2018年7月18日水曜日

妾屋の四季 

妾屋の四季 外伝 上田秀人
 秋の章 妾屋山城屋の用心棒・山形将左は吉原の三浦屋に売られてくる娘たちの用心棒のため白河まで行く。江戸中の妾屋を支配下に置こうと考えた惣名主・西田屋を山城屋と三浦屋が手を組追い落としたために、西田屋の忘八による意趣返しを心配していた。襲ってきた忘八を、山形は、女で稼ぐ商売ゆえ、身体を張って女を守るという信念で阻止する。
 冬の章 妾屋を廃業した伏見屋の客だった会津屋から妾の斡旋を頼まれる。山城屋昼兵衛は、飛脚の和津に会津屋のことを調べを頼み、会津屋にいる、公家の姫様と会津藩の若殿との関係を知る。会津屋が若い男女の恋を陰ながら支えていた。山城屋に妾を派遣することにした。
 春の章 津軽藩の用人が、国許からくる国家老次席のために妾を手配するため山城屋を訪れる。前にきた同僚と同じ妾を頼まれる。自分の優位を誇示するためだった。昼兵衛は、津軽藩士に襲われるが、妾の手配を拒んだ。
 夏の章 妾屋の相模屋が用心棒を借りに来る。八重と所帯を持った大月新左衛門が、昼間は和津に代わり仮眠を取って見張る。昼兵衛も大月も和津も何者かが盗みに入ることは承知していた。川崎屋の姑と相模屋が、婿に妾を持たせ妾も一緒に婿の貯めたお金を盗み追い出すつもりだった。山城屋は妾屋は店とのつき合いではなく旦那個人との付き合いだという信念だった。盗人を捕まえ、相模屋と交え店を潰したくなければということで、騙した婿に百両、山城屋に五十両を要求する。

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