新・知らぬが半兵衛手控帖① 曼珠沙華 藤井邦夫
4年前、半兵衛の手先だった鶴次郎が行商の百姓娘を助けようとして旗本の倅に斬り殺された。半兵衛は果たし合いを申し込んで討ち果たした。半兵衛は臨時回り同心の職を返上し例繰り方同心になっていた。
曼珠沙華 北町奉行所例繰り方同心・白縫半兵衛は吟味方与力・大久保忠左衛門から定町廻り同心・本田又四郎が毒を盛られたかもしれないので調べるように言われた。
本田が調べていた事件を調べる。献残屋蓬莱堂の主殺しだった。弟の徳助が浪人に殺しの依頼をしていたことが判った。本田を殺してはいなかった。
本田の妻・百合江は年番方与力・石原主膳の遠縁で親を亡くし引き取られていた。五年前、百合江は関係を迫られ、奥方が知り、本田に嫁いだ。本田をお役御免にすると関係を迫られ、本田の知る所となった。主膳は本田に毒入りの酒を用意し、百合江は知らずに本田に飲ませ本田は亡くなった。石原は切腹した。本田は病死のまま、主膳は乱心のためということになった。
半兵衛は臨時回りに戻った。半次も手先に戻った。放っておくとどうなるか分からない音二郎は下っ引になった。
弥次郎兵衛 昌平橋で身投げしそうだった女・すみを見た。すみを調べていくうちに、付き合っている男・銀次に、勤め先・堺屋の見取り図を作り、金蔵の鍵の型を取った物を渡していた。銀次は盗賊木更津の酉蔵一味に売っていた。半兵衛に知らされたすみは銀次を刺す。銀次は命を取り留める。すみは姿を消した。酉蔵一味の盗人宿に踏み込み捕まえる。
出逢った女 浅草で博打ちの貸元・萬吉を殺したとして風間鉄之助が村上真十郎を捕まえた。殺したという証拠もなければ、殺していない証拠も無い。殺していない証拠を探すことにした。
村上は四ツ谷で女・志乃と会っていたことが分かった。志乃の父親・横沢嘉門と、村上は元小田原藩士だった。殿様の愚かな行状を厳しく諌言した横沢は暇を出され、親子は出奔した。殿様は娘の許嫁・村上に上意討ちを命じた。村上は討つ気が無く五年間会いもしなかったが偶然会ってしまったのだった。誰と会っていたか言わなかった。
半兵衛は風間に萬吉の用心棒を捕らえるように言う。風間は用心棒と妾を捕まえた。
二十日後、横沢は病死した。志乃は駆けつけた浪人と弔いを済ませ姿を消していた。
おっ母ちゃん 音二郎は八丁堀に近い稲荷長屋に引っ越した。同じ長屋のよしと新吉親子を尾行て見張っている者がいた。高利貸の甚兵衛の手下だった。よしに一緒になろうと言った故買屋の彦七が甚兵衛に騙りを仕掛け金の観音様を二百両で売っていた。よしの前に現れた彦七は甚兵衛の手下に殺された。甚兵衛を彦七殺しを命じた罪で捕まえた。
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