どんな本があるか探っていた。南町のお奉行は水野越前守から乗り換えることにした。
小吉がちょぼくれに呼び出され本所に来た。瓢六は鴬谷庵が気になり行ってみると何者かが家捜しをしていた。金隠しにひもがかけてあり風呂敷包みがぶら下がっていた。五郎兵衛は小吉を逃がし、勝のお宝を青山組の略奪から守った。が五郎兵衛は木にぶら下がり殺されていた。
 老中が水野越前守に代わり阿部伊勢守になった。
 恋雪夜 若い女房と番頭を連れた駒込の隠居があちこちに顔を出す。その隠居の正体を探る謎の老人がいる。隠居を探る老人とは奈緒の老僕・留造だった。隠居の正体と留造の行方を探すうちに、池から引き上げられた留造の死体を見付けた。留造は吹き矢で殺され池に投げ込まれていた。駒込の隠居の家と思われる家に行く。捕らわれたような女が居た。二人を殺すための女だった。捕まえる。雪が降り帰れない。着物を乾かすためにも暖めるためにも二人は着物を脱ぎ抱き合い結ばれた。駒込の隠居は捕まった。
於玉が池の幽霊 勝が象山の所へ行く。付いて行った瓢六は於玉が池に幽霊が出ることを聞く。顔が半分焼けただれているとか、六年前の火事の時稲荷へ逃げた芸者だとか。瓢六はお袖ではないかと思う。中野村で浪人が集められている。奈緒と瓢六は調べに行く。浪人たちはのんびりしたものだ。二人は気が付いた。二人を殺すための罠なのだと。夫婦げ
んかを装い母屋に行き、母屋で皆と寝ることにした。於玉が池の幽霊は親の決めた縁談から逃れるために顔を焼いた女だった。
化けの皮 源次の娘・さきに好きな人ができたようだ。相手の事を調べる。当吉という彫師だった。
南の同心の妻女と小伝馬町の牢役人の娘が殺され目を抉られていた。当吉の兄弟子・次郎太はご禁制の書物の版木を作ったということで牢に入っていた。その最中に女房・すずは川へ身を投げた。牢から出た次郎太は寝ついてしまっていた。瓢六は目を抉る犯人が当吉でないかと疑う。仮病を使っていた次郎太が犯人だった。牢に居る時、次郎太の目の前で三人にすずは犯されていた。それですずは身を投げた。三人の妻子を殺した。次郎太はもう一人すずを牢に連れてきた当吉も狙っている。おさきは呼び出され出て行く。次郎太は捕まった。
 奈緒が小出屋敷の瓢六の長屋に忍んでくる。抱き合う。
 水野越前守が老中に返り咲き、鳥居耀蔵は南町奉行を解任された。
破落戸(ごろつき) 本所の破落戸がどんどん捕まる。水野越前守が中間を探しているらしい。水野の何もかもを知っている者。新しく入った駒吉は越前の手先だった。瓢六を湯船に押し込む。青山組が入り口に火を付ける。駒吉は飛び出て殺された。瓢六は女湯かから出た。年の暮れ奈緒と成田山新勝寺に行く約束をする。
熊の仇討 火事があり水野家が飼っていた熊が逃げ出し、旗本親子が熊を斬り殺す。旗本親子が殺された。瓢六は熊係りの整三郎と出会い、水野に整三郎の取り成しを頼みに行くことになった。整三郎が青山組に狙われないように頼んだ。
水野は二月老中を辞職した。青山組は渋谷川の河原で切腹した。
 奈緒が阿部伊勢守の側室にあがることになり瓢六は猫を預かる。整三郎のお陰で猫がなついだ頃、奈緒に返すことになった。奈緒を偲ぶものがなくなった。奈緒が側室になることを断わったと連絡に来た。

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