2016年12月1日木曜日

I love letter

I love letter あさのあつこ
 半年間引きこもりだった17才の高校生・が、伯母・奈波睦美・むぅちゃん30の会社ILLで働くことになった。文通を業務とする会社だった。
 I love letter 夫を殺したという手紙が来てから滞っている女性の家に行った。女性は亡くなっていた。女性が書いてきた手紙の内容と違って穏やかな一生だったようだ。娘が最後の手紙を預かっていた。遺言はすべての手紙を焼くようにということだった。
 さよなら、ママ ぼくはママを殺そうと思います。で始まる手紙を貰う。彼の母親が階段から転げ落ち意識不明の重体だと新聞に出た。隣人と話をしていてむぅちゃんは「突き落としたのはあなたですね。」と言う。留守の時、少年を預かったり面倒を見ているのに、隠で悪口をいっていることが分かり少しぐらい不幸になっても・・・と思ってしまった。少年の名前で文通し、忍び込んでいた。目の前で、少年が帰ってきた母親に飛びつき母親は階段から落ちたのだった。むぅちゃんは録音していた。自首を勧める。お母さんの意識は戻った。
 幼なじみ 岳彦の幼なじみから十年ぶりに電話があった。絵梨の自殺を匂わす内容に驚くが住所は分からない。絵梨はマンションの屋上から飛び降りた。葬儀場から出て行き自殺しようとした少女・三浦愛佳に声をかける。君が絵梨を殺した。愛佳が絵梨の振りして岳彦に電話をしてきていた。同性愛者だったが、絵梨が別れてまともに生きたいと言い出したから悔しくて・・・。絵梨を突き落としていた。警察に一人でいけると言う愛佳。むぅちゃんは刑務所にもお客はいるという。
 こいぶみ 引退した元女優・吉村花世が恋文を探して欲しいとやってくる。二人で家を訪ねる。むぅちゃんは命を狙われた。「こいぶみ」と言う映画で息子を破滅させた女に復讐する役だったが評判が良く無く、引退に追い込まれていた。志保子役の女優は人気者になっていた。志保子役の女優とむぅちゃんは似ていた。吉村花世は精神鑑定を受けることになった。
 猫が鳴いている 二十八才の四年間引きこもりの男性・高村賢吾から手紙が来る。岳彦の手紙に後押しされ夜、外に出た賢吾が、玄関から血まみれの顔で飛び出しきた女の人を、家の中から出てきた男が腕を引っ張り連れて入るのを見た。目が合った女の人は助けてと言っているようだったと書いてきた。続けて、来た手紙には、口の周りが腫れた奥さんが、通りに向かって投げた紙だと、「助けて、殺される」と書いたくしゃくしゃの紙を入れてきた。出てきた男が彼女を引きずるように家に入れた。僕は人と話が出来ない。どうしたらいいのか。と書いてきた。むぅちゃんの知り合いの警察の人に連絡する。高村が吉野の奥さんを刺したということで警察に連行されたという情報が入る。手紙を持って警察に行く。吉野幸次が警察に呼ばれ、DVを認め、犯行を自供した。奥さんは意識不明のまま。高村さんは夜だけ出歩けるようになった。
 Lov letterの降る夜に 鈴森さんから、Love letterが欲しいという手紙が来る。だんだん強要になり、脅迫になる。岳彦はありのままに出来ないことを書いた。過去を振り返る手紙に戻った。手紙が来なくなった鈴森さんに梅雨前にはがきを出した。梅雨が明けた頃、鈴森さんの姪が最後の手紙を持ってきた。すてきなラブレターを貰ったと言っていた。
むぅちゃんが出してきた宝物のラブレターは むうちゃん だいすき せかいでいちばん すき たけひこ 五才の岳彦が書いた手紙だった。

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