2017年10月22日日曜日

刀番・左京之介(八) 関の孫六

刀番・左京之介(八) 関の孫六 藤井邦夫
 駿河国汐崎藩藩主・堀田家憲15に縁談が起こる。相手は尾張藩五の姫十八才・珠姫だった。先代藩主の奥方が御三家水戸の姫様で苦い教訓があったため断りたいと思う。
 刀番・京之介は佐吉と楓に頼み姫様のことを調べる。
 楓は尾張藩中屋敷の珠姫の部屋の天井で見張る。珠姫は朝から酒を飲み酒毒に侵されていた。幼少期より母の酒の相手をさせられていた。
 尾張藩江戸留守居役・深田帯刀は関の孫六兼元を家憲に見せると言ってきた。刀番・京之介の下に、水戸藩の孫六兼元と旗本から盗まれたという兼元と何本もの兼元の情報が集まる。いずれが本物でどれが偽物か。深田帯刀の元で働く尾張藩御土居下組の者と水戸藩の新しく闇同心になった裏柳生・夏目香四郎が見え隠れする。手柄争いをする二者を見ながら、たき付ける。夏目が尾張の屋敷から関の孫六景元を奪い盗ってきたところを京之介が景元を奪う。
 土居下組・服部兵衛は景元を取り返すために水戸藩邸に押し入る。夏目は怪我を負い、江戸家老・岡田采女正から尾張から手を引くように命じられる。尾張藩では曲者が忍び込み深田を脅して関の孫六を奪っていったことが成瀬隼人正に知られていた。深田は噂と打ち消す。成瀬は珠姫の縁談から手を引くように言う。親子は病に罹りお亡くなりになる。密かになと言われた。深田は服部に水戸藩から手を引くと伝える。密かに関の孫六を取り戻すのは尾張藩の与り知らぬことだと付け加える。
 服部は水戸家に忍び込み夏目も使い捨てにされたことを知る。夏目がくれた夏目の首を頂き、尾張藩の刀蔵から夏目が旗本から奪っていた景元を奪う。深田が寝ている床の間に夏目の首と関の孫六景元を置く。首はいつでもとれるという気持ちを込めて。
 珠姫親子は深田に毒を盛られた。天上裏から見ていた楓は、御付き女中を殺し、深田を追う。京之介と一緒に深田を斬る。珠姫は食中毒で亡くなり縁談は無くなった。
 服部と立ち合った京之介は服部を斬った。手に入れた孫六兼元を折った。
 
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿