2015年12月22日火曜日

お鳥見女房2 螢の行方

お鳥見女房2 螢の行方 諸田玲子
 ちまき泥棒 多津が関口駒井町の栗橋道場で少年たちを教えている。秋はちまき泥棒が食べ過ぎてお腹を痛めたのを知り、内緒で薬を渡す。水晶の数珠を持ち逃げし仏壇屋を飛び出した丁稚のようだ。珠世は数珠代を払う。訴えは取り下げられたが本人は知らないまま逃げている。秋は一個の水晶玉を貰った。
 螢の行方 珠世は二十年会っていなかった幼馴染み・美弥と会う。珠世は美弥の駆け落ちの約束の文渡しをしていた。最後、美弥は来なかった。美弥は旗本の側室となり、次左衛門は大名の家来の養子になった。旗本の所領地へ行く美弥に何故来なかったのか尋ねた。次左衛門の文に間違いがあっても許す。と書いてあり何も無いことを信じていなかったから。と言った。
伴之助は無事と言う情報が入る。
 捨案山子 放生会の前に久右衛門は鰻屋の勘兵衛という男に会った。放生会で一緒に雀を放そうと約束したが来なかった。旗本の隠居・太田勘兵衛のようだ。役目を笠にきて阿漕な事をしたとの噂だ。水野忠邦に目を付けられ、家臣に殺されたようだ。
 緑の白菊 君江と多津と子供たちで菊見に出かける。君江は隼人を待っている間にもめ事に巻き込まれ茶屋の娘に伝言を頼まれる。行った先でお産が始まった。産婆を手伝う。赤ん坊は産まれたが、母親は死ぬ。茶店の娘と隼人が探して来てくれた。
家に伴之助の筆跡のような文が投げ込まれる。
 大凧、揚がれ 大凧を揚げている男と出会う。男は居なくなった子供を探して見付かるように名前入りの凧を揚げていた。男の子供は亡くなっていたが、認められないらしい。
 雛の微笑 珠世が祖母に贈られた雛人形を出す。祖母の婚家は小普請組頭だった。多津は沼津に行く決心をした。久太郎の結婚話があるようだ。老中水野のお声がかりで。当主が行方不明で今は止まっているらしい。
沼津藩主・水野忠義が亡くなった。鷹が襲い怪我から毒が入り三ヶ月後に亡くなった。鷹匠は自死した。伴之助の仕事は調べた地図を持ち帰るだけになった。明日出立という前夜多津が着き、街道は待ち伏せされている事を告げる。久次郎の味方女中を縛り、老爺を殺し、出立した。
 裸嫁 小十人組に嫁いだ幸江が裸嫁と言われたと婚家を飛び出してきた。持参金も無く花嫁支度も無く嫁ぐというのは熱心に望まれた証拠、褒め言葉だと言われる。松井家の奥様が籠を連ねて迎えに来る。二人目を懐妊した事を知らせ、籠で帰った。
久太郎は鷹狩りの時、水野忠邦の家来から、父親は沼津を出たと言われるた。
 風が来た道 珠世は親切にした掏摸に巾着を擦られた。伴之助からの文が入っていた。掏摸が捕まり珠世に返して欲しいという伝言があった。珠世はありがとうと伝えてという。
伴之助たち四人は杣人の案内で山越えをした。杣人を信じていいのか分からない。小屋を出たために追ってに見付かる。杣人に助けられ江戸に帰り着く。杣人は老中に仕えていた。珠世は伴之助に会う前に源太夫から伴之助が変わってしまったと教えられる。珠世は久右衛門もそうだったと話す。

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