かりんとう侍 中島要
嘉永七年 1854年 安政二年 1855年
日下雄征(たけゆき)23才 兄が賄頭を務める家禄二百石の旗本の次男、妻帯して十年の兄夫婦には子どもがいなかったが、懐妊した。小普請支配組頭・有森俵衛門の娘・富美江との養子縁組みのはなしが持ち上がる。雄征には慕ってくれる芸者・鶴次がいた。鶴次の借金を払った材木商が鶴次を妾にしようとする。峰正の妻・美里と会い、有森家との縁談を断る。日下家を出る。
雄征の幼馴染み
小笹鉄之進26才 代々大番務めの小身旗本の部屋住み。剣術に勤しみ、町道場の師範代。後に、雄征のことを己の中でふわふわしていたと言う。進二郎は人の仲でふわふわしていたという。
増山進二郎24才 二百石の旗本小普請支配の次男。組頭に縁談を申し込み「身の程知らず」と断られた。組頭の娘・富美江と雄征の婚姻の話を聞き、雄征の芸者との話をでっち上げ邪魔するが、整ったことで雄征を斬ろうとする。その後、行方不明になる。
香川峰正 秀才の峰正は七百石御腰物奉行・重村頼母の婿養子になった。三年で子どもができ、峰正は離縁された。義父を恨んで差腹を切るが失敗する。妻だった・美里と出奔する。寺子屋の師匠をしている。
雄征は日下家を出たが、何をするか決めていない。鶴次の所へは行けない。知り合った瓦版を書いている魯文のところに居候する。魯文の瓦版の下調べをしている。安政の大地震が起こる。
雄征は江戸の広い範囲の地震の起きる前兆のこと、地震の回数、頻度、大きさ、火事のこと被害のこと、今だから出きるこ後になれば忘れられることを書き残す。
地本問屋・三河屋の地震についてまとめたものを書いて欲しいと頼まれた魯文に、雄征は調べて書き残していたものを提供する。「安政見聞誌」三冊組となり発売された。
高級菓子屋・鶴亀屋が無料で配っていたかりんとうを食べた雄征は、ささやのかりんとうだと言った。ささやの主人は地震で亡くなった。もう食べられないと思っていた味だった。鶴亀屋の店では売れないかりんとうを売るため鶴亀屋を出て、小さな店で働いていた主人・乏しい小遣いで買ってくれる子どもが大事と言っていた主人の作り方を持っていた主人の娘に雄征は作り方を習っている。かりんとう売りをするつもりで。
材木商の主人が亡くなり妾に行かなくてよくなった鶴次の家に住んでいる。
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