2016年12月9日金曜日

天を灼く

天を灼く あさのあつこ
 天羽藩六万石 五百石大組組頭、執政入りは堅確と言われた伊吹家の当主・斗十郎が市中の商人と結託し、私腹を肥やし藩の財政を損耗せし罪により切腹した。
 妻・茂登子 
 娘・美鶴18才 小姓組頭今泉家に嫁ぐが父親の切腹後伊吹家に戻る。砂川村に住むようになり、昔帰りをするようになった茂登子が母でないことを口走り、柘植左京と双子で生まれたことをしる。
 息子・籐士郎 友達 郡奉行支配下・郷方勤め下士の次男・大鳥五馬と百石で無役の風見慶吾、未だ元服前
 柘植左京 捕らわれて以後斗十郎の世話をし、領内所払いになって砂川村に住むようになってからは左平と雑用を担った。父親は斗十郎、双子の美鶴は伊吹家に引き取られ、母方の柘植家で育てられる。母を早くに亡くし祖父に育てられる。柘植家は牢屋敷の番人、また藩の命令で刺客になることもある家である。
 
 父親の切腹の介錯をした刀を託された。刀の茎に父の潔白を証明する、五百両の金が出雲屋から川辺家老に渡された花押付きの証文が隠されているのを見付ける。津雲家老の受領書もあった。
 父の友人学者・御蔭八十雄に証文を託し、江戸の殿様に渡すよう頼んだ。刺客として現れたのは大鳥五馬だった。下士の次男からの引き上げ役職を望み津雲家老に加担していた。五馬はわざと籐士郎の刀に刺され死んだ。
 斗十郎は商家と執政を結びつけ陰で操っていた。そんな斗十郎に江戸の殿様から藩の内政を調べる命令が来た。調べられている執政者に罪を着せられた。
 籐士郎は山越えをして江戸を目指す。先生の囮になるつもりだ。五馬の敵討ち、生き延びること。天羽が変わるのをこの目で見届けるつもりだ。柘植と一緒に旅立つ。
 
 

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