宗元寺隼人密命帖〈四〉 江都落涙 完 荒崎一海
三人の幼い姉弟が、亡くなった姉の子を引き取り面倒見ていた妹・叔母・もんが帰らないために大川に身を投げた。もんがどうして帰らないか、どこにいるか調べている北町奉行所定町廻り同心・秋山平内や文蔵に宗元寺隼人は助言をする。
備後福山藩十万石老中・阿部備中守正精が辞意を漏らしたため、叔父・松平和泉守乗寛より寺社奉行・水野和泉守忠邦の老中就任を阻むよう要請される。松平乗寛の老中就任を阻まんとして老中首座・水野出羽守は家臣の名を騙り、京町娘を誑かすという卑劣な策を弄した。(①)小四郎は両水野家を探る。
もんが海で土左衛門で見付かった。もんがどこに行っていたのかを探る。火盗改の小者をしていた駒次郎が袈裟掛けで殺される。駒次郎の通う道を辿る。白金の浜松水野忠邦の抱屋敷に目が行く。用人、家老、留守居役が出入していた。船で出入も出来る。持ち主は宮大工、もん・文と藤姉妹を両親から託された人物だった。
隼人が毎日佇んでいると命を狙われた。三兄弟の父親を探す。宮大工は長女は忠邦の子という。宮大工は留守居役・井上に姉妹を託していた。
もんを屋敷に運ぶ船頭に木曽屋はもんと話しがしたいと連れてきてくれるよう頼んだ。もんは船から飛び込み亡くなった。もんの死は木曽屋の横恋慕ということになった。
水野忠邦の老中昇進はなくなったが、松平乗寛の甥・宗元寺隼人は目を付けられた。隼人は寺に住んでいた。忠邦は寺社奉行のため江戸から出ることになった。乗寛の一声で隼人は弥生と一緒になり国許で道場を開くことになった。国許で落ちつけば寅吉とかねと孫のすずを呼ぶ、文蔵の下で働いている竹次をすずと一緒にして道場の用人にしたいと希望を話す。
藤堂家の殿様が病に罹り、祈祷師に心にくもりがと言われ刺客を送っていないと伊賀の百地五郎兵衛がいいに来る。
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