喜連川の風④ 切腹覚悟 稲葉稔
内川の氾濫と天水池の干ばつで実りの悪い、東乙畑村と山苗代村と越畑村の三村が年貢徴収の来年への繰り延べか安くするか免除にしてもらいたいと訴状を出した。天野一角が受け取り中老・伊藤竹右衛門に渡す。一角は村を周り何か考えないと困るだろうと思うが、竹右衛門は跳ね返すことしか考えない。一角に百姓を説得できなければ腹を切れとまで言う。村人と竹右衛門の間で悩む一角。
越畑村の百姓の娘・すわは飯盛宿に売られていた。一緒になろうと言っていた大工の仙吉と足抜けする。すわにご執心だった佐野久右衛門は追いかけ仙吉の家の納屋で二人を見付け仙吉を斬り殺してしまう。すわは逃げた。一晩たち佐野は顔を見られた仙吉の父親も殺した。佐野は逃げた。お金欲しさに行商人を二人殺した。
一角は直訴しようとか一揆だと言う百姓をなだめ一ヶ月待ってもらうところで手を打っている。一角に江戸への用が命じられる。一角は倉橋与七郎に留守を頼む。伊藤は一角のいないうちに訴状を突き返そうとする。そのために徒士の藤井に隠し米を探させる。百姓に見付かる。
江戸から帰る一角は佐野を見付け連れて帰る。佐野は捕まった。
伊藤は隠し米を探すように命令したことが分からないようにするため、藤井を殺そうとする。一角に止められる。一角の責めにあい、伊藤は他の中老、家老に相談する。次の日、御所様の答えがでた。今年の年貢は免除、天水池の修復工事をすることになった。伊藤は腹を斬った。すわは仙吉のもっていたお金で身請けされ、白沢宿の旅籠で働くことになった。
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