2015年12月30日水曜日

拵屋銀次郎半畳記

拵屋銀次郎半畳記 無外流・雷がえし 上・下 門田泰明
 銀次郎は拵屋と呼ばれ、町人体だが、家禄五百石旗本桜伊家の嫡男だった。17才の時、書院番番士末席だった。大阪城在番になった父・桜伊元四郎時宗の不祥事のため、閉門になるが、曽祖父の代に家康公から頂戴した感状があるため、家屋、敷地供に減らされる事なく旗本五百石の身分と禄高は保証され、銀次郎の跡目相続も認められていた。
 亡くなった母の兄・和泉長門守兼行・旗本千五百石目付けより、老中から直接命令が出た。大阪、京都で大店を狙った火付け皆殺し、盗みが続発しているが一人も捕縛出来ていない五万五千両が奪われている。組織集団を探索し殲滅せよ。ということだった。
江戸でも巴屋が押し込みに合い付け火で燃えた。関連したように銀次郎の無二の親友・旅籠経営の長之助が殺された。剣客同心・千葉要一郎を調べていた岡っ引き寛七親分も殺される。千葉は銀次郎と同じような身の上だった。家が取り潰しになった時、千葉は千葉家に養子に入っていた。
 銀次郎が襲われる。目的は感状だった。千葉要一郎が首領だった。千葉を倒した時、命令を出す者が亡くなり、解体した。将軍だった。城の金蔵が空になりかけ金蔵を満たせと命令された。手段は任された。考えたのは千葉だった。動いたのは隠密草だった。
 長之助の父、大阪の香具師の大元締めが百人連れて長之助を手厚く葬った寺に礼を言いに来た。

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