出世侍(一) 千野隆司
藤吉18才は上州新田郡長船村の名主甚兵衛の家に下男奉公していた。雑用、馬の世話、米作り、建物の営繕、荷運び、荷船の船頭役なんでもこなした。
甚兵衛の娘おあきに文字を習った。おあきがならず者に襲われたことから自己流で剣の修業のようなことも始めた。
利根川が氾濫しそうになった時、隣村の農民を説得し手伝いを頼み、手伝いの男が川に落ちたのを助けた。居合わせた領主・旗本八百石御鉄砲箪笥奉行永穗忠左衛門に付いて江戸へ出る事になった。
江戸で若様・忠太郎に付いて学問所へ行き、庭で講義を聴く許可をもらった。忠左衛門に遺恨がある兄弟が馬で忠太郎を攫った時、そばにいた人の馬を借り追いかけ、忠太郎を救い出す。若党に取り立てられる。二本の錆びた刀をもらった。
殿様の鉄砲箪笥奉行の仕事中、二挺の鉄砲が無くなる。夜の間に27挺の鉄砲が25挺になていた。このままでは切腹、家は御取り潰しなる。藤吉は用人見習いと怪しい人物を探し出し、商家に捕縛にいくが、鉄砲が見付からない。藤吉は井戸につるしてある鉄砲を見付ける。
藤吉は中小姓になる。川端藤吉と名乗った。
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