2016年8月11日木曜日

万願堂黄表紙事件帖〈二〉

万願堂黄表紙事件帖〈二〉 品川女郎謎噺 稲葉稔
 青空虚無斎こと久平次は、四ヶ月掛かって書いた作品を突き返された。
 品川女郎に聞いた噺を元に、作品を書いた。
 
嵐に巻き込まれ、陸の孤島となった梅沢の立場茶屋での話。
三軒の茶屋の一軒・蔓屋で客の旅人と店の主夫婦が殺されていた。二件目の茶屋・杉之屋の主・利兵衛が政七に突かれた拍子に倒れ、頭を打って亡くなった。蔓屋が壊れ、水に浸かりそうなので、遺体を杉之屋に移す。途中、利兵衛の首が斬られる。
釜口屋にみんなが集まる。釜口屋の主・民蔵と娘・ひろ、浪人・鬼頭要之助、沼津藩藩士・奥平公三郎と下役・坪井辰蔵、小田原の旅籠の奉公人・藤、反物の行商人・竹市、旅の座頭・伊佐次、旅の女・道、流れ博徒・吉左と子分・政七。誰が、三人を殺したのか。この中にいるのか。利兵衛の首を斬ったのは誰か。
 殺されていた旅人は、吉左の兄弟分だった。犯人は政七だった。

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