風烈廻り与力・青柳剣一郎25 黒猿(くろましら) 小杉健治
古着屋「益田屋」の五十両を盗んだとして下男・伝助が捕まった。青柳剣一郎と出会った伝助は何か言いたそうだった。その日の取り調べ前に益田屋の主・幸兵衛が五十両を盗まれたのは間違いだったと言い、伝助は解き放ちになった。剣之介は伝助が解き放ちになって良かったと言うが、剣一郎はでは幸兵衛が何かの罪を償わないといけないと言う。伝助が盗んだとみんなに思われたままだと言う。伝助は益田屋に帰らなかった。
その夜、益田屋の一帯が火事になり益田屋も焼けた。付け火だった。伝助が犯人だと思われたが、伝助の行方は分からなかった。
隣の旗本の用人が亡くなっていた。目つきの悪い三人組がいた。三人組の一人は殺された。旗本・西田家は三年前に下役の横領が発覚し、監督責任を問われ役を解かれ小普請入りした。三人組が火を付けどさくさに西田家に忍び込んだと考えた。
第二の仮の盗賊改めが出来た。剣一郎が伝助を探している時、伝助が犯人だと考え、伝助が牢で一緒だった玉吉を捕らえ、拷問する。伝助が火付けをすると言っていたとの弁を引き出す。玉吉は釈放されるが精神を病んでいた。剣一郎が三人組や西田家を調べていることを知ると、西田家で殺された用人の墓を暴き、傷口を調べる。自死ではなかった。第二の火盗改・横瀬籐之進は西田の下役・田丸寿太郎の母親も調べていた。母親は息子を信じていた。
焼け跡の西田家から運び出されたと思われたのは、黒猿の助五郎の遺体だった。半年前に助五郎一味は押し込みをした。手配は早かったが逃げられた。二日後の密告で隠れ家に踏み込んだが助五郎はいなかった。二千両も無かった。
助五郎一味は盗んだ金を持って西田主水の屋敷に隠れた。一味は夜が明けて隠れ家に帰った。二千両と助五郎が残り、西田主水は助五郎を殺し、二千両を奪った。助五郎の元一味・扇蔵が知り合いの三人を使って、二千両を奪う事と助五郎の遺体を運び出すだろうと狙いを付けて西田の屋敷に火を付けた。三人のうち一人が斬られ助け出している時、伝助と会い伝助が助けて家に帰り、伝助は看病をしていた。死んだあと、二人を捕まえた。西田主水は捕まる前に、三年前の勘定奉行や商家を含む悪事の計画を遺書に残し、切腹した。田丸寿太郎は上司の不正計画を知った。不正があったように書類を改ざんし自分を密告し、計画の実行を阻止したのだった。
幸兵衛は息子が五十両を取ったことを知り、自分の間違いだったと奉行所に申し出たのだった。伝助は帰らない。剣一郎は伝助は知っている。信用出来ない店には帰らないだろうと言う。幸兵衛は店の者に本当のことを話し、息子と共に伝助に誤る。伝助はまた、下男として働く。
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