2016年6月20日月曜日

とびきり屋見立て帖2

とびきり屋見立て帖2 ええもんひとつ 山本兼一
夜市の女 とびきり屋の真之介とゆずは始めて夜市に行く。桝屋喜右衛門に頼まれた茶碗と梅田雲浜の詩が書いてある白扇を売りに行った。大した物ではない茶碗が百五十両で売れてびっくりだ。本当は箱の絵が割り符になっていて、短筒を取り引きしたのだった。買ったのは桂小五郎の代理人幾松だった。
ええもんひとつ 香道を教える藤原老人の所に行く。雉の姿の香炉は売らないという。夏に相応しいいい香りを聞かせてくれれば売ってもいいと言われる。真之介は何日も行くがだめだった。ゆずはご飯炊いて塩さば焼いて、おみそ汁を作った。線香花火もして懐かしい匂い。ゆずは貰ってきた。墓を建てる約束をする。奥さんが亡くなって墓を拵えてなかった。ゆずはこの香炉を売る気はない。道具を十点買ったら一番いい道具を残しておき九つ売って利益を上げる。手元にいい物が残る。それが財産になる。
さきのお礼 ゆずは扇を店で扱えないかと扇屋に行くが上手くいかなかった。五条坂で白磁に少し色を付けた螢手の茶碗を見付けた。ゆずはお願いする時、先にお礼を言っておくのだという。(七夕飾り)
お金のにおい 芹沢鴨が李朝の徳利を売れという。壬生の郷士を紹介する代わりに徳利を持って行かれてしまった。真之介は三両と言えず三十両で買い付けをしてしまう。落ち込む真之介だが、ゆずは中の壺が李朝官窯の物だと見抜いた。真之介は対馬藩に売りに行く。二百両で売れた。手代の牛若が二人がくっつくと金のにおいがするんやという。
花結び 桂が逃げ道に二階を利用するようになる。着物を着替えて裏の寺の塀を乗り越える。その時密書を預かった。ゆずは茶壺に密書を入れ、口に飾り結びをした。若宗匠がその茶壺を売れという。売れ、売れないで揉めている時芹沢がくる。若宗匠と結び対決をする。ゆずが勝ち密書は守った。幾松に渡す。(大文字の送り火)
鶴と亀のゆくえ(とびきり屋のなれそめ噺) まだ真之介がからふね屋に奉公している時。東の茶道家元が、鶴と亀の双幅の軸の亀の軸を探して欲しいという。若宗匠が女に渡し、それが道具屋に廻ってしまったという。若宗匠の結納の席に飾るつもりだ。西の家元が持っていた。真之介は亀が行く方の物にしようと言い、亀は東の家元の方に行ったので東の家元の手に戻った。若宗匠の結納の相手はゆずだった。真之介はからふね屋の主人・善右衛門にゆずと結婚することを許して欲しいという。・・・一巻千両花嫁に繋がる。

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