薫風ただなか あさのあつこ
鳥羽真吾 三百石 組頭を務める鳥羽家の後嗣・14才 藩学での瀬島の取り巻きから受ける狼藉が理由で郷校の薫風館に学び場を移す。
間宮弘太郎 三十石 家は代々普請方を務める。薫風館に通う14才
栄太 薫風館に通う。島崖村の名主の息子。小柄で物静かな町見屋を目指す秀才 13才
佐久間平洲 薫風館の学頭。
鳥羽兵馬之介 真吾の父 現在は家を出て剣友の姉・巴と別の屋で暮らしている。
鳥羽依子 兵馬之介の妻・真吾の母。美しいが矜持が高い
瀬島孝之進 藩学に通う。中老で藩の権力者、瀬島主税之介の嫡男。14才
石久藩藩主・沖永山城守久勝30才と嫡男・千寿丸5才は命を狙われていた。筆頭家老・庭田と商人との癒着を暴くつもりだった。その前に狙われた。弟・伊予丸は庭田の養女の産んだ子だった。薫風館の佐久間は庭田の縁戚であり、繋がりが強い。瀬島が藩政を握れば薫風館を閉鎖しようとしていた。
佐久間は教え子・町見家・磯畑軍平が瀬島を破滅に追いやるような書状を手に入れた。佐久間はその書状を手に入れようとした。
真吾たち元服前の子どもたちが巻き込まれた。
真吾は父親に薫風館を探れと言われる。
栄太は磯畑から講義を受けた後、磯畑から佐久間に渡す書状を預かる。真吾と一緒にいた栄太を見た瀬島の取り巻きは一人でいる栄太を待ち伏せ襤褸の塊のようになるまで狼藉を加えた。栄太は鳥羽家で養生する。佐久間は見舞いと言いながら栄太の荷物を検めに来る。
瀬島の取り巻き阿部たち四人が殺された。指が切り落とされ拷問されていた。気がつき話せるようになった栄太を狙って鳥羽家に刺客が押し入った。栄太は預かった書状を木の洞に入れたことを思い出した。三人は探しに行くが無くなっていた。
瀬島孝之進は自分の取り巻きが栄太を襲うことを知り止めに行ったが遅かった。栄太は無残にやられ、生き死にも判らないような有り様だった。栄太を真吾の家に運んだ。その時、書状に気付き持ち帰り読んだ。孝之進は真吾宛ての遺書を書き切腹した。孝之進は、知ってしまえば到底このまま生きていけないものだったと書き残した。孝之進は焼き捨てていた。
真吾は父の後ろには殿様がいる。役目から引くために巴を利用した。兵馬之介は瀬島派のように動いた。と考えた。
三月が過ぎた。庭田家老が罷職していた。家禄半減、隠居。執政の半分以上を外した。中老瀬島も致仕した。
兵馬之介が執政陣に加わることは無かった。鳥羽家にも現れない。巴がどうしているか動静は伝わらない。
佐久間が学頭を辞めるらしい。
阿部たちを殺した犯人は未だ見付からない。見付からないままのなのだろう。庭田派なのか瀬島派だったのか。
孝之進は命を捨てて父親を諌めた。もしや、藩主暗殺を企てたのは庭田ではなく、瀬島だったのかも。目的は藩主を亡き者にすることではなく、庭田家老に罪を被せ、冕ぐることにあったのではないか。書状にその証しが記されていたのではないか。と真吾は考えた。
何も確かなものはない。何も判らないまま。
栄太は言う。自分も人も殺さなくてもすむ道があるはずです。生きる道を作るために学んでいるんだ。
薫風館は甲子園に出場していた。薫風館は前身の藩校の時から名前が変わっていなくて三百年以上の歴史がある・・・・・。甲子園でやれる野球を存分に楽しむ。三回戦で終わった。
0 件のコメント:
コメントを投稿