2016年12月24日土曜日

鈴の神さま

鈴の神さま 知野みさき
 鈴の神様1996 有川冬弥 14才中二の春休みを二週間、四国の高野町で過ごした。有川夏彦65冬弥の母方の祖父だ。会社を退職した後、先祖から受け継いだ土地で生活している。五年になる。冬弥はその頃、小さい時から習っていたピアノの国際コンクールの前に突き指し、コンクールをキャンセルしていた。クラッシックに懐疑的になり息抜きだった。
 祖父を夏彦殿と呼び遊びに来る小さな子供がいる。祖父は安那殿と呼ぶ。安那は山の天辺の神社の神様だった。鈴守だった。冬弥は安那の幼名・沙耶と呼ぶ。沙耶は甘い物が好きで、アイスクリームを食べ過ぎるとおなかを壊した。沙耶にはお目付け役兼家庭教師の楓殿が付いている。楓は神狐だという。全ての人に沙耶や楓が見えるわけではないらしい。声が聞こえているわけでもないらしい。
 二週間を過ごした冬弥は夏休みに又来ると約束して沙耶に別れを告げた。京都の倉貫家(祖母の実家の旧家)のピアノを高野に運ぶ手続きをするために京都へ行った祖父は電車の事故で亡くなった。
 父の仕事の転勤で冬弥はロンドンに引っ越した。
 引き出しのビー玉1945 去年の年の瀬塩野家は高野に疎開することにしていた。夫・斉に赤紙が来て斉がいなくても和30は、斉の友達の白石家に疎開を決めた。高野に来て妊娠に気付いた。和さんが安那と会っていた。安那は丸い物を集めていた。和さんはビー玉を買った。和は安之を生んだ。一年と三ヶ月ぶりに斉が帰ってきた。山の向こうに住んでいると言う安那に会おうとしたが見付からなかった。山の天辺の社で安那が拾っていた丸い小石がいっぱい落ちていた。安那ちゃんも来たのね。やすなと話すことがどれほど救いになったか。三人は東京に帰ることになった。
 ジッポと煙管1988 東京で俳優を目指している鵜木次郎38はあまりぱっとしない俳優だった。岡山の実家に帰ったついでに、姉が嫁いだ四国の高野町に行った。散歩に出て道に迷い行き着いた先の家に安那がいた。時代劇のセットに迷い込んだような家にいたのは鋳掛け屋の銀次と奥の美野と安那と楓だった。安那は鈴をきれいにしてもらっていた。銀次に煙管とジッポの交換を願われたが、マーネージャーがくれた・相棒がくれた・大切なパートナーがくれた物だからと断った。安那は雛屋のお菓子が土産にいいと教えてくれた。帰る前に鈴守さんを訪ねると山の上の神様だった。姉にお供えを頼む。岡山に帰った次郎に時代劇のオーディションが決まったと連絡が入る。東京に飛んで帰る。
 秋桜2005(1925)雛屋のお祖母ちゃん85才・美鈴、ひ孫と祭りに行く。八十年前に安那と会ったことを思い出す。京都の飴と屋台の飴を取り換えっこした。安那と楓、やっちゃんも生きていればおじいちゃんだと思う。ひ孫の美樹も安那に出会ったようだが・・・。安之も時々来ていた孫が祭りに来ている
 十四年目の夏休み2010 冬弥28はロンドンにいるゲームソフトの音楽担当、音楽ソフトを手がけている。高野の土地を売る話を聞いて東京に帰る。そして高野に行った。雛屋で土地の話や山の話を聞く。
 雛屋のお菓子を持って祖父がいた連翹荘に行く。京都にあったお祖母ちゃんのグランドピアノがあった。ハル叔父が冬弥にそんなに思い入れがあるならそのままにしておけばいいと言う。別荘にすればいい。安那がピアノの音に釣られて遊びに来た。沙耶は冬弥じゃな。とうとう夏休みが来たのじゃなと言う。
 冬弥が空港に着いた時、人気者になった鵜木次郎がいた。

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