2018年7月10日火曜日

浅草料理捕物帖〈五〉 明日の膳

浅草料理捕物帖〈五〉 明日の膳 小杉健治
 孝助は十一年前のなみ川
 料理番付作り、元板前染次が殺される。鶴の屋の道太郎
大喰競争鶴の屋  十字屋の十右衛門の還暦
 
 料理番付け表を作ろうとしていた元板前の染次が殺される。
 還暦の祝いを鶴の屋で開催しようとしていた十字屋の十右衛門が殺される。孝助が調べていると文蔵から別の事件の調べに移るように言われる。
 鶴の屋の隣に住んでいた十右衛門の妾から鶴の屋での開催を辞めようとしていると聞いた鶴の屋の道太郎は、十右衛門の妾と関係を持っていたことも知られてしまったので十右衛門を殺していた。
 犯人を知った孝助を、道太郎と十年前のことで繋がっていた文蔵と同心・丹羽溜一郎が襲う。三人は捕まる。丹羽はお役御免になる。
藩に復帰したと偽り、孝助から離れていた十郎太が、当時の藩の内情を話してくれる。十年間のなみ川のことが明白になる。
 十郎太の藩・伊予諸角家では、十年前、世継ぎを十四才の宗千代に決まろうとしていた。江戸家老・渡良瀬惣右衛門が反対した。渡良瀬は宗千代が殿の子でなく、青井彦四郎の子だと思った。追求された青井は留守居役・柴田金右衛門に相談し、渡良瀬と、十郎太の父親も殺された。その時、なみ川が使われ、河豚の毒が使われた。渡良瀬だけが死ぬと怪しまれるので別の客も殺され、なみ川は河豚を出していないので食中毒とされなみ川は潰された。
 最近になって殿が宗千代の出生を疑い遠ざけていた。青井は宗千代は殿の子供だと書き残し自害した。青井がいなくなったことで蟠りがなくなり世継ぎは宗千代に決まった。
 十郎太は父親の敵を討とうとしたが、柴田に頭を下げられ宗千代のためになされたことなので止めた。藩に帰参した。
 道太郎は鶴の屋を孝助に返した。孝助は妹・新を呼び寄せ女将にした。
 
 

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