香彩七色 香りの秘密に耳を澄まして 浅葉なつ
秋山結月 この世界には目には見えないけど大事なものがいっぱいある。と祖母に教えられて育った。仙風館大学人文学部一回生。
鼻が効き、食べ物に含まれるものはよく分かる。コーヒーの匂いに釣られ薬学部第一薬草園の小屋を見付ける。小屋を隠れ家とする、神門千尋と薬学部芳香医療研究室教授・澤木孝之助と出会う。神門千尋は香道宗家、神門家の跡継ぎ、小屋で城の模型を作っている。
初恋 予備校以来の知り合い清水啓太に交通事故で亡くなった友達の手紙を見せられる。何も書いてない手紙にうっすら匂いが漂うだけの手紙。千尋に相談し、亡くなった友達の知り合いに会いに行く。啓太は安土城の模型で千尋を釣り一緒に行く。匂いの意味は告白だった。啓太と一緒に墓参りに行く。ローズマリーを持って行く。君を忘れない。
勝れる宝 隠れ小屋で隆平と会う。千尋の従兄弟の仙風館高校
二人に連れられて行った東水寺で結月は初めて香道に接した。住職・海棠は三種類の香木を出し、今度結婚する檀家の娘さんに送ろうと思うがどれがいいだろう選んで欲しいというものだった。
結婚する娘は檀家も娘ではなく住職の娘だった。東水寺から送られた藤の木のある団子屋「ふじや」でアルバイトをしている結月と馴染みのたかなしゆかり(小鳥遊紫)だった。香木を送るよりも確執があって出ている娘に会いに行ってやれ。と言った。
君を思う 結月の近所の高校生がシガレットケースを持っているのを見付かり停学になった。煙草を吸わない愛美がシガレットケースを持っているのはおかしいと思った結月は隆平と千尋の力を借りて調べる。ふっと匂ったオシロイバナの匂いを手掛かりにして。
愛美が隣町から越して来る前の幼馴染み・鈴原杏奈の両親が離婚し、彼女の生活が一変していた。生活費や学費のためにガールズバーでアルバイトをしていた。愛美はオシロイバナの咲く公園で杏奈が通るのを待っていた。シガレットケースを返そうと思って。シガレットケースは愛美の母親が捨ててしまった。杏奈は愛美と話すことを拒否する。結月はシガレットケースを探しに行く。四人で
香、満ちる 「ずっと友達だよ」とメッセージが書かれたプリクラが貼られたシガレットケースを見付けた。二人は泣き笑いして仲直りした。杏奈の家のことは市に相談する。
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