新・剣客太平記〈七〉 決意 岡本さとる
猛稽古 猛稽古で足そ痛め、江戸から姿を消した峽竜蔵の弟弟子・手島錬太郎が江戸に帰り大沢鉄之助の道場の師範代を務めていた。手島は猛稽古を課し、恥辱を与え、精神をずたずたに引き裂き、そして支配した。そんな稽古を付けられた安東萬之助に声をかけ、道場を辞めさせた。金貸しをいている父親が貸した金を横取りされて困っていた。まずは叩き伏せ五十両を返させた。峽道場で寝起きさせ練習した。団野道場で手島の前で試合をする。五人抜きをする。竜蔵は門人をどこまでも追い込んで這い上がるのが強い奴だと思う。這い上がれないない者は二度と剣を取れなくなるのがお前のやり方だ。駄目の者は捨ててゆく。師範としてやってはいけないことだと忠告する。人は変わる者だ。お前も変わりな。
試し斬り 錬太郎は旅に出た。萬之助は桑野益五郎に預けた。
北原平馬の口利きで山田浅右衛門のところで試し斬りをさせてもらう。浅右衛門も峽道場にきた。その浅右衛門が首をはねる時、北町の寺崎克四郎という同心が扱った件で嫌な思いをすることがあると言う。寺崎を調べる。寺崎が気に入った女を手込めにしようとして殺してしまった犯人を仕立てていた。竜蔵は寺崎に近づき破廉恥な行いをしようとする所を人々の面前に出るように仕掛けた。奉行所を放逐されるだろう。
父子遊技 竜蔵は綾と鹿之介を連れて、湯島聖堂近くの神田川の河岸へ行った。鹿之介はだんなの刀で一思いにぶすっとやっておくんなさいまし。と言っている声を聞いた。三人で探すが見付からない。綾には道場回りと言いながら二人は探していた。見付けた。匕首は下卑が隠語だった。竜蔵は自分と父親が同じ経験をしたことがあったのを思い出した。
用心棒 程ヶ谷にいる中川裕一郎を訪ねた帰り、藤沢で煮売り屋をしていた父親を殺された十五才のまさの用心棒になった。父親を殺した河野喜平を探し仇討をすると言う。品川の石上滋三郎の所だろうと目星を付けていた。こっそり半次の協力を得て居所を探した。内藤新宿だった。石上を眠らせ、まさは喜平を傷つけ殺そうとする寸前に止めた。後はお上に任せな。
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