2017年12月15日金曜日

神様の御用人(6)

神様の御用人(6) 浅葉なつ
 東国の武者 良彦は孝太郎に誘われ東京に行く。藤原氏の子孫という男に付きまとっている平将門の怨霊と出会う。将門は復讐と言いながら男が妹に連絡することを遮断していた。将門の御用はあの男を追い詰め復讐することだった。男は将門にされることを偶然と映画撮影とおもうことでごまかしていた。桔梗が現れ、将門に謝る。将門は裏切り者と言い続ける。良彦は桔梗が裏切るつもりだったのか分からないこと、将門がなくなったあと後追いで入水自殺をしたことを話す。将門は桔梗をこの手で弔ってやりたいと恨みの正体がわかり桔梗と共に消える。将門が憑いていた男は吉田怜司・穂乃香の兄だった。穂乃香の周りに出没する男・萩原良彦に会うために孝太郎に連れてくるように頼んでいた。
 神様と兄と妹 怜司は穂乃香が天眼であることで、謂れもないいじめを受けてきたことを知っている。怜司は穂乃香に家・大主神社を継ぐ選択肢を残すため家を出、嫌われるようにしている。
 経津主神が建御雷之男神の命令のことで相談にきた。経津主神が建御雷之男神の世話をしていたが、時風の末裔を呼び交代するように言う。大国主に国譲りを交渉した二神。建御雷之男神は鹿島、経津主神は香取に祀られる。経津主神は剣神。建御雷之男神が中臣時風の末裔と言うのは吉田怜司だった。中臣時風は鹿島から春日へ歓請された際大和までの道を供に歩いた人、鹿島社の社司だった。
 良彦が電話で穂乃香と話す。穂乃香が兄妹はいないと言ったのは、自分と兄妹と言うと兄は嫌がると思っているからと言う。穂乃香のことでと呼び出した怜司を鹿島行きのバスに乗せる。良彦と穂乃香が関係した神々の話をする。怜司は自分をみて謝ってばかりいる穂乃香が笑うには自分がいなくなればいいのだと考えた。大切だから遠ざける期間は終わった。とアドバイスする。
 怜司も神が見えた。建御雷之男神は巫女であった斎主を一神にした。無理にさせたのではないかと考え元に戻らせようとしていた。傷つけないように遠ざけようとした。主の隣にいる自分が一番自分らしいと経津主神は言う。
 穂乃香は大国主と須勢理に鹿島に連れてきてもらった。穂乃香と怜司は誤解を解いた。
 親愛なる姉上へ 良彦は宗像三女神に迎えられる。頼みは昔、巫女がいたことを証明して欲しいということ。
 良彦は三女神から聞いたサナがいた痕跡を見付けた。サナは天武天皇に嫁いだ。一人の皇子を儲けた。天武は日本書記の編纂を命じる。平行して稗田阿礼によって古事記がつくられた。古事記は712年に出来上がり、八年後日本書記が出来上がる。宗像三女神について書かれた内容が全然違う。姉妹の順番、名前、鎮座地。良彦が三女神から聞いた話と全部合うのは古事記だった。長女が田心姫神、次女が市杵嶋姫神、末女が湍津姫神。鎮座地を沖津宮、中津宮、辺津宮になっているもの。田心姫の本当の名前・多紀理毘目売命と残している。サナしかこれらのことをきっちり伝えられなかったと思う。

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