2018年7月8日日曜日

切り絵図屋清七⑤ 雪晴れて

切り絵図屋清七⑤ 雪晴れて 藤原緋沙子
 絵双紙本屋「紀の字屋」を切り盛りする清七は元々は勘定組頭・長谷半左衛門の次男。正妻・多加の子供ではなかったため多加と長男・市之進に苛められ長谷家を出ていた。
 半左衛門は、勘定吟味役・佐治長門守の秘密裏の命を受け旅立つ前に、清七の次男の届けを出していた。
 清七は佐治に呼ばれ、半左衛門が襲われ生死が判らないことを告げられた。勘定奉行・谷田部貞勝の不正の証拠探しに行ったことを告げられ、父親探しに飛騨へ行くことになった。
 飛騨で清七も襲われる。父と一緒にいた桑井が見付かるが記憶を失っていた。不正を書き付けた書類を衿に隠し持っていた。父親が生きていることが判る。半左衛門は不正の証拠固めに伊豆にあると思われる谷田部の別荘に行ったようだ。
 清七も不正の塊のような谷田部の別荘で父を見付け、捕まっていた父を助け出し江戸へ帰る。証人は徒士目付けに託す。
 多加が亡くなっていた。死ぬ前には清七への態度を後悔し、市之進に兄妹手を取りあって長谷家を守るようにと市之進に言い残していた。
 

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