神様の御用人4 浅葉なつ
夢の簪 神様の御用人見習い・萩原良彦は古事記を読み始めた。
今回の依頼は紀伊国造の祖・天道根命(あまのみちねのみこと)。昔の記憶が曖昧になっている天道根は、神大和伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)から紀国を治めるように命じられる前から持っていた白い簪、この簪が何なのか。夢に現れる女性は誰なのか。を調べて欲しいと言う。
和歌山へ行った良彦は、野球で知り合った大野達也に出会う。達也は名草戸畔(なぐさとべ)の子孫で神社の息子だった。父親は名草戸畔を調べる郷土史家で変わり者扱いされているため、父子の確執があった。明治時代に無くなった資料を探し、誤って伝えられる名草戸畔を調べていた。達也は御用人に任命されたが断っていた。
真実の行方 達也には、姉がいた。母親代わりの姉だった。神官になるはずだった。四年前事故に遭い寝たきりだった。達也は姉を元気な姿にしてくれるなら御用人を引き受けると言った。眷族神は出来ぬと言った。以降、達也は眷族神を無視した。拒絶し尾は消えた。
達也の姉・奈々実は天道根が北島と名乗って野球を見ている時に出会っていた。
名草戸畔が持っていた簪は白い簪と同じ形だが、丹色だったことが分かった。
女王の遺言 達也の父親が倒れた。良彦は、親父さんは名草戸畔がいたことを証明したいんだ。証明出来れば自分たちの存在も証明出来ると思っているんだと達也に言う。名草戸畔がいたから自分たちがいる。家族の繋がりの証明なんだ。二千年以上昔から受け継がれる血脈。
良彦と達也は、倒れる前に父親が片づけていた授与所を片づける。江戸後期に建てられた建物の屋根裏から厳重に油紙と布で包まれた「名草文書」と書かれた和綴じ文書と木箱を見付けた。
名草戸畔が降伏し、名草の冠を差し出した。神武は受け取らず、紀伊国を治めるように命じた。名草戸畔は戦いで負った傷が元で死ぬ前に弟・アヤタヒコに後を託す。天道根は思い出した。名草戸畔の弟だった。天道根は昔を思い出し力が戻った。はぐれた人の子を見付けたら家族の元へ戻るように言っておくという言葉を残して飛んで行く。
見付けた物を親父に見せるという達也。御用人の仕事って案外わるくないな。とつぶやく達也。奈々実が自分の名前をしゃべったと連絡が入る。
良彦は御用人の見習いがとれて、本採用になった。
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