2017年7月22日土曜日

剣客船頭(十七) 涙の万年橋

剣客船頭(十七) 涙の万年橋 稲葉稔
 ちぐさの女将・千種と船頭・伝次郎は、病気の夫・宮本精三郎と志保夫婦と知り合う。夫婦は子どもを馬で蹴り殺した佐久間周蔵を敵と探していた。夫婦と関係のありそうな吉乃丞が殺された。
 新人の深川六軒掘あたりの岡っ引き・伝七が伝次郎の前身が同心だと知り、調べさせようとする。伝次郎と伝七が揉めた夜、伝七が殺される。若い北町の同心・中村八之助も伝次郎に疑いを掛けるような振りをして、犯人を捕まえさせようとする。
 伝次郎は伝七から聞いたことを頼りに犯人を見付ける。吉乃丞が役者の頃からの贔屓だった今は足袋問屋の後添え・たえに自分との仲を主人に言うと言うようになった。吉乃丞殺しを鐵藏一家に頼んだ。伝七がたえに疑いを持って近づき、主人に知られる事を恐れ伝七の殺しも頼んでいた。
 伝次郎を殺しに来た者を捕まえ中村に渡す。中村に心で接してこそ人は動くと言う。
 伝次郎は宮本夫婦に子どもの仇討ちを思い留めようとするが宮本の決意は固い。伝次郎は佐久間を呼び出し、佐久間を動けなくして宮本の仇討ちの御膳立てをする。佐久間は殺さないでくれと頼む。宮本は殺せなかった。二人は行徳に帰った。

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