2016年11月30日水曜日

クルト・ヴァランダーシリーズ 6

クルト・ヴァランダーシリーズ 6 五番目の女 上・下 
        ヘニング・マンケル 訳・柳沢由美子
 詩人で一人暮らしの元自動車販売業者・ホリゲ・エリクソン、花屋の経営者・ユンタ・ルーンフェルト、ルンド大学研究助手・エウフェン・ブロムベリと男性がむごい殺し方で殺されていく。板橋が折れ、竹槍が何本も刺してある壕に落ちる。何日も監禁し弱ってから木に括りつけられ首を絞める。口を締めた袋に入れられ湖に掘り込まれる。
 三人の共通点を探す。エリクソンの家から傭兵の日記が見つかる。調べるが関係ないようだ。三人の共通項は暴力を揮うということだった。
 エリクソンの壕の底から二十七年前に殺したと思われる・女性の骨が見付かった。ルーンフェルトの妻は十年前氷の割れ目に落ちて死んでいた。ブロムベリの妻は夫のDVを証言する。
 イースタ病院に謎の看護婦が現れる。三人目の被害者と関係がある入院患者・カタリナ・タクセルがいた。カタリナの少ない関係者の中から、容疑者・スウェーデン鉄道の車掌・イヴォンヌ・アンデルを割り出した。四人目の犠牲者の殺害を阻止するが、アンデルに逃げられる。エリクソンの家の望楼で捕まえるが、ハンソンの取られたピストルでアン・ブリット・フーグルンドが撃たれる。フーグランドは左腹を撃たれ、生死が危ぶまれたが、三度の手術を受け、回復する。
 アンデルは父親の暴力を見て育った。一年前、母親が旅行先のアルジェリアの修道院で、フランス国籍の尼僧が四人殺されるという事件の巻き添えで亡くなったが、アルジェリア警察当局にいなかったことにされたということを知った。このことが切っ掛けで、アンデルはひどい行為をしたにも拘わらず、捕まらない男達を罰し始めた。調べたリストには四十人の名があった。
 アンデルはヴァランダーだけに話した。母を殺した男を誰が探すのですか。に始まった。告白が終わり、ヴァランダーの手が離れた時、アンデルは自殺した。ヴァランダー宛ての遺書には母を殺した男は誰が探すのですか。と書かれていた。
  
 ヴァランダーは父親とローマに旅した。楽しい一週間だった。ローマから帰って二人散歩し、関係が良くなったと思った。帰国後一週間、ヴァランダーの父死す。
 ヴァランダーはバイパ・リエバと住むための家や飼う犬をさがしている。

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