2018年7月15日日曜日

おれは一万石⑤ 無節の欅

おれは一万石⑤ 無節の欅 千野隆司
 正紀と正広は菩提寺の本堂改築の資金二百両を調達でき、世子の座を降りなくてすんだ。また、浜松藩先々代藩主の娘・暉を正室にしている三河吉田藩七万石の当主・松平信明が加わることになった。
 材木の調達は入札により檀家でもある高浜屋に決まったが、小佐越屋と建部と正棠が良からぬことを考えていた。
 山野辺は、材木の崩れを引き起こした小佐越屋を調べていた。綱を切ったものは殺され、浄心寺の改築の宮大工の命も狙われた。犯人は寺男・塚原だった。塚原は浜松藩士の息子で建部や小佐越屋と綱がっていることが分かった。
 高浜河岸で材木を調達に行く高浜屋一行に、下妻藩士や塚原や建部の家来・大田黒が同伴する。正紀は東国三社参りの許可を貰い、影で付きそう。高浜河岸で材木の崩れをお越し、いかだの綱を切ろうとされたり阻止し命の危機に晒されながら捕まえる。
 建部と正棠の不正の利益を得ようとしたことと、正紀と正広を世子の座から引きずり降ろそうとしたことがはっきりした。松平信明が間に入った。建部は切腹、正棠は藩主のままだが、実務は正広が行うことになった。塚原も切腹した。
 小佐越屋は山野辺が捕まえ、死罪、店は闕所になった。
 正紀と京は二人で浄心寺に行き、水子供養をした。京は立直ったようだ。
 菩提寺・浄心寺の解体が始まった。

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