2016年12月20日火曜日

大江戸木戸番始末(三)

大江戸木戸番始末(三) 千住の夜討 喜安幸夫
 両国に京傀儡一座がやってきた。三年前、一座は四ツ谷で興行していた。四ツ谷の商家・富駒屋に盗賊が入ったが手代が気付き手代が殺され、何も取らず逃げていた。
 杢之助には判った。三年前に招待され店で興行し、店の間取りを調べていた商家に両国で興行している今、押し入っている。両国の商家へ呼ばれ、間取りを知って何年後かに押し入るつもりだ。
 近所の彫金師・庄三郎は一座から仲間になるように言われていた。断っていたが子供を人質にされることを心配していた。富駒屋で錠前を開けるのに時間が掛かったのは庄三郎の父親・増造らしい。
 杢之助は捨次郎と四ツ谷の源造が手を組み四ツ谷の商家を張り込むよう仕組む。張り込みを一座の者が気付き、逃げるように仕組む。千住方面に逃げた一座の頭と副将格を殺した。杢之助を刺そうとした治助を増造は殺した。増造は商家の間取り図と鍵を開ける為の道具を川に捨てる。杢之助は増造を逃がした。
 杢之助は元盗賊白雲の一味だった。

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