浅草料理捕物帖〈四〉 てんぷら擬宝珠 小杉健治
菊屋橋のたもとの屋台天ぷら屋「展開屋」がある。店主の弥吉は十四才の時、客の男に天ぷらを食べさせてもらい、母親の薬代を恵んでもらった。弥吉は十年前の恩人を探すため、屋台を先代から引き継いだ。ついに喜久次と名乗る恩人が現れた。が、現代の喜久次に疑問を持ち始める。
天ぷらに興味のある幸助は弥助から話を聞く。弥助の先代・亀二は幸助の実家・なみ川の事件に関係が有りそう。幸助は聞きたかった。亀二が地獄送りになった悪行と屋台店の元手の話をする直前、亀二は亡くなった。亀二は文蔵と昔馴染みだった。屋台は奉行所の許可を与えられていた。
喜久次が話す人、店に関係する人が殺されて行く。喜久次の本名は銀次。今は殺し屋になっていた。銀次は弥吉に話す。和太郎の内儀と逃げた喜久次は内儀を岡場所に売っていた。和太郎の頼みは目の前で喜久次を殺すこと。和太郎の頼み料は、飯田屋と美香堂の紹介。
飯田屋の内儀は病気で激痛に悩み、殺してくれと何度も訴えていた。飯田屋の婿は美都屋の内儀と夫婦のようなものだから離婚させようとすると手切れ金を要求した。隣で幸助は聞いていた。
銀次は捕まり、殺したことは認めたが、頼まれたことは言わないまま、獄門になった。
和太郎は昔の内儀を身請けした。お金は銀次から出ていた。
幸助は文蔵の信頼を得られた。なみ川の事件の真相糾明に前進したか。
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