物書同心居眠り紋蔵⑮ 敵討ちか主殺しか 佐藤雅美
廻船問屋伊勢徳の隠居・徳兵衛 旗本屋敷の貸し土地に隠居所を建てるが火事に遭う。旗本屋敷に火事場泥棒が入るのを見る。旗本の盗まれた刀を見付ける。
八丁堀の戸塚玄庵の所に通い弟子・井上以伯がいる。以伯は作州津山の松平家の家臣だった。養生所でひどい待遇にあった小関正蔵を家に引き取り養生させた。小関正蔵は五万石重村丹後守の尚武館で剣術指南役をしていたが、家臣・早瀬小弥太に身体をぶつけられ足を折り、立つことが出来なくて養生所にいたが、垂れ流しになっていた。正蔵の足が治り以伯の所を出た後、養生所の同心二人、中間五人、下女五人が殺された。その後早瀬小弥太も殺される。正蔵の行方は判らない。
以伯は三十年前の祖父の敵を追っていた。三十年前、京都で医者をしていた。殺され、金と「瀉法薬考」と題した薬の処方の原稿も盗まれた。薬の処方から玄庵が怪しいと思っていた。信州飯田の清吉とわかり仇を討とうとしたが、弟子になったことで主殺しになると言われる。以伯は玄庵を討てなかった。役人に渡した。
火盗改め・小野左太夫は手柄を欲しがった。捕まえた者を紋蔵に退けられていた。
藤木紋蔵が親になっている文吉は、御家人・剣持忠三郎と名乗っていた。五万七千石越後村山内藤家家臣・六百五十石の家付き娘・玉との養子縁組みを断り、芝居小屋の木戸番をし、観音政の所にいた。
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