新・古着屋総兵衛〈十四〉 にらみ 佐伯泰英
大黒屋に古着大市を止めるよう脅迫状が届く。元禁裏付・飯久保左内が伊吹衆を連れて江戸に戻り、御目付け就任が決まっていた。飯久保左内は大金が動く、「古着大市」に目をつけた。伊吹衆の得意技は毒ヨモギ煙だった。捨吉が捕まえた伊吹衆の一人・飛助に大黒屋の裏の顔を見せ、伊吹衆の手出しの無謀を諭す。
飯久保左内が就任する前日、左内のいる屋敷に鳶沢一族が出陣した。飛助は伊吹衆を説得し、御頭一族を除く二十人に手出しをさせなかった。伊吹山に帰った。飯久保左内は死んだ。
古着大市の出し物は中村座の若手役者の芸の披露になった。新栄橋の上に舞台を作った。
中村座の前座に近所の子供たちの舞のお披露目があった。七代目市川団十郎が「にらみ」を演じた。老中・青山忠裕がお忍びで大黒屋を訪れ、総兵衛と交流を持った。
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