2018年7月16日月曜日

はむ・はたる

はむ・はたる 西條奈加
 勝平12才は孤児だった。下は三才十五人の孤児が集まり、掏摸やかっぱらいをして食いつないでいた。勝平は頭分だった。同心・高安に捕まり、お上の裁きを受け、長谷部の婆さまが身元引受人になって三町に分かれで暮らすようになった。長谷部家で稲荷寿司を作り稲荷を売に行く。
 六年間、旅をしていた長谷部の次男・柾25才が帰ってくる。自分が紹介したために道場主の後妻に入り、師範代と一緒に道場を食いつぶし、師範代と逃げている女・蘭を追いかけていた。世話になった道場主に申し訳がなく、敵を討ちたいと思っていた。
 事件に遭遇しながら十五人は助け合い、柾に助けられたり、教えられたりしながら生活していた。
 蘭と師範代・相良隼人を見付ける。蘭を囮に相良を呼び出す。勝平は仇討と言う人殺しを柾にさせたくなかった。高安を呼ぶ。相良と柾は果たし合いをし、柾が勝つ。蘭は勝平の首に腕を回し、刀を突きつける。柾は隙を見て、蘭を斬り、勝平を助ける。蘭は死ぬつもりだった。
 白州で勝平は柾は自分を助ける為に蘭を斬ったと言い、高安も道場主の縁者も無罪放免を願い出たが、柾は敵討ちだと言い張った。江戸払いになった。三年位だろうという話し。

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