2015年12月21日月曜日

お鳥見女房

お鳥見女房 諸田玲子
珠世40 御家人八十俵五人扶持、十八両の伝馬金を頂く鳥見役の矢島伴之助45の内儀
久太郎21 長男十人扶持伝馬金十八両を頂く見習い役
幸江23 珠世の長女、17才で百三十石の旗本小十人組に嫁いだ。息子・新太郎5
次男・久之助  隠居・久右衛門67
君江17才 珠世の次女
 千客万来 久右衛門を頼って浪人・石塚源太夫34が子供五人(源太郎10、里9 秋7 源次郎6 雪4)を連れて居候する。久次郎が道場で立ち合った娘・沢井多津を連れ帰る。多津は源太夫を仇と追っていた。珠世に敵討ちは預かると言われ、矢島家に居候する。
 石榴の絵馬 正月明け 源太夫の次男・源次郎が、吉原の元遊女・菊太夫に連れ去られる。見付けた時菊太夫は源次郎に抱かれて死んでいた。
伴之助に密命が下った。二月半ば沼津へ出立
 猫恋奔る 久保早苗36、同じ組屋敷に住む、三年前に夫を亡くしていた。早苗は組屋敷を出て、隠居生活をする相手を探しているようだった。久右衛門はその気になっていたが早苗は源太夫が希望だった。源太夫は断わり、早苗は王子村へ引っ越した。
 雨小僧 源太夫が連れてきた籐助が帰った後、お金が盗まれている事が分かった。籐助が雨小僧かと疑った。籐助はお金を返しにき、知り合いの蚊帳売りの話しをする。久次郎の友達・菅沼隼人に話す。捕まった雨小僧は蚊帳売りだった。籐助の盗みは珠世と源太夫しか知らない。源太夫は屋根の修理をした。
 幽霊坂の女 梅雨明け 三年前、火事で焼けた武家屋敷の養子・松原市之助が家督を継ぐ事になった。三年前から結婚が決まっていた市之助だったが、火事は市之助が女中に子ができ、女中を殺した時に起こしたものだった。市之助の許嫁・佐代が市之助を殺し、自分は井戸に身を投げるという事件が起こった。珠世は女中が佐代に乗り移り起こしたのだろうと思った。
伴之助の繋ぎ役の骸が見付かる。
 忍びよる影 源太夫に松前藩から仕官の話しがあった。多津に心を寄せる父親の弟子・南波与五郎が現れる。源太夫と多津は刀を交える。多津は父の気持ち自分の気持ちが判った。与五郎が手を出し源太夫に斬られる。多津は源太夫と松前に行く事にした。
 大鷹狩 久次郎は多津を思っていたが思いは適わなかった。次男でもあり、先が見えない焦りがあった。父親・伴之助の行方不明を知り、沼津へ行く。源太郎が伴之助の行方不明を知り、松前藩の仕官の話しを断わり沼津に行く。久太郎は大鷹狩で水野越前守忠邦の鷹を見、忠邦本人とも顔を合わす。獰猛な鷹だった。
年の暮れ一年が過ぎた。

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