2017年8月6日日曜日

中條流不動剣〈六〉

中條流不動剣〈六〉 老将、再び 牧秀彦
 塩谷隼人は将軍・家斉の一言で隠居から江戸家老に再任された。柴崎条太郎は尼崎藩の用人になり、日比野左内は剣術指南をしている。
 老中・土井大炊頭利厚は尼崎藩藩主・松平忠宝とは実の叔父と甥の関係だが、松平家の部屋住みで養子に行くまで冷遇された利厚は尼崎藩に恨みを抱き、出世を遂げた今では隼人の命を狙っていた。
 土井大炊は定飛脚問屋・大坂屋と組む。大坂屋は三橋会所を設立し、橋を作り、維持管理をする。橋を造るため口入れ屋を押さえる。八十隻の菱垣廻船を廻船問屋に貸している。
 真正直な商いをする相模屋徳三の材木を幕府が召し上げ、打撃を受ける。
 隼人が江戸で集めた農具、農業本など尼崎に船便で送るが全てを海に流された。次便の荷に付いて隼人は大阪に行く。隼人の命を狙う者があることを知った左内は、五千石の旗本・松平信一郎のところで、小兎馬を借りて大坂へ向かう。神崎の渡しで襲われている隼人を助けるが左内も傷を負う。左内は殺し屋や殺しを、大阪に住む花月庵蒼生・松平蒼次郎に頼む。蒼次郎と澄江、辰次と丈之介が始末した。
 口入れ屋の相模屋助三は徳三の腹違いの弟。大坂の米相場で儲け、徳三に渡す。隼人の左内も江戸に帰る。
 

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